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第二部 エリミア編

76 変革

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「まず、ガルクの件な」

 みんながガルクを見た

「今回は例外として認める」

「ありがとうございます!」

 みんながザワザワしだした

「ただし、フェルムス内の仕事優先な。支障が出るなら、クビだ!あと、表向きはお前はクビだから」

「はい」

「お前がガルーダの息子だから特別なんだからな!何でも許されると思うなよ」

「はい」

「最後に、妙な真似するなら、逮捕ではなく暗殺しにいくから、覚悟しとけ!」

「コワッ!」

「次に、今日のメインだ」

 みんなが再びアイリンに注目した

「私は、引退する」

 さっきと比べ物にならないほどのザワつきが起こった

「次の隊長はドードルだ」

 周囲がドードルを見た

「嫌です」

 ドードルは普通に断った

「だよな。だったら、ガルクとフィオル、ドードルの三人で組織をまとめろ」

 三人より先輩の人は何人もいるが、みんな納得しているようだった

「クルトナ家とガルーダの息子。そして、フェルムス内で本気だしたら一番強い奴。納得だ」

 だが、ドードルは納得していなかった

「三人もリーダー必要?揉めない?」

「新しいことを取り入れていくのも、時代を生きる者の役目だろ?三人でまとめられなかったら、その時はフェルムスの終わりだ」

 それを聞いたガルクはフィオルに耳打ちした

「その前に、エリミアが終わってる可能性が高いよな?」

「シュリオンのことか?」

「それだけじゃない」



 それから、アイリンは引退し。クルトナ家で隠居生活を始めた。フェルムスは、三人でふざけることなく、真面目に話し合いながら、上手くまとめていた

「フィオルも、ドードルも家庭を持つとはな・・・」

 数年後にフィオルとドードルは家庭を持った

「ドードル。契りは大丈夫なのか?」

「契り?」

 フィオルは理解していないらしい

「契りか・・・。先祖が結んだ契りも古い。だんだんと効力が薄くなってきているはずだ」

「けど、契りは絶対だろ?」

「そうなんだけど。憑依能力を受け継いでいく契りだけど。僕と父さんは完璧同じ能力ではないじゃん?」

「あぁ」

「それほど、効力が薄くなっているのか。契りが厳重すぎないのかもしれない。今度、契り屋の家系に聞きにいってみる」

「そうか。フィオルはそろそろ産まれるのか?」

「あぁ」

「名前は決めたのか?」

「妻と相談してな決めたよ。バリオンだ」

「バリオンか・・・。将来が楽しみだな」

 そんな話をしていると、フェルムス隊員の一人がやって来た

「隊長・・・達」

「なんだ?」

「唯一王からの連絡です。至急、宮殿に行ってください」

 三人は空間を切り裂いた
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