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【番外編】お隣さん
しおりを挟む「ねぇ、宇大くん……時也さんと聖くん、超盛り上がってるね?」
「そうだな。幸せそうで何よりだ」
ツインのベッドがあるゲストルーム。
真夜がおもむろにこちらのベッドに潜り込んできて、俺の胸に手のひらを這わせてくるから警戒心を強める。
「ねー! 眠れないよー! 時也さん絶対俺たちのこと煽ってるよ! そういう人だもん時也さん! 真夜くんの可愛い声も聴・か・せ・ちゃ・う?」
「いいから寝ろ。この酔っ払い」
言ったら、真夜はあろうことか胸元を探っていた手を下肢に忍ばせてくるから――。
「とかなんとか言ってぇ。宇大くんのこともその気にさせてあげるね?」
「馬鹿か! 時也さんの家でお前を抱いた痕跡なんぞ残したら何を言われるかわかったものじゃない」
しかし、真夜の手は止まらない。
俺も大概酔っ払いで、少々自制心に欠けているところがあるのを自覚している。出来ることならこのまま激情に任せて真夜を抱いてしまいたいという気持ちは否めない。
だが――。
このゲストルームの真っさらなゴミ箱の中。
事後のティッシュを捨てるのはまずいのだ。
「真夜。明日帰ったらたっぷり抱いてやるから今日は寝るぞ」
「えー! 無理ー! じゃあさ、賭けをしようよ?」
「賭け?」
「時也さんたちがあと何時間続けるか。宇大くんが勝ったら大人しく寝るから!」
(なるほど……そう来たか)
「二時間かな」
「いやいや、時也さんの絶倫なら三時間でしょう!」
「よし、勝ったら大人しく寝るんだな?」
「はーい!」
三十分後――。
『あっ! 時也さっ……待って、も……無理っ』
『姫、待てません』
(ヤバい。俺の方がムラムラしてきた……。こうなったら恥を捨てて真夜を抱くか……)
「おい、真夜」
しかし、呼びかけてみれど返事がない。
「真夜?」
「うーん……宇大くん……」
(コイツ! 寝てやがる!)
隣りの部屋からは絶えず聖くんの嬌声。
そして時也さんの淫らな揶揄いの言葉。
(ヤバい……俺の息子が反応を示している! 真夜! 起きろ!)
しかし真夜は酔っ払って熟睡しているようだ。
(眠れないとか言ってたのどこのどいつだ……!)
仕方がない、こうなったら!
――セルフ・ハンドジョブ!
(説明しよう! ハンドジョブとは英語で手淫を表す言葉だ! つまりセルフ・ハンドジョブ……すなわち自慰!)
俺はこっそりと自身の下衣をくつろげて、兆している自慢のバズーカに手をかけた――。
しかし、俺は有能な男。
事後のティッシュはしっかり着替えのポケットに忍ばせて清々しい気持ちで眠りについた。
翌朝――。
「あれ? 俺のポケットになんかティッシュ入ってる! ってか、え!? なんかカピカピなんだけど! 宇大くん! これ何!?」
どうやら俺は酔っ払って無能な男になっていたらしい。
END
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