刻下の古代魔法師 〜魔法の才能がないので公爵家から追放された俺は、大賢者に弟子入りして最強の【古代魔法】を習得した〜

志鷹 志紀

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55話 迷宮授業 1/3

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 その日、俺たちは校庭にいた。
 いつもの闘技場校庭なのだが、いつもとの差異が1つだけある。
 校庭に何故か、井戸が無数に生えているのだ。
 まるで最初から生えていたと言わんばかりに、あまりにも自然に生えている。

「奇妙な光景だな……」

「はい……」

 俺とピリカはそんな光景を見て、ドン引きしている。
 校庭に所狭しと井戸が生えているんだから、引いてしまうのも仕方ないだろう。

「諸君!! 集まったな!!」

 現れたのはププリ先生だ。
 彼女は大きな胸を見せつけるように、胸を張っている。

「本日は『迷宮攻略』の授業だ!!」

 と、先生は言った。
 その言葉を聞き、多くの生徒がザワつく。

「諸君らも知っているだろうが、念のために説明しておこう!!」

 と、さらに胸を逸らして、先生は説明を始めた。
 先生の話を要約すると、以下の通りになる。

・『迷宮攻略』とは、その名の通り迷宮を攻略すること
・4人のパーティを組んで、迷宮を攻略する
・道中魔物が出現するが、倒しても逃げても構わない。
・制限時間は3時間
・その間に討伐できた魔物数によって、ポイントが付与される
・最深部の5層にはボスが出現する
・ボスを討伐できたならば、100ポイントが付与される
・迷宮を踏破し終えた順に、それぞれポイントが付与される
・一番ポイントが多かったパーティには、豪華賞品が授与される

「──と、いうわけだ!!」

 なるほど、わかりやすい説明だったな。
 だがしかし、問題が1つだけある。

「それでは諸君!! パーティを作るんだ!!」

 俺とピリカには友達がいない。
 ロイドたちとはまだ親しくない為、友達とは到底呼べない。
 その為、残り2人が組めないのだ。

「どうしようか、ピリカ」

「そうですね……。こんなところで友達がいない弊害が出るとは、予想できなかったですね……」

 2人で悩む。
 いったい、どうやって困難を乗り越えるべきか。

「アルカくん!!」

 と、思案しているとロイドが話しかけてきた。
 何故かすこぶる笑顔で。

「パーティ決まった?」

「いや、まだだが……」

「よかった!! まだだって!!」

 ロイドは振り返り、後ろの取り巻き女とガイアに話しかけた。
 なんだ、煽りにきたのか? 俺たちに友達が少ないと、バカにしにきたのか?

「じゃあ、アタシと組みなさいよ!!」

「おう!! 俺と組もうぜ!!」

 いや、違ったようだ。
 ロイドたちは、いつも6人で行動を共にしている。
 そして今回の迷宮攻略は、4人で組む必要がある。
 つまり、2人余ってしまうのだ。

 赤髪ツインテールとガイアくんの反応から察するに、2人は余ってしまったのだろう。赤髪ツインテールはともかく、ガイアくんと組まないとは……愚かな選択だな。
 しかし、吉報だ。2人と組めば、困難は乗り越えられる。

「あぁ、よろしく頼む」

「よろしくお願いします」

 かくして、即興の4人パーティが完成した。


 ◆


「よし、全員組んだな!! それでは皆、健闘を祈るぞ!!」

 先生の声と同時に、俺たちは井戸を降りた。
 少しばかりの浮遊感、そして地面に着地。
 ピチャッという音が、迷宮内に反響する。

 迷宮内はいわゆる、『古城』タイプのソレだった。
 壁や床はレンガで出来ており、地面には薄く水が張っている。
 壁には等間隔でロウソクが設置されているが、それでもやはり薄暗い。

「うぅ……なんだか、気持ち悪いわね」

「頑張ろうぜ!! 元気出していこうぜ!!」

「うるさいわね!! アンタは元気すぎるのよ!!」

 いや、お前が一番うるさいぞ。
 声が反響しまくって、耳がキンキンする。

「とりあえず、自己紹介から始めないか?」

「え、入学初日にしたじゃない」

「あんなもの覚えていない」

「アンタね……。まったく、しょうがないわね!!」

 赤髪ツインテールは胸を張り、自己紹介を始めた。
 ……無い胸を張っても、虚しいだけだというのに。

「アタシの名前はイエラ・ル・ルストリアよ!! 得意武器は双剣、使える属性は火・雷・闇よ!! 一番得意な魔法は火属性ね!!」

 なるほど、彼女は双剣使いなのか。
 そういえば、ゴーレムとの戦いの際に双剣を使用していた……ような気がする。
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