刻下の古代魔法師 〜魔法の才能がないので公爵家から追放された俺は、大賢者に弟子入りして最強の【古代魔法】を習得した〜

志鷹 志紀

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56話 迷宮授業 2/3

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「次は俺の番だな!! 俺の名はガイア・ボルバルグ!! 武器は使わねェ!! 使える属性は火・土だ!! 一番得意な魔法は土属性だな!!」

 さすがはガイアくん、イメージ通りだ。
 武器を使わないで拳を信じる戦い方も、火と土の属性を使うことも、土属性が一番得意な属性であることも、何もかもがイメージにピッタリと当てはまる。
 そして何よりも、彼は平民だったんだな。俺の好感度が爆上がりだ。

「わたしの名前はピリカ・ドリームです。武器はランス、使える属性は・・水・光です。どの属性も同じくらい扱えます」

 ピリカの自己紹介が終わったため、俺は影からランスを取り出して渡す。
 軽くピリカの身長を越える長さの突撃槍と、同じくピリカの身長を越える大きさの大盾。総重量1トンにもなるソレを、ピリカは軽く装備した。
 ちなみにこの槍は、一昨日買ったモノだ。

 そんなピリカの様子を見て、2人はあんぐりと口を開けている。
 あぁ、なるほどな。理由はすぐにわかった。

「さて、次は──」

「ま、待って!! 何よその武器!!」

「そ、そうだぜ!! どうやって……装備しているんだよ!!」

 おいおい、俺の自己紹介を遮ってくれるなよ。
 必死に考えたんだぞ? どうやって古代魔法のことを隠して、自己紹介をするかって。

「どうやって……と言われましても。普通に装備しているだけですよ」

「それがおかしいのよ!! そんな細い腕で、なんランスが持ち上げられるのよ!!」

「それは……わたしが獣人だからです」

「獣人が身体能力に長けているってことは知っているけどよ、1トンを超えるランスを軽く持ち上げられるほどなのかよ!!」

「えぇ、そうですよ。わたしのような女であっても、この程度だったら軽く持ち上げられます」

 ピリカは軽くそう言うが、もちろんそんなワケがない。
 もちろん、獣人の種族によっては、その言葉は真実だ。
 クマの獣人やトラの獣人など、膂力に秀でた獣人ならば、ピリカのような細腕でも持ち上げることは可能だろう。
 
 だが、ピリカはヒツジの獣人だ。
 獣人の中でも特にパワーの弱い、そんな種族なのだ。
 ヒトやエルフに比べると確かにパワーは強いが、それでも1トンの鉄塊を軽く振り回すほどの膂力はない。

 ならば、何故にピリカは鉄塊を振り回せるのか。
 その答えは単純だ。そう、ピリカは特殊な体質なのである。
 ピリカは常人の63倍にもなる筋繊維密度を先天的に持っている為、ヒツジの獣人でありながらクマやトラの獣人にも匹敵する怪力を誇っているのだ。

「そうか……獣人って、スゴいんだな……」

「ごめんなさいね、疑って」

「いえ、構いませんよ」

 ピリカは説明が億劫だと判断したのか、適当にはぐらかした。
 獣人はこの国では珍しい為に、その詳細について知る人は少ない。
 その為に、適当なウソを吐いてもバレないのだ。

「じゃあ、自己紹介するぞ。俺の名はアルカ、武器は使わない。使える属性は火・水・雷で、一番得意な魔法は火属性だ」

 先ほど適当に考えた、極限まで矛盾のないウソだ。
 彼らの前では火と水の属性魔法しか使っていない為、疑われることはないだろう。

「そうか、よろしくな!!」

「……いや、アンタ。今、影からランスを取り出したわよね?」

「あ。あ、あと、闇も使える」

 ミスを犯した。
 そうだ、完全に忘れてた。
 闇属性も付け加えておくのを、完全に失念していた。

「4属性を使える上に、影への収納ね……。それに加えて、ランスを軽く持ち上げる膂力……、アンタもかなり異常よね」

「ま、まぁ。色々あるんだよ」

 マズい、疑われている。
 このまま質問攻めにあえば、きっとめんどうなことになるぞ。
 ボロを出して、古代魔法についてポロッと言ってしまうかもしれない。

「……ハァ、まぁいいわ。アンタにも事情があるのよね」

 ため息を吐き、赤髪ツインテールは理解を示してくれた。
 よかった、深く詮索しないでくれて。
 彼女の名は確か、イエラだったな。
 空気の読める女は嫌いではない為、彼女の名は覚えておこう。

「さぁ!! 行こうぜ!!」

「そうね、バカの言うとおりね。時間が惜しいわ」

 そう言って、2人はさっさと歩いて行った。

「行こうか」

「はい」

 2人の後を追うようにして、俺たちも歩みを進めた。
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