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1章 異世界
1話 2度目のプロローグ
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なんだか、不思議な夢を見ていた。俺が異世界召喚されたり魔王になったりドラゴンになったりする夢だ。
ここ最近、そんな夢ばかり見るようになっていた。俺が今ハマっている異世界物のライトノベルの影響だろうか。それにしても、妙にリアルな夢だった。
夢から覚めて、ふと思う。
そんなこんなで、最近は朝から不思議な思いを抱きながら学校に行っている。
俺こと、水鳴 咲夜は、制服を着て部屋を出る。直ぐに朝ご飯と歯磨きを済ませ、少しゆっくりしてから家を出た。
「おーい、咲夜ー」
後ろから、イケメンボイス、所謂イケボで俺の名前が呼ばれた。振り向くとそこには髪が長めの優しげなイケメンが1人と、長い黒髪の天然っぽい可愛い系美少女に黒髪ロングのポニーテールの美人系美少女と、系統は違うが間違いなく美少女の域に入る2人の少女がいた。
俺の幼馴染こと、神崎 優希、八代 楓、霧雨 渚である。
「よ。なんか用か?」
「なんか用かって咲夜、今日は全員朝練がないから一緒に行こうって話してたじゃないか」
「あー、そう言えばそうだったな。すまんすまん、忘れてた」
「もう、咲夜ったら」
プンプン、という擬音が着きそうな感じで怒る優希と楓である。楓のゆるふわなロングヘアーが揺れる。というか、この2人雰囲気が似てるな。なんか、天然っぽいとことか。
「まあまあ、2人とも。咲夜も反省してるようだし、許してあげなよ」
渚が2人を宥める。気の強そうな整った顔が困ったような表情をとる。
「そーそ。渚が言う通り反省してるから」
「咲夜……棒読みが凄いよ……」
と、楽しく談笑しながら登校する。
教室に着くと、俺達──というよりも、優希と楓、渚だな──にクラスメイト達の視線がどっ、と集まる。まあ、美男美女が3人も居たらそりゃ視線も集まるだろう。……羨ましいこった。
そして、その僅か約1秒後。俺に視線が集中する。「わぁ、イケメン」なんて嬉しい視線じゃない。嫉妬と侮蔑から来る殺意の篭った視線である。もし、視線で人が殺せるのならば、俺は今頃3000回は優に死んでいるだろうな。そして、楓と優希がその視線に気付く前に、一斉に視線を逸らす。その無駄に洗練された動きは感嘆に値するなぁ!
ちなみに、渚はその視線に気付いている。だから、浮かべているのは苦笑だ。……他人事だと余裕見せてくれおって。
「チッ…………クソが」
誰かが小さく呟く。
まあ、分からんでもない。俺は、優希達と幼馴染なだけで、顔が整っているわけでも、勉強が出来るわけでも、運動が出来るわけでもないからな。そりゃ腹も立つだろ、多分。
優希たちは、スタイルや顔が整っているだけでなく、他にも秀でている才能がある。
優希は、サッカー部でエースをしている。さらに勉強も出来て性格も穏やか。しかもイケメン。モテるのは当然だ。
渚は、剣道部、弓道部を掛け持ちしている武道の天才。どちらも全国大会に出場しており、剣道は優勝、弓道も3位と好成績である。その美しい容姿も相まって『武の女神』と呼ばれている。……1部の女子は彼女を“お姉様”と慕っているらしい。
楓は、ちょっと天然気味な所はあるが、誰にでも優しく、学級委員を務めているしっかり者だ。優希や渚と違って突出したないが、親しみ易い性格と天然気味の性格が人気を博している。
と、言うふうに3人とも凄い訳だが……生憎、俺の顔は中の上ほど、勉強も普通以上には出来るくらいで運動もそこまで得意ではない。
そんな奴が美男美女と一緒にいれば、妬みの一つや二つらあるだろう。ちょっと度を過ぎている感は否めないが。
ちょいちょい向けられる嫉妬の視線から逃げるように自分の席に着く。そして、寝る。
やっぱり、2日連続深夜3時までゲームはキツかったか。しかも、あんな壮大な夢を見せられたら敵わん。眠い。
しばらく机に突っ伏して睡眠を取っていると、担任の先生が教室に入ってきた。
長い白髭と後ろで結ばれた白髪。優しげながらも鋭い眼。老人にしてはそこそこ筋肉のある細身の身体。さながら、中国の伝説に出てくる仙人のようなこの担任の名前は九十九 孔明。もう狙ってるとしか思えない名前である。ちなみにあだ名は『仙人先生』。
「はい、じゃあHRはじめるぞー」
孔明先生が言ったその時。
突如として、教室の床に紋様が描かれ始めた。幾何学的なその紋様は、さながらファンタジーの魔法陣のようなものである。そして、その魔法陣(暫定)が紅色に輝き出す。
「な、なんだ!?」
「もしかして……異世界転移!?」
というふうに、皆が騒ぎ出す。何人かはこの状況を俺と同じ考えで理解しているようだ。
……ラノベ読者達か。俺と仲良く出来そうだ。
先生はと言えば、何を考えているか分からん仙人顔で佇んでいる。いや、ほんとに何考えてるんだあんた。
紅色の光が一層輝きだし、眩しくて思わず目を瞑る。と、同時に、ふぉうわぁぁん!と言うような音がなり、浮遊感に包まれた。
浮遊感が収まり目を開けると、見慣れたそこは教室はなく、大理石でできた豪華な広い一室があった。
「え……ここどこ!?」
「な、なんなんだ……」
「やっぱり異世界転生……?」
というふうに、またもや騒ぎ出すクラスメイト達。
「咲夜……これ、やっぱり異世界召喚だよね?」
いつの間にか近くに来ていた優希が聞いてきた。
そう。実は、優希も隠れラノベ読者なのである。俺が中学生の頃薦めたら、ハマってしまったらしい。周りの人には言ってないらしいが、こいつも俺となかなかいい勝負なハマり具合である。
「ああ……多分な。というかだいたいそれぐらいしか有り得ないだろ」
「だよねぇ……」
相変わらず周りのクラスメイト達は騒ぎ続けている。そろそろ落ち着けよ。
そう思っていると、正面にある扉が開き続々と人が入ってきた。
そして──────
「「「「我々を救ってくだされ、勇者様方!!」」」」
……展開早すぎんだろ。
ここ最近、そんな夢ばかり見るようになっていた。俺が今ハマっている異世界物のライトノベルの影響だろうか。それにしても、妙にリアルな夢だった。
夢から覚めて、ふと思う。
そんなこんなで、最近は朝から不思議な思いを抱きながら学校に行っている。
俺こと、水鳴 咲夜は、制服を着て部屋を出る。直ぐに朝ご飯と歯磨きを済ませ、少しゆっくりしてから家を出た。
「おーい、咲夜ー」
後ろから、イケメンボイス、所謂イケボで俺の名前が呼ばれた。振り向くとそこには髪が長めの優しげなイケメンが1人と、長い黒髪の天然っぽい可愛い系美少女に黒髪ロングのポニーテールの美人系美少女と、系統は違うが間違いなく美少女の域に入る2人の少女がいた。
俺の幼馴染こと、神崎 優希、八代 楓、霧雨 渚である。
「よ。なんか用か?」
「なんか用かって咲夜、今日は全員朝練がないから一緒に行こうって話してたじゃないか」
「あー、そう言えばそうだったな。すまんすまん、忘れてた」
「もう、咲夜ったら」
プンプン、という擬音が着きそうな感じで怒る優希と楓である。楓のゆるふわなロングヘアーが揺れる。というか、この2人雰囲気が似てるな。なんか、天然っぽいとことか。
「まあまあ、2人とも。咲夜も反省してるようだし、許してあげなよ」
渚が2人を宥める。気の強そうな整った顔が困ったような表情をとる。
「そーそ。渚が言う通り反省してるから」
「咲夜……棒読みが凄いよ……」
と、楽しく談笑しながら登校する。
教室に着くと、俺達──というよりも、優希と楓、渚だな──にクラスメイト達の視線がどっ、と集まる。まあ、美男美女が3人も居たらそりゃ視線も集まるだろう。……羨ましいこった。
そして、その僅か約1秒後。俺に視線が集中する。「わぁ、イケメン」なんて嬉しい視線じゃない。嫉妬と侮蔑から来る殺意の篭った視線である。もし、視線で人が殺せるのならば、俺は今頃3000回は優に死んでいるだろうな。そして、楓と優希がその視線に気付く前に、一斉に視線を逸らす。その無駄に洗練された動きは感嘆に値するなぁ!
ちなみに、渚はその視線に気付いている。だから、浮かべているのは苦笑だ。……他人事だと余裕見せてくれおって。
「チッ…………クソが」
誰かが小さく呟く。
まあ、分からんでもない。俺は、優希達と幼馴染なだけで、顔が整っているわけでも、勉強が出来るわけでも、運動が出来るわけでもないからな。そりゃ腹も立つだろ、多分。
優希たちは、スタイルや顔が整っているだけでなく、他にも秀でている才能がある。
優希は、サッカー部でエースをしている。さらに勉強も出来て性格も穏やか。しかもイケメン。モテるのは当然だ。
渚は、剣道部、弓道部を掛け持ちしている武道の天才。どちらも全国大会に出場しており、剣道は優勝、弓道も3位と好成績である。その美しい容姿も相まって『武の女神』と呼ばれている。……1部の女子は彼女を“お姉様”と慕っているらしい。
楓は、ちょっと天然気味な所はあるが、誰にでも優しく、学級委員を務めているしっかり者だ。優希や渚と違って突出したないが、親しみ易い性格と天然気味の性格が人気を博している。
と、言うふうに3人とも凄い訳だが……生憎、俺の顔は中の上ほど、勉強も普通以上には出来るくらいで運動もそこまで得意ではない。
そんな奴が美男美女と一緒にいれば、妬みの一つや二つらあるだろう。ちょっと度を過ぎている感は否めないが。
ちょいちょい向けられる嫉妬の視線から逃げるように自分の席に着く。そして、寝る。
やっぱり、2日連続深夜3時までゲームはキツかったか。しかも、あんな壮大な夢を見せられたら敵わん。眠い。
しばらく机に突っ伏して睡眠を取っていると、担任の先生が教室に入ってきた。
長い白髭と後ろで結ばれた白髪。優しげながらも鋭い眼。老人にしてはそこそこ筋肉のある細身の身体。さながら、中国の伝説に出てくる仙人のようなこの担任の名前は九十九 孔明。もう狙ってるとしか思えない名前である。ちなみにあだ名は『仙人先生』。
「はい、じゃあHRはじめるぞー」
孔明先生が言ったその時。
突如として、教室の床に紋様が描かれ始めた。幾何学的なその紋様は、さながらファンタジーの魔法陣のようなものである。そして、その魔法陣(暫定)が紅色に輝き出す。
「な、なんだ!?」
「もしかして……異世界転移!?」
というふうに、皆が騒ぎ出す。何人かはこの状況を俺と同じ考えで理解しているようだ。
……ラノベ読者達か。俺と仲良く出来そうだ。
先生はと言えば、何を考えているか分からん仙人顔で佇んでいる。いや、ほんとに何考えてるんだあんた。
紅色の光が一層輝きだし、眩しくて思わず目を瞑る。と、同時に、ふぉうわぁぁん!と言うような音がなり、浮遊感に包まれた。
浮遊感が収まり目を開けると、見慣れたそこは教室はなく、大理石でできた豪華な広い一室があった。
「え……ここどこ!?」
「な、なんなんだ……」
「やっぱり異世界転生……?」
というふうに、またもや騒ぎ出すクラスメイト達。
「咲夜……これ、やっぱり異世界召喚だよね?」
いつの間にか近くに来ていた優希が聞いてきた。
そう。実は、優希も隠れラノベ読者なのである。俺が中学生の頃薦めたら、ハマってしまったらしい。周りの人には言ってないらしいが、こいつも俺となかなかいい勝負なハマり具合である。
「ああ……多分な。というかだいたいそれぐらいしか有り得ないだろ」
「だよねぇ……」
相変わらず周りのクラスメイト達は騒ぎ続けている。そろそろ落ち着けよ。
そう思っていると、正面にある扉が開き続々と人が入ってきた。
そして──────
「「「「我々を救ってくだされ、勇者様方!!」」」」
……展開早すぎんだろ。
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