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第二部 エリミア編
85 正しい道
しおりを挟む「なんで、暴れさせることが困難なんだ?」
「近づく前に、エリアに侵入してきた奴らの方がやられる」
「そいつらは、相当馬鹿だったんだろう。正しい知識があれば余裕だな」
「ガルク。僕に、そんな賢い頭脳があると?」
「無いな!けど、安心しろ。ある人を味方につけることを思い付いた。その人が味方なら、リンドルズ学校は足止めどころか、征服できるな」
「誰?」
「僕の恩人。アイリン・クルトナ」
「アイリン・クルトナ?」
「ザルウィン・クルトナの子孫にして、前フェルムス隊長。先代唯一王ガルーダの親友」
「そんな人が味方になってくれるのか?」
「さぁ?」
「確証無いのか?!」
「無いよ。ただ、あの人は正しい未来につくと思ってる」
「アイリンさんが、ガルクを正しくないと思ったら?」
「その時は、その時だ」
ガルクはクルトナ家に行った。ドードルがいないせいか、とても生活感がない家になってしまっている
「隊長~!隊長~!」
ガルクは、ひたすら叫んだ
「もう、私は隊長ではないですよ」
ボソッと小さな声がガルクの背後で聞こえた
「アイリン!」
「珍しい・・・。殺しに来たのですか?」
「殺しに?なんで?!」
アイリン・クルトナからは以前のオーラが消えていた。すっかり、人生に疲れたおじさんの雰囲気になってしまってる
「あなたが、エリミアに変革をもたらすという噂を聞いたもので・・・。古きものを処分しにきたのかと」
「エリミアに変革・・・。どっから噂を?流石だと思いますよ。引退してもなお、世界の様々な情報を入手しているなんて」
「なら、エリミアに変革をもたらすのは本当なのですか?」
「そのつもりです」
「で、私に協力を?」
ガルクはアイリンの目を見て、黙り込んだ
「どうしました?」
「すいません。さっき、噂を聞いたと言ってましたが、嘘ですね?」
アイリンは少し笑った
「あなたも流石ですね」
「とんでもないジジイだな。あなたは、変革をもたらす噂なんか聞いていない。ただ、独自の考察力で、それに気付き、探りをいれただけだ」
「えぇ。あなたが会いに来る理由。フェーナの死。シュリオンとの不仲。スミとの密会。他にもいろいろあるが、総合的に判断すると、さっきの結末が思い浮かんだんです」
「僕のことなど、全てお見通しというわけですか・・・」
「で、私に協力を求めに?」
「えぇ」
「協力してもいいですが、裏切るかもしれませんよ?」
「あなたは、正しいと思う道を歩いていたいだけ。裏切る時がきたなら、僕とあなたが描く正しいの認識が違うだけ。恨みなんかしませんよ」
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