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しおりを挟む侵入者に対しての警備は物凄く厳重な邸宅でも、
邸内から外へ出る人間の為に比較的警備が甘い
ポイントは邸内に数箇所かあって、絢音はこうゆう
非常時の為に使用人達用の通用口の合鍵を作り、
センサーを解除する暗証番号も解読しておいた。
見張り(夜警)の入れ替え時間を狙って、
脱出成功!
その数十分後、私は裕の家に来ていた。
家の中には裕の他に誰もいない。
廊下を歩く裕と私の足音だけが、妙に大きく響く。
やっぱり今日の裕は、いつもとちょっと様子が違う。
何だか物凄く緊張しているみたいだ。
私だって同じ……妙に、緊張している。
別に初めてなワケでもないのに……。
LDKの前を過ぎ、裕の部屋へと一歩近づくたびに
心臓がますますどきどきしてくる。
裕の部屋は、いつもよりもかたづいていた。
私が来るのを、心待ちにして珍しく掃除をしたの
だという。
裕がドアを閉めた音が、静まり返った家の中に
響き渡る。
「マジ、いいんだよな……?」
裕がおずおずと私にたずねた。
「うん……」
私は小さく頷いた。
―― ロストヴァージンはつい最近だったけど。
考えてみれば、かなり奥手の方だ。
同級生のほとんどは中2から高1位までに
済ましている。
ま、こればかりは、早く済ませりゃいいって訳では
ないと思うけど……タイミングを逸して、
処女のまま大人になるのも、なんだかなぁと思う。
「ありがとう……」
裕は私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「俺、マジで絢のこと好きだから。優しくするから、
安心しろ」
「うん……」
それから裕は部屋のカーテンをさっと閉め、
スタンドの明かりだけにしてくれた。
私達は彼のベッドの上に座り、恥じらいながら、
互いの服を脱がせあった。
初めて見る父以外の男性の体にどきどきしながら、
私は彼と口付けを交わし合って、愛撫しあった。
緊張をほぐすために、わざとくすぐったいふりを
して笑ってみたりした。
だんだん体が熱くなって、あそこが濡れてきて、
裕は初めてだったらしく、
最初気ぃばかり焦ってしまって
痛々しいまでにいきり勃った自分の分身を
何処へ挿れたらいいのか? さえ分からず
まるで私を焦らすみたいに、散々その熱い分身で
アソコの周辺を行ったり来たりしつつ挿入口を
探るよう擦ったあげく……ヌメりで偶然ニュルンと、
ソコへ入ってきた。
「!! はう ―― っっ」
「ご、ごめん。痛かった?」
「う ―― ううん、だい、じょぶ……」
「や、やべぇ ―― も、だめ、だ……」
「へ?」
裕は私のナカで動く間もなく、イってしまった。
でも、私は少なからず好意を持っていた裕と
卒業までにひとつになれて、
何だか嬉しいような、ちょっぴり大人に
なれたようなそんな気持ちがしていた。
それに、行為のあと、彼の腕枕でまどろむ
ゆったりした時間がこんなにいいもんだとは
思ってもみなかった。
そんな甘い時間を、無機質な携帯電話の
アラーム音がぶち壊す。
「……(電話)出なくていいのか?」
「―― んー、もうっ! しつこいんだからっ」
なかなか鳴り止まないアラーム音に、いい加減
うんざりしつつ応対に出た。
「もしもし ―― あ、ごめん、マナーモードにしてた
から気が付かなかった ―― ハイハイ、
ごめんなさい。そんな怒らんでよ~。あ、出来れば
今夜は忍か菊ちゃんちに泊まりたいんやけど?」
そう、電話の向こうの鏑木に言いながら、
チラリ裕と視線を絡ませ微笑み合う。
「大丈夫だって、ちゃんと遅刻せんように行くし……
うん ―― うん、わかった、じゃ ――」
「―― よく、あのおっかない部長さんが
許してくれたな」
「その代わり、若と松浪さんからのお説教は覚悟
しろ、云われた」
「アハハハ……あ、でも、神田と宮藤んちに
連絡されたらバレるんとちゃうか?」
”あ、そうやった!” と思い、
慌てて口裏合わせのお願いメール送信。
相手はクラスメイトの、神田千晶と宮藤八恵子。
ほどなく、2人からは ――
”オッケー、その代わり、明日詳細、
説明しなさいよね~”
という、メールが返信されてきた。
それから私達はとりあえず交代でシャワーして
―― 裕はめんどーだから、一緒に入ろうって
言ったけど、私が断固拒否した。
だって、あんな明るい場所で裸を見られるのは
さすがにまだ恥ずかしかったんだもん……。
*** *** ***
周りの友達で、一番付き合いの古いあつしには
事の詳細を話した。
あつしなら、私がヤクザの庇護下に置かれた
と言っても、ありのまま受け止め ”ドン引き”
するような事もないだろうと思ったからだ。
けど、クラスメイトの中で、比較的仲良くしてる
忍、菊次、あきちゃん、やえちゃんには
どうしても打ち明ける事が出来んかった。
その4人とは、中等部2年の時からの付き合いで、
別に友達として信頼していない、というワケでは
なかったが、忍とやえちゃんのお父さんは京都
地検の検事で、あきちゃんと菊次の方は
大手新聞社の記者だ。
司法関係者にマスコミ ――
次期総理の最有力候補と目されている大物
衆議院議員・和泉慎一郎の娘が、暴力団の
庇護下に置かれた、なんて事が漏れたら、
もちろん学校は即退学だろうし、父だって
辞職に追い込まれるかも知れない。
だから、軽はずみな発言は出来なかった。
でも 裕と初めての夜を過ごした次の日
『おはよー』と教室で顔を合わせた途端、
あきちゃんとやえちゃんの2人から質問攻めに
された ――。
「ふぅ~っ……そっかぁ。とうとう絢も、美味しく
頂かれちゃいましたか」
「う、うん ……余すとこなく」
「しかも相手は野球部の王子様!」
「ん、まぁ、そんなとこです……」
「あっ。わざわざ聞くまでもないと思うけど、もちろん
避妊は大丈夫よね?」
「あ、うん、もちろんよ」
って、とっさに答えちゃったけど、ホント言うと、
買い置きスキンがなくなってしまい、
最後の1回は外で出してもらった。
「学年イチの才女だって、避妊に失敗してデキちゃって
退学じゃ、目も当てられんもんね~」
先月、特進クラスの女子が退学になった。
表向きは”自主退学”という事だったが、
理事長始め学校運営陣からの勧告があったのは
間違い。
彼女にとって相手が担任だったって事も
不運ポイントになったと思う。
その担任は彼女と同じく”自主的”という事を
強調され仕事を追われ、この近所に住んでいたけど
”教え子に手を出した淫行教師”というレッテルを
貼られ、逃げるように街から姿を消した。
風のうわさによれば、今彼は東京で日雇い派遣を
しながらその日その日を食い繋いでいるのだそう。
そんな惨めな思いだけは絶対したくない!
だから、予定より6日遅れで月のものがあった時は
本当にホッとした。
あと、1日なかったらマジ、妊娠検査薬買って
来なきゃって考えてたから。
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