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 腰や腹に手のひらを這わせながら、時也ときやさんは唇の輪郭をなぞるように舌で辿り、薄く開かせられた口腔にゆっくりと肉厚な熱を差し込んでくる。

 咥内こうないで熱い舌がもつれ合って、踊り合うように情熱的なリズムを刻めば、舌根の水源からじっとりと唾液が溢れ、時也さんは何か甘い蜜でも堪能するかのようにそれをすすり上げた。

 そうして時也さんの口腔で甘やかされて蜜液へと変わったそれを再び俺の濡れきった舌の上に送り返され、喉仏にそっと指が絡まって飲み込むよう促してくるので、命じられるまま二人分の体液を嚥下えんかする。

「……んっ……ぅ……」

 こくりと喉が鳴ると、ご褒美だと言わんばかりに両頬を手のひらで覆われ、角度と深さを変えた舌が上顎をくすぐり、唇から全身をあぶられるようにカッと身体が熱くなっていく。

 指一本分くらいの隙間を開けて離れた時也さんの唇が小さく動くのを眼下で確認したと共に、「なぁ、まくっていい?」と言う音を耳に、息を唇に浸透させてくる。

 その言葉と同時、ゆるやかに裾から腰を撫でていた時也さんの手が俺の着ているニットをゆっくりとたくし上げていく。

「……女みたいに面白くないですよ?」

 心の準備をして欲しくて問いかけたら、時也さんは「すっげぇ面白そうだけど?」と、露わになった胸の粒をキュッとひねった。

「……っ」

「その反応、待ってました。時也さんの手技を見せようではないか。くるしゅうない」

 ちゅっと唇を掠め取った時也さんは、一気にニットを首までまくり上げるから、外気に晒された素肌が粟立つのを感じる。

ひじりちゃん、すげぇ鳥肌立ってっけど……このまま続行OK?」

「OKって言わなきゃ続行してくれないんですか?」

「おーおー、煽るなぁ、姫。もちろんNOなんて言わせねぇよ」

 言いながら再び唇を塞がれるから、静かにまぶたを閉じたら、時也さんの繊細な指が真逆の荒々しさで胸をいたぶり始めるから、吐息は乱れ身体は意思に反して浅ましく時也さんを欲した。
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