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 時雨さんが性急に口付けてくる。
 絡ませてくる舌に必死で応えていると俺の口端からどちらの物ともつかない涎がこぼれて、それを時雨さんが顎から掬いあげた。

 時雨さんの手がスウェットをまくりあげ、解かれた唇が左胸の飾りに吸い付くと快楽で背が反り返る。

 右の飾りは人差し指と親指で捏ねる様に捻り上げ押し潰され、みるみる内に芯を持って硬くなった。

「ぁっ、ん、しぐ、れさ……」

 執拗なまでに胸を嬲られて下半身が硬度を増すのがわかる。
 早くそこを触って欲しいのに時雨さんは胸ばかり弄ぶ。

 スウェットのズボンが先走りの液で染みを作っているのがわかって。
 俺は涙目になりながら「時雨さ……」と名前を呟いた。

「どうして欲しい? 春」

 その問いかけに俺は真っ赤になる。
 触って欲しいだなんて浅ましいことが言えなくて。

「時雨さんの……いじわる……」

 声を出すと瞳からボロボロ涙がこぼれた。
 時雨さんが俺の唇にちゅっと触れるだけの口付けを落とす。

「いじわるしてごめんね、春。泣かないで?」

 言葉と同時、俺のスウェットのズボンが下着ごと脱がされて。
 外気に触れたそれがブルッと震えた。

 時雨さんの外から帰ってきたばかりの冷たい手が俺の昂りをそっと握って、その冷たさにビクンと腰が跳ねる。

「ぁ、や……冷たっ」

 時雨さんがフッと笑った。
 カリ首を強い力で擦って鈴口を指で弾かれる。

「春のエッチな液で温めて?」

 先走りの汁がトロトロとこぼれてきて、時雨さんの指がどんどん温かくなって、やがてそれは陰茎の温度と交わる。

「やっ、ぁ、ぅんっ」

 俺はあられもない声をあげてビクビクと腰を震わせた。
 時雨さん、もっと、もっと。
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