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結局、言葉どおり六回程追加で致されてベッドでくたばっていると――。
「聖ちゃん大丈夫か? ホイ、水」
「ありがと……ございま、す」
啼き過ぎてもはや声がからからで、渡されたミネラルウォーターで喉を潤していると、時也さんはベッドに腰かける俺の隣りに軽やかな所作で座った。
「なんか、あの日思い出さね? 聖ちゃんと運命共同体になった日」
「あの日はこんなに無茶されませんでした」
唇を尖らせると、時也さんはちゅっと俺の唇を啄んで、「俺さ、ケジメついた」と囁いた。
「ケジメ?」
「ああ。過去へのケジメ。聖ちゃんはどうよ? まだ自分のせいで人を殺したって囚われてる? 俺はさ、今はアイツが――元カノが聖ちゃんに出会わせてくれたんだって思ってる。前に進めって」
「――俺も、同じです。時也さんに出会うための……時也さんに払ってもらうための疫病神だったんじゃないかなって」
言ったら、時也さんは嬉しそうに笑んで、「姫、大事な話があります」と畏まるから、俺はぴんと背筋を伸ばす。
「大事な話ってなんですか?」
「今日、俺たちが運命共同体になって一年なんだ。覚えてる? だから、これ――すげぇ遅いけど」
時也さんが水を取りに行った時に何やら一緒に持ってきたらしい小箱を、俺の手を取ってそっと握らされた。
「時也さん……これって……」
「――そ。指輪。もっとすぐに渡してやりたかったけど、今日まで待ってたんだ。何でだかわかるか?」
ゆっくり、時也さんが個箱を開けて俺の左手の薬指にそっとプラチナの指輪をはめて、その手を取って口付けた。
「美聖さんに許された時点で渡したかったけど……聖ちゃんとは時間をかけたかった。お互いにケジメつけて、幸せばっかに包まれた時、渡したかったんだ。それが今だと思う。これからも一生そばにいてくれますか? 姫」
指にはめられたリングを見つめて、それから身体の奥底から沸き起こる幸福に包まれていると、時也さんがその上から重ねるように俺を腕の中に包み込む。
「ありがとうございます。時也さん。俺を幸せにしてくれて……疫病神から救ってくれて。ずっとそばにいさせてください」
「覇王はトラウマごと疫病神を愛する……って前に言ったけど、今は違う。覇王はトラウマごと聖ちゃんを愛する。疫病神なんかじゃない、神谷 聖ちゃんっていう許された人間を。――OK?」
「NOなんて選択肢ないくせに」
何も言わずに笑んだ覇王――時也さんと出会うために、俺の人生は続いていたんだと今はわかる。
歩んできた道が間違いじゃなかったんだと今はわかる。
すべて覇王が覆えしてくれたから。
END
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