冥界の愛

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質疑応答 『マイク』 早く出せ!

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 随分と前のお話『私の代わりに、この地に、貴方の側に。』の題から 一部をコピペします。


 
~~~~
少しでもこの目に焼き付けていたい。ハデス様の瞳も鼻も唇も大好きな顎も、その撫でてくれた手も足も何もかも。忘却の術が効いてしまうその瞬間まで見ていたい。忘れたくない。忘れるなんてできない筈。

 いいえ、きっと忘れてしまうでしょう。その悲しみさえ残してはくれない
 ここから冥府から何も持ち出す事はできなくても、何か残していける物はないのかしら?
 『その名もその姿もここに置いてゆけ』
地上に帰ると、覚醒した私は元の髪に戻るらしい。
 小さなナイフを借りて、背中にかかる黒髪の束を切り裂いた。ツヤツヤの長い黒髪。地上に帰るとなくなってしまうのが悔しくて仕方なかった。
 だから、せめて、ここに残していきたい。誰にも迷惑をかけない所で、ハデス様にもらった同じ黒髪をここに残させてください。

 ナイフで切り取った髪を洞窟の前にそっと置いた。黒髪の紐で括った束が風に靡いてる。そのうちに風に流されてこの冥界に飛び散っていくだろう。覚えていられない私の代わりに、この地に残って。そう思いながら、立ち上がる。
~~~~~~~



今度はハデスが、思い出と共に黙り込んでいた。


ミノス 「何ですか?それ。」

ハデス 「だから、あの娘がここで髪を切って行った。」

ミノス 「え?どこで?いつ?何で?」

ハデス 「ネクロマンディオの洞窟で、向こうに帰る前に、最期に、きっと前の金髪と違って黒髪が嫌だったんだろう」

ミノス 「は? それ、ちゃんと聞いたんですか?」

ハデス 「花の女神に相応しい輝く黄金髪ブロンドヘアだった」

ミノス 「じゃあ、覚醒した後の黒髪は似合ってなかったと思ったんですか?」

ハデス 「イヤ(あれはあれで少し大人びて見えるのが可愛くて私の髪色と同じだと嬉しそうに ) ハッ!違う、似合っていた。」

ミノス 「何か違うこと考えてました?」

ハデス 「、、何でもない」

ミノス 「つまり、こちらにはペルセフォネ様のご自身の髪が、風に流れてあちこちに残ってて、それが集音器マイクになってる。で、あちらにはペルセフォネ様が最後に持ち帰った界渡りの花がスピーカー拡声器・電気音響変換器があって、こっちの音が向こうで響かせてしまっている。それが真相でいいんですね?」

ハデス 「ああ、たぶんそうだろう。だが、冥界の強い結界を張っていないところの音だけだ。冥府宮の中などは反応していない。」

ミノス 「、、、、もしや、いや、きっと、持ってるでしょ?」

ハデス 「、、、、何のことだ?、、、」

ミノス 「観念して見せてください。確かめるだけです返してあげますから。」

ハデス 「、、、、はい。これです。」

ミノス 「そんな所に入れてたんですか?」

ハデス 「笑うな」

ミノス 「はいはい」「うーん、一見はただの黒髪ですね~」

ハデス 「もう、、、いいか?」

ミノス 「珍しい。何かに執着する事なんてあるんですね」

ハデス 「だが、きっとこの切り取った髪は生きている。条件的には生きている身体の一部と言う約束事だ」

ミノス 「そうですね。ヒューが預かっているタナトスの心臓を見たことがありますが、ドクドクと動いていましたから。」

ハデス 「普通は切り取った髪は生きているに入らない。地上界で死んだ者が、形見として残して置けるのは、実際には生きていないからだ。」

ミノス 「じゃあ、なぜこの黒髪は生きてるに入ってしまってるんですか?高位神なら何でも有りなんですかね?そんなら、もう俺には、この謎解きにはお手上げですよ。(だって、あんた達高位神は浮気で腹が立ったからって自分一人で子ども産んだりするんだろ?クローンか?だからギリシャホラー神話なんて言われるんだぜ)」

ハデス 「一つは、この黒髪には覚醒の時に私の身体の一部が組み込まれてる。あの娘が空に拡散してカオスに入った時に私の細胞で回収して、もう一度形を作り直したんだ。」

ミノス 「それ、反則ですよね?自分好みに好きな女の子の身体作ってしまうなんて。だから、『やっぱり巨乳好きなんだ、母様も巨乳だもの』なんてつぶやかれるんですよ。」

ハデス 「え? あれは、彼女の願望であって、私の好みとかじゃないんだが」

ミノス 「え?ロリ系?」

ハデス 「はあ⁈ 」「いや、もう止めろ」

ミノス 「そうですね。この話題Rにかかってきそうですものねぇ。 それで?髪が生きてる理由は、他にもあるんですか?」

ハデス 「たぶん。地上に帰ったペルセフォネは今、姿形も以前と同じ覚醒前の姿で暮らしている。もちろん名前も『コレー』のままだ。」

ミノス 「そうらしいですね。見てきたケイロン殿がそう話してました。まるで冥界に居た事が夢だった様に、以前と同じ姿で暮らしていると。」

ハデス 「そうだろう。それが私の決めた事だ。だから、冥界のこの黒髪はコレーという女神ではなくて、ペルセフォネの髪で、彼女はまだここ冥界の住人として認識されてるんじゃないか?」

ミノス 「じゃあ、反対にスピーカーの方が認識しないで、反応しないのでは?」

ハデス 「地上での音は、どこから流れて出ている?」

ミノス 「確か、デーメテールの丘の向こうからだと聞きましたけど。たぶんお嬢さんが、そこにあの花を植え替えたんでしょう。昼は気持ちのいい風が吹く眺めのいい広い野原みたいですよ。」

ハデス 「そうだな。冥界の花などは手元に置いておきたくはなかったのだろう。」

ミノス 「随分と拗ねらせてるみたいですが、話が進まないので無視しますね」

ハデス 「そこにはかつて、あの娘が落ちてきた界渡りの花を置いていたんだ。以前は向こうの花が集音器で映写機で、こっちに映像装置があったんだ。だから、磁場が働く様になっている場所だ。」

ミノス 「えーーーと?、、、、待ってくれ。向こうでカメラをとって、こっちのモニター室でニヤニヤ見ていたと??」











 えーーーーと、、、、。やっぱり『R』に引っかかる?
いや、ストーカーはRどころか犯罪の法にかかるよね?

えーと、俺、裁判官だっけ? これ、ボスだったっけ?

やっぱり、話進まない。

けど、これ、確認して、アウトなら一発入れとかないとなーーーーー。 
 
 あーぁ 禁煙してたのに、タバコ吸いたくなってきた。


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