43 / 77
閑話 許せない【父視点】
しおりを挟む
あれからいったい、何時間が経った。
ワシはいったい、いつになったら死ねるのだ。
周りの愚民どもが、ワシに暴行を加える。
喉が潰れ、無礼だと叫ぶこともできない。
魔法も唱えられず、四肢が欠損した影響で抵抗もできない。
ただただ、暴行が終わることを待つだけ。
既に両目は潰れ、視界はない。
両耳は千切れ、鼓膜は破れた。
音も聞こえず、目も見えない。
あるのはただ、痛みだけ。
そうだ、全て……アルカのせいだ。
あの愚息のせいで、ワシはこんな目に合っているのだ。
愛しのカイナを殺し、ワシをこんな目に合わせて……絶対に許さない。
呪ってやる、呪ってやる、呪ってやる。
殺してやる、殺してやる、殺してやる。
死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね。
憤りが心臓を突き動かす。
恨みが思考を巡らせる。
憎しみがワシを生かす。
そうだ、何を弱気になっておる。
ワシは生き延びて、アルカを殺してやるのだ。
愚民を皆殺しにし、アルカも共に殺してやるのだ。
あの愚息だけは絶対に、絶対に許せない!!
では、どうやって殺してやろうか。
縊り殺すか、刺し殺すか。
はたまたカイナと同じように、焼き殺してくれようか。
今から楽しみで仕方がない。
……そういえば、先ほどから暴行の手が緩まった気がする。
なんだ、飽きたのか? それならば行幸だ。
愚民どもよ、さっさと去るがよい。そう告げたいのだが、喉は潰れてしまった。
……ん? なんだ、今の感覚は。
何故か一瞬、身体が暖かくなった。
良く思い返すと以前、似たような経験をしたな。
確かアレは、今から10年前。
魔物と戦った時に、大ケガを負った時だ。
そうだ、あの感覚は回復魔法の感覚だ。
「──様」
なんだ、今……音が聞こえた。
そういえば、先ほどから痛みが引いている。
もしや……目も治ったのではないか?
そう思い、瞼を開く。
「──父様」
眩しい、目の前がぼやける。
だがしかし、わかることは多い。
ワシの周りには既に、愚民どもはいない。
数人ほど誰かがいるが、ワシに暴行を加える愚民は1人たりともいない。
「──義父様」
そして次に、臭いがひどい。
先ほどは鼻が潰れてわからなかったが、今は……肉の焼ける臭いが鼻孔を刺す。
ひどい臭いだ。吐き気がする。
「──お義父様!!」
ようやく、目が慣れてきた。
それでわかったことだが、ワシを先ほどから呼んでいたのは──
「ザベラ……か?」
「ご無事で……何よりです……」
カイナの婚約者、ザベラがそこにいた。
彼女もワシと同じく、愚民どもに狙われていたハズだ。
なのに何故、彼女は生きている?
そして、ザベラの周りにいる人たちは誰だ?
白衣を纏い、顔にはマスクをしている。医師のような格好だ。
彼らは……何の目的で、ワシに接触したのだ?
「さぁ、お義父様!! まいりましょう!!」
「ど、どこにだ……?」
「アルカを──殺しましょう!!」
ザベラはワシの質問には答えず、手を差し伸べてきた。
状況はまるで理解できんが、ワシはその手を──
ワシはいったい、いつになったら死ねるのだ。
周りの愚民どもが、ワシに暴行を加える。
喉が潰れ、無礼だと叫ぶこともできない。
魔法も唱えられず、四肢が欠損した影響で抵抗もできない。
ただただ、暴行が終わることを待つだけ。
既に両目は潰れ、視界はない。
両耳は千切れ、鼓膜は破れた。
音も聞こえず、目も見えない。
あるのはただ、痛みだけ。
そうだ、全て……アルカのせいだ。
あの愚息のせいで、ワシはこんな目に合っているのだ。
愛しのカイナを殺し、ワシをこんな目に合わせて……絶対に許さない。
呪ってやる、呪ってやる、呪ってやる。
殺してやる、殺してやる、殺してやる。
死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね。
憤りが心臓を突き動かす。
恨みが思考を巡らせる。
憎しみがワシを生かす。
そうだ、何を弱気になっておる。
ワシは生き延びて、アルカを殺してやるのだ。
愚民を皆殺しにし、アルカも共に殺してやるのだ。
あの愚息だけは絶対に、絶対に許せない!!
では、どうやって殺してやろうか。
縊り殺すか、刺し殺すか。
はたまたカイナと同じように、焼き殺してくれようか。
今から楽しみで仕方がない。
……そういえば、先ほどから暴行の手が緩まった気がする。
なんだ、飽きたのか? それならば行幸だ。
愚民どもよ、さっさと去るがよい。そう告げたいのだが、喉は潰れてしまった。
……ん? なんだ、今の感覚は。
何故か一瞬、身体が暖かくなった。
良く思い返すと以前、似たような経験をしたな。
確かアレは、今から10年前。
魔物と戦った時に、大ケガを負った時だ。
そうだ、あの感覚は回復魔法の感覚だ。
「──様」
なんだ、今……音が聞こえた。
そういえば、先ほどから痛みが引いている。
もしや……目も治ったのではないか?
そう思い、瞼を開く。
「──父様」
眩しい、目の前がぼやける。
だがしかし、わかることは多い。
ワシの周りには既に、愚民どもはいない。
数人ほど誰かがいるが、ワシに暴行を加える愚民は1人たりともいない。
「──義父様」
そして次に、臭いがひどい。
先ほどは鼻が潰れてわからなかったが、今は……肉の焼ける臭いが鼻孔を刺す。
ひどい臭いだ。吐き気がする。
「──お義父様!!」
ようやく、目が慣れてきた。
それでわかったことだが、ワシを先ほどから呼んでいたのは──
「ザベラ……か?」
「ご無事で……何よりです……」
カイナの婚約者、ザベラがそこにいた。
彼女もワシと同じく、愚民どもに狙われていたハズだ。
なのに何故、彼女は生きている?
そして、ザベラの周りにいる人たちは誰だ?
白衣を纏い、顔にはマスクをしている。医師のような格好だ。
彼らは……何の目的で、ワシに接触したのだ?
「さぁ、お義父様!! まいりましょう!!」
「ど、どこにだ……?」
「アルカを──殺しましょう!!」
ザベラはワシの質問には答えず、手を差し伸べてきた。
状況はまるで理解できんが、ワシはその手を──
17
あなたにおすすめの小説
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる
アミ100
ファンタジー
国立大学に通っていた理系大学生カナは、あることがきっかけで乙女ゲーム「Amour Tale(アムール テイル)」のヒロインとして転生する。
自由に生きようと決めたカナは、あえて本来のゲームのシナリオを無視し、実践的な魔法や剣が学べる魔術学院への入学を決意する。
魔術学院には、騎士団長の息子ジーク、王国の第2王子ラクア、クラスメイト唯一の女子マリー、剣術道場の息子アランなど、個性的な面々が在籍しており、楽しい日々を送っていた。
しかしそんな中、カナや友人たちの周りで不穏な事件が起こるようになる。
前世から持つ頭脳や科学の知識と、今世で手にした水属性・極闇傾向の魔法適性を駆使し、自身の過去と向き合うため、そして友人の未来を守るために奮闘する。
「今世では、自分の思うように生きよう。前世の二の舞にならないように。」
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる