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第二部 エリミア編
84 作戦会議
しおりを挟む「僕は君が自殺したりしないと信じてるさ。誰かに殺されたのか?どっかで隠れて生きてるのか?」
ガルクはリッゾルに会いに行った
「リッゾル。フェーナが死んだ・・・」
「シュリオンに聞いたさ。どうすんだ?」
「何が?」
「戦争するのか?」
「フェーナを失ったシュリオンは、もう終わりだ」
「フェーナは望んでいないだろ?」
「フェーナが望んだ世界は最初から存在してないさ」
「どういう意味だ?」
「フェーナは、本当の家族と一緒に暮らしていたかった。しかし、両親が殺される事件が起こってから、永遠に叶えられない」
「フェーナの両親が殺された?事故と聞いてたぞ!」
「そうか。リッゾルは知らなかったな・・・。テロで死んだ。その日から、フェーナは永遠に叶えることができない望みを持ってしまった。また、両親と一緒に暮らしたいと」
「それから、僕もシュリオン、フィオルは、取り憑かれたように、それぞれのやり方で夢を叶えようとした。フェーナは気づいていただろうな。記憶は書き換えられたが、読心術で両親がテロで死んだと知ったんだと思う。結局、彼女は生涯に渡り苦しんでいたんだろうな」
「それで、戦争はするのか?」
「あぁ。フェーナが死んだのはシュリオンのせいだ!」
ガルクは絶対に認めたくなかった。自分のせいで、フェーナが自殺したなんて。誰かに責任を全て押し付けないと、自分は生きられないと分かっているかのように、シュリオンが悪だと思い込んだ
「フェーナの弔い合戦だ!」
「どこを攻める?」
「シュリオンのいる宮殿は、僕が直々に攻め込む。フェルムス隊員を率いてな」
「他は?」
「スミとリッゾルに任せるさ」
「リンドルズ学校はどうするんだ?」
「あそこの教師達は、フェルムス隊員並みに強い。シュリオンに加勢に来られたら厄介だ。じゃあ、スミには大陸間での戦争。リッゾルはリンドルズ学校を攻めてくれ」
「自分の母校を攻めろと?」
「あぁ」
「子供は殺すのか?嫌だぞ」
「いや、教師を止めてくれてればいい。恐らく、上級生は戦いに参戦してくると思うが・・・。リンドルズ学校から、死者を出すつもりはない。時間稼ぎをしてくれてればいい」
「しかし、向こうにはネオルノ先生や校長といった、深い思考を持つ人達がいる。時間稼ぎなんてすぐに見破られる」
「だったら、リンドルズ学校の敷地内にある猛獣生息エリアの動物達を使え。奴らが暴れれば、兵力が多くなくても、リンドルズ学校を足止めできる」
「リンドルズ学校テロ事件の時、何でテロリストが同じことをしなかったと思う?」
「さぁ?」
「暴れさせることが困難だからだよ」
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