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潮の匂いが鼻をくすぐった瞬間。
「いい加減起きなさい」
前髪を掴まれる感触に、尚里は呻いた。
首の痛みに顔を顰めて瞼を上げる。
パッと前髪を離された感触に顔をしかめながら、尚里は上半身を起き上がらせた。
そこはびゅんびゅんと風が吹く、場所だった。
足元も目の前の壁も石で出来ているようだ。
大きな開けっぴろげられた扉から向こうには、海と空が見える。
その視線の高さに、ここがそうとうな高所であることがわかった。
「景色がいいでしょう」
聞き覚えのある声に振り向けば、予想通りの声の主がいた。
ニニーカだ。
今日はヒビリヤでもなく、黒いシャツに黒いスキニージーンズ姿だ。
その横にいる人物に尚里は顔を顰めた。
同じく黒ずくめの恰好をしたブラコスタだった。
「ここはどこだ」
二人の後ろには、先ほど尚里達を襲ったのと同じ姿の男が五人控えている。
アーリンは無事だろうかと背中に汗が一筋流れた。
「ここは廃墟のお城、危険区域に認定されているから誰も来ないわ」
確かに所々ひび割れているし、相当に古そうな建物だ。
「指輪を寄こしなさい」
予想通りの言葉に笑いが出そうだった。
「私が花嫁になるから、お前は帰ったことにしてあげる」
得意げに語るニニーカ。
けれどそれを遮るように、ブラコスタが一歩前に出た。
「それか私の言う事を聞くように、イシリスに進言するなら帰してやる」
「ちょっと!」
ブラコスタの言葉にニニーカが眉を吊り上げた。
どうやら一枚岩というわけではないらしい。
「うるさい!一番えらいのは私だ!王太子になって王になるのもだ!」
ニニーカが詰め寄ると、ブラコスタが吠えた。
王太子が決まってないとはそういえば聞いたなと頭の片隅で思い出す。
地位と権力が目的なのだと確信した。
「指輪を私が持てば花嫁は私になるわ!そうすればイシリスに進言してあげる」
「……いいだろう」
むっつりと了承したブラコスタに冗談じゃないと睨みつけたけれど、鼻を鳴らしていなされた。
「指輪を探せ」
立ち上がって壁際に逃げようとしたけれど、男の一人に易々と捕まえられて両手を後ろで拘束された。
「離せ!」
別の男がズボンのポケットをまさぐるのを身を捩じって抵抗する。
男がポケットから取り出したのは、ルキアージュに渡すために作ったブレスレットだった。
「何よこれ」
男からブレスレットを受け取ったニニーカがしげしげとそれを眺める。
「いらないわよ、こんなもの」
言うなりニニーカがポイと窓の外へとブレスレットを放り投げた。
あっけなく海へと落ちていくルキアージュへのプレゼントに、尚里は目を見張った。
そしてハッと我に返る。
首のネックレスに気付いた男が、それを奪い取ったのだ。
「返せ!」
それはルキアージュが尚里を想って渡してくれたものだ。
「お前のものじゃないわ!」
ニニーカがピシャリと言い放つ。
そしてぞんざいに鎖を放り捨てると、指輪を自分の白い指へとくぐらせた。
「うふふ、美しい光」
「さて、じゃあ花嫁、いや違うか。お前の処分だな」
ちらりと興味がなさそうにブラコスタが尚里を見た。
「やはり殺した方が面倒がなくていいか」
ブラコスタの言い分に、やっぱりかと思う。
古今東西、こういった輩が大人しく帰してくれるわけがない。
尚里が拘束されたまま身構えた時だ。
バンと古ぼけた部屋の扉がけたたましく開いた。
「な、なんだ!」
ブラコスタが慌ててそちらを見ると、そこには。
「ルキ……」
ルキアージュを先頭に、軍服を着た男達が十人ほど現れた。
その中にはフルメルスタもいる。
「ブラコスタ、ニニーカ・ランデルン。花嫁誘拐の罪で拘束する」
凛とした言葉が石壁に響く。
ブラコスタがバッと腕を上げると、男達が一斉に炎の矢を打はなった。
「ルキ!」
思わず叫ぶけれど、ルキアージュは手すら動かさずにそれらを無数の水の矢が叩き落とす。
それを合図に軍人達が男達へと攻撃を仕掛けた。
人数以上に、軍人達の方が圧倒的に攻撃が強くすぐに男達は次々拘束されていく。
尚里を拘束していた男も、フルメルスタによって昏倒させられた。
あとにはブラコスタとニニーカ以外で自由の身の人間はいなかった。
「どうしてここが……!」
呻くようなブラコスタの声。
「尚里の気配なら、わかります」
コツコツと表情の抜け落ちた顔で二人の前進み出たルキアージュに、ニニーカはすがるような媚びるような笑みを浮かべた。
「花嫁は私です。この指輪は私にこそふさわしいのです!」
「よく見てみるんだな」
指輪を嵌めている手を差し出していたニニーカが、ルキアージュの言葉にそれへ目を落とす。
「何よこれ!」
そこには青い輝きはなく、黒ずみただのその辺の石とかわらない色になっている、トゥルクロイドであるはずのものがあった。
「偽物だったのっ?」
キッと睨みつけられたけれど、尚里も驚きで言葉もなかった。
間違いなくあれは本物のトゥルクロイドの指輪なはずだ。
「花嫁ではないというだけだ」
ルキアージュの言葉にニニーカはキリリと眉を吊り上げた。
「こんなもの!」
窓の外。
大海原へとニニーカが指輪を投げつけた。
「あ!」
(ルキの大事な指輪!)
思った時には走り出し、窓から身を乗り出して指輪を掴んだ。
ホッとした瞬間、体がぐらりと傾いで窓の外へと体が落ちていく。
せめて指輪を離すまいと、海面に叩きつけられる衝撃に備えて両手でトゥルクロイドを握りしめた。
「尚里!」
ルキアージュの声が響いた。
その瞬間、あわや海面に到達するというところでザバリと音を立てて海が割れた。
まるでモーゼの十戒のようだ。
さらに下から押し上げられるように風が吹き、体を持ち上げられる。
「スゴイ……」
パチクリと目を丸くしたまま窓辺まで風に運ばれると、腕をぐいと強く引っ張られた。
室内に引き込まれた瞬間、ルキアージュに痛いくらいに抱きしめられた。
その大きな体は、尚里の気のせいでなければ微かに震えている。
それを安心させるように、尚里は明るい声をかけた。
「大丈夫、指輪無事だよ!大事なものだろ」
「ッ大事なのは!大切なのはあなただ!」
大きな声で言われて、尚里はキョトリとその剣幕に目を丸くした。
「結婚が嫌ならしなくていい。ただ、いなくならないで、傷つかないでください」
「ごめん……心配させたんだな」
「当たり前です」
抱きしめてくるルキアージュの背中を宥めるように左手でぽんぽんと叩くと、ようやく腕の力が緩まった。
「ありがとう」
指輪も無事だと示すように指輪を握りしめていた右手を開く。
「あれ?」
そこには青いマリンブルーの輝きを取り戻したトゥルクロイドがあった。
「あ、ああ……何で!」
バヂンッ!
指輪を見てニニーカが叫んだ瞬間、炎が彼女の長い髪を焼き切った。
手入れされていただろう長い赤毛が、潮風に乗って海へと落ちていく。
指輪を投げ捨てたときに拘束されていた彼女は、そのままずるりとその場にへたりこんでしまった。
「貴様には追って沙汰を申す。楽な刑になると思うな」
それを見ていたブラコスタは、まるでへりくだるようにルキアージュへ冷や汗をかきながら笑顔を見せた。
彼もニニーカ同様に拘束されている。
「私はそそのかされただけなのです。私は王太子に、ゆくゆくは王になる男です。おわかりでしょう?」
勝手な言い分だ。
尚里が不愉快そうに顔を顰めたのとは反対にルキアージュは口元に笑みを浮かべた。
その表情にブラコスタが安堵するように息を吐いた。
「第一王子ブラコスタからは継承権を剥奪する」
「なっ!」
一気にブラコスタの顔から血の気が引いた。
「王太子は第二王子ピルケットとする。明日にも各方面へ通達を」
ルキの言葉にフルメルスタが短く返事をした。
「バカな!何故です!」
驚愕に顔をゆがめるブラコスタを見やり、ルキアージュが冷たく言い放った。
「私の花嫁に手を出した。ブンブンと飛んでいるのには無視をしてやったが、それが間違いだった。お前にも沙汰は後で申し渡す。連れて行け」
「わ、わああああ!」
ブラコスタは放心しているニニーカと共にフルメルスタ達に引きずって行かれた。
そちらを呆然と見ていると。
「我々も行きましょう」
背中を押され、ルキアージュと共にその場を後にした。
「いい加減起きなさい」
前髪を掴まれる感触に、尚里は呻いた。
首の痛みに顔を顰めて瞼を上げる。
パッと前髪を離された感触に顔をしかめながら、尚里は上半身を起き上がらせた。
そこはびゅんびゅんと風が吹く、場所だった。
足元も目の前の壁も石で出来ているようだ。
大きな開けっぴろげられた扉から向こうには、海と空が見える。
その視線の高さに、ここがそうとうな高所であることがわかった。
「景色がいいでしょう」
聞き覚えのある声に振り向けば、予想通りの声の主がいた。
ニニーカだ。
今日はヒビリヤでもなく、黒いシャツに黒いスキニージーンズ姿だ。
その横にいる人物に尚里は顔を顰めた。
同じく黒ずくめの恰好をしたブラコスタだった。
「ここはどこだ」
二人の後ろには、先ほど尚里達を襲ったのと同じ姿の男が五人控えている。
アーリンは無事だろうかと背中に汗が一筋流れた。
「ここは廃墟のお城、危険区域に認定されているから誰も来ないわ」
確かに所々ひび割れているし、相当に古そうな建物だ。
「指輪を寄こしなさい」
予想通りの言葉に笑いが出そうだった。
「私が花嫁になるから、お前は帰ったことにしてあげる」
得意げに語るニニーカ。
けれどそれを遮るように、ブラコスタが一歩前に出た。
「それか私の言う事を聞くように、イシリスに進言するなら帰してやる」
「ちょっと!」
ブラコスタの言葉にニニーカが眉を吊り上げた。
どうやら一枚岩というわけではないらしい。
「うるさい!一番えらいのは私だ!王太子になって王になるのもだ!」
ニニーカが詰め寄ると、ブラコスタが吠えた。
王太子が決まってないとはそういえば聞いたなと頭の片隅で思い出す。
地位と権力が目的なのだと確信した。
「指輪を私が持てば花嫁は私になるわ!そうすればイシリスに進言してあげる」
「……いいだろう」
むっつりと了承したブラコスタに冗談じゃないと睨みつけたけれど、鼻を鳴らしていなされた。
「指輪を探せ」
立ち上がって壁際に逃げようとしたけれど、男の一人に易々と捕まえられて両手を後ろで拘束された。
「離せ!」
別の男がズボンのポケットをまさぐるのを身を捩じって抵抗する。
男がポケットから取り出したのは、ルキアージュに渡すために作ったブレスレットだった。
「何よこれ」
男からブレスレットを受け取ったニニーカがしげしげとそれを眺める。
「いらないわよ、こんなもの」
言うなりニニーカがポイと窓の外へとブレスレットを放り投げた。
あっけなく海へと落ちていくルキアージュへのプレゼントに、尚里は目を見張った。
そしてハッと我に返る。
首のネックレスに気付いた男が、それを奪い取ったのだ。
「返せ!」
それはルキアージュが尚里を想って渡してくれたものだ。
「お前のものじゃないわ!」
ニニーカがピシャリと言い放つ。
そしてぞんざいに鎖を放り捨てると、指輪を自分の白い指へとくぐらせた。
「うふふ、美しい光」
「さて、じゃあ花嫁、いや違うか。お前の処分だな」
ちらりと興味がなさそうにブラコスタが尚里を見た。
「やはり殺した方が面倒がなくていいか」
ブラコスタの言い分に、やっぱりかと思う。
古今東西、こういった輩が大人しく帰してくれるわけがない。
尚里が拘束されたまま身構えた時だ。
バンと古ぼけた部屋の扉がけたたましく開いた。
「な、なんだ!」
ブラコスタが慌ててそちらを見ると、そこには。
「ルキ……」
ルキアージュを先頭に、軍服を着た男達が十人ほど現れた。
その中にはフルメルスタもいる。
「ブラコスタ、ニニーカ・ランデルン。花嫁誘拐の罪で拘束する」
凛とした言葉が石壁に響く。
ブラコスタがバッと腕を上げると、男達が一斉に炎の矢を打はなった。
「ルキ!」
思わず叫ぶけれど、ルキアージュは手すら動かさずにそれらを無数の水の矢が叩き落とす。
それを合図に軍人達が男達へと攻撃を仕掛けた。
人数以上に、軍人達の方が圧倒的に攻撃が強くすぐに男達は次々拘束されていく。
尚里を拘束していた男も、フルメルスタによって昏倒させられた。
あとにはブラコスタとニニーカ以外で自由の身の人間はいなかった。
「どうしてここが……!」
呻くようなブラコスタの声。
「尚里の気配なら、わかります」
コツコツと表情の抜け落ちた顔で二人の前進み出たルキアージュに、ニニーカはすがるような媚びるような笑みを浮かべた。
「花嫁は私です。この指輪は私にこそふさわしいのです!」
「よく見てみるんだな」
指輪を嵌めている手を差し出していたニニーカが、ルキアージュの言葉にそれへ目を落とす。
「何よこれ!」
そこには青い輝きはなく、黒ずみただのその辺の石とかわらない色になっている、トゥルクロイドであるはずのものがあった。
「偽物だったのっ?」
キッと睨みつけられたけれど、尚里も驚きで言葉もなかった。
間違いなくあれは本物のトゥルクロイドの指輪なはずだ。
「花嫁ではないというだけだ」
ルキアージュの言葉にニニーカはキリリと眉を吊り上げた。
「こんなもの!」
窓の外。
大海原へとニニーカが指輪を投げつけた。
「あ!」
(ルキの大事な指輪!)
思った時には走り出し、窓から身を乗り出して指輪を掴んだ。
ホッとした瞬間、体がぐらりと傾いで窓の外へと体が落ちていく。
せめて指輪を離すまいと、海面に叩きつけられる衝撃に備えて両手でトゥルクロイドを握りしめた。
「尚里!」
ルキアージュの声が響いた。
その瞬間、あわや海面に到達するというところでザバリと音を立てて海が割れた。
まるでモーゼの十戒のようだ。
さらに下から押し上げられるように風が吹き、体を持ち上げられる。
「スゴイ……」
パチクリと目を丸くしたまま窓辺まで風に運ばれると、腕をぐいと強く引っ張られた。
室内に引き込まれた瞬間、ルキアージュに痛いくらいに抱きしめられた。
その大きな体は、尚里の気のせいでなければ微かに震えている。
それを安心させるように、尚里は明るい声をかけた。
「大丈夫、指輪無事だよ!大事なものだろ」
「ッ大事なのは!大切なのはあなただ!」
大きな声で言われて、尚里はキョトリとその剣幕に目を丸くした。
「結婚が嫌ならしなくていい。ただ、いなくならないで、傷つかないでください」
「ごめん……心配させたんだな」
「当たり前です」
抱きしめてくるルキアージュの背中を宥めるように左手でぽんぽんと叩くと、ようやく腕の力が緩まった。
「ありがとう」
指輪も無事だと示すように指輪を握りしめていた右手を開く。
「あれ?」
そこには青いマリンブルーの輝きを取り戻したトゥルクロイドがあった。
「あ、ああ……何で!」
バヂンッ!
指輪を見てニニーカが叫んだ瞬間、炎が彼女の長い髪を焼き切った。
手入れされていただろう長い赤毛が、潮風に乗って海へと落ちていく。
指輪を投げ捨てたときに拘束されていた彼女は、そのままずるりとその場にへたりこんでしまった。
「貴様には追って沙汰を申す。楽な刑になると思うな」
それを見ていたブラコスタは、まるでへりくだるようにルキアージュへ冷や汗をかきながら笑顔を見せた。
彼もニニーカ同様に拘束されている。
「私はそそのかされただけなのです。私は王太子に、ゆくゆくは王になる男です。おわかりでしょう?」
勝手な言い分だ。
尚里が不愉快そうに顔を顰めたのとは反対にルキアージュは口元に笑みを浮かべた。
その表情にブラコスタが安堵するように息を吐いた。
「第一王子ブラコスタからは継承権を剥奪する」
「なっ!」
一気にブラコスタの顔から血の気が引いた。
「王太子は第二王子ピルケットとする。明日にも各方面へ通達を」
ルキの言葉にフルメルスタが短く返事をした。
「バカな!何故です!」
驚愕に顔をゆがめるブラコスタを見やり、ルキアージュが冷たく言い放った。
「私の花嫁に手を出した。ブンブンと飛んでいるのには無視をしてやったが、それが間違いだった。お前にも沙汰は後で申し渡す。連れて行け」
「わ、わああああ!」
ブラコスタは放心しているニニーカと共にフルメルスタ達に引きずって行かれた。
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背中を押され、ルキアージュと共にその場を後にした。
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