それは禁忌の魔法。

結夢ちえり

文字の大きさ
1 / 1

此処は何処。貴方は誰。

しおりを挟む
(内容紹介を必ずお読み下さい。)


「いやああああぁぁぁっっ!」

長い長い、空間。風の強さで目も開けられない。

ていうか、こういう時って普通 落ちるんじゃないの?
私、ずっと上に飛ばされてるんだけど?!
などと言うどうでもいいことを考えながら、空間の終わりを待つ……う?!

な、何だ?やっぱこう言う時は落ちるんだね?
気づかない間に、飛ばされる方向が下に変わっていたようだ。
いつの間にか目も開けられるようになっていた。

って、そんな事言ってる場合じゃないから。
このままだと、下にある家らしき所にぶつかるぅぅ!!

…?ま、待って。すり抜けちゃった…? 

上を見上げると、無傷の天井。
ふと周りを見回すと
かっこいいおにーさん。
綺麗な鼻筋に、整った二重。

じゃなくて。
ここはどこですか?

「神崎星奈、お前、魔導士になれ」

「は?」

「聞いてるのか?神崎星奈。お前は、“あの方”の孫にあたる存在。魔導士になるのは当たり前だろ。」

いやいや何、誰?え、私さっきまで、学校で補習受けてたんですけど魔導士って何ですか?あの方って誰です。

「まぁ、お前が何処にいるのか見つからなかったから、強制的に連れて来たがな。とりあえず、行くぞ。」

「えっ、ちょっ、ちょっと待ってください!魔導士って?あの方って?!私は確かに神崎星奈って名前ですけど、そんなの全く知りません!」

「は?」

「何処なんですかここ!なんか、なんか、このバカでかい鍋とか、なんですか!おとぎの国?魔女の家?」

「何を言っているんだ。冗談も大概にしてくれ。」

おにーさんは、やれやれと言うように息を吐く。

「俺は王家第一部隊副隊長、ソラ・オルグレン。あの方が見つけ次第すぐ連れて来いと言っていたんだ。冗談聞いてる暇はない。」

「いやっ、ちょ…」

冗談とか一つも言ってないんですけどなんて言う間も無く、なんか木の枝出して呪文らしきものを唱えるソラさん。

「リルファ国城こくじょう、大聖堂へ!」

最後にそう唱えると、なんか私とソラさんは光に包まれて…気づくと広い、教会みたいなところに立ってました。

「星奈!!会いたかったぞぉ。」

後ろから大きな声。
振り返ると、車椅子らしきもの(妙にキラキラしてる)に乗ったおじいさんが。

「誰?」

ソラさんの方に振り向いて聞く。

「おい!お前、誰ってなんだよ!今すぐ国王様に謝れ!」

「えっ、も、申し訳ございません?」

反射的に謝ったものの、考えてみると…国王様ってつまりつまり、この国の

王様?!
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない 

堀 和三盆
恋愛
 一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。  信じられなかった。  母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。  そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。  日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さくら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

婚約破棄 ~家名を名乗らなかっただけ

青の雀
恋愛
シルヴィアは、隣国での留学を終え5年ぶりに生まれ故郷の祖国へ帰ってきた。 今夜、王宮で開かれる自身の婚約披露パーティに出席するためである。 婚約者とは、一度も会っていない親同士が決めた婚約である。 その婚約者と会うなり「家名を名乗らない平民女とは、婚約破棄だ。」と言い渡されてしまう。 実は、シルヴィアは王女殿下であったのだ。

番が見つけられなかったので諦めて婚約したら、番を見つけてしまった。←今ここ。

三谷朱花
恋愛
息が止まる。 フィオーレがその表現を理解したのは、今日が初めてだった。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...