10 / 47
10
しおりを挟む
先生の住むマンションに到着した。
瀟洒な外観のマンションで、先生と俺はエレベーターに乗って先生が7Fのボタンを押した。部屋の前に着くと心臓が早鐘を打って。
「入って、八神さん」
先生が優しく微笑んでくれて、おずおずと部屋に入る。
ベージュを基調とした綺麗に片付いた1LDKの部屋だった。俺が入口で立ちすくんでいるとすぐにソファに座るよう促してくれて。
先生はキッチンに立って、やかんにお湯を沸かしていた。
「先生……ごめんなさい……」
「気にしないの。僕を頼ってくれて嬉しいんだよ? 八神さんコーヒー砂糖いる?」
俺はフルフルと顔を横に振った。
すぐにお湯が沸いてコーヒーが出され、そっとカップに口を付ける。先生が使っているマグカップなのかなと思うと何だかドキドキして。
でも──。
その温かさに、また涙がこぼれてくる。
「すみません……俺……他に行く宛てがなくって……」
「だから気にしないの。先生は八神さんが頼ってくれて嬉しいって言ったでしょう?」
先生の言葉に再び涙がボロボロこぼれてくる。
「俺……怖いんです……彰成が……」
そう言うと先生が俺をぎゅっと抱きしめて来て。
先生? 先生は俺を助けてくれるの? 救ってくれるの? なんてことを考えてしまう。でも、気付けば俺は先生の背中をぎゅっと掴んでしまっていた。
この感情はなんだろうか。
助けて、先生。お願い。
瀟洒な外観のマンションで、先生と俺はエレベーターに乗って先生が7Fのボタンを押した。部屋の前に着くと心臓が早鐘を打って。
「入って、八神さん」
先生が優しく微笑んでくれて、おずおずと部屋に入る。
ベージュを基調とした綺麗に片付いた1LDKの部屋だった。俺が入口で立ちすくんでいるとすぐにソファに座るよう促してくれて。
先生はキッチンに立って、やかんにお湯を沸かしていた。
「先生……ごめんなさい……」
「気にしないの。僕を頼ってくれて嬉しいんだよ? 八神さんコーヒー砂糖いる?」
俺はフルフルと顔を横に振った。
すぐにお湯が沸いてコーヒーが出され、そっとカップに口を付ける。先生が使っているマグカップなのかなと思うと何だかドキドキして。
でも──。
その温かさに、また涙がこぼれてくる。
「すみません……俺……他に行く宛てがなくって……」
「だから気にしないの。先生は八神さんが頼ってくれて嬉しいって言ったでしょう?」
先生の言葉に再び涙がボロボロこぼれてくる。
「俺……怖いんです……彰成が……」
そう言うと先生が俺をぎゅっと抱きしめて来て。
先生? 先生は俺を助けてくれるの? 救ってくれるの? なんてことを考えてしまう。でも、気付けば俺は先生の背中をぎゅっと掴んでしまっていた。
この感情はなんだろうか。
助けて、先生。お願い。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
43
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる