婚約破棄されたばかりだし聖魔法使いでも聖女にはなりません!―いくら貴族の務めといえどまっぴらです‼私は好きなことして過ごします‼―

ふぃえま

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夢を生かした服を作ってみましたの。

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昼下がり、商店のアトリエにはきっちりと職人たちが集まってくれていた。

「という訳で、今年の夏の服飾部門は少し挑戦的な商品を出していくことにするわ」

夢から書き出したデザイン画を見せながら集まってくれた職人たちにおおむねどんな雰囲気の商品を出すか説明すると、どんどん付け足しのアイディアが出てきた。

「嬢さん、このドレスのデコルテはレースじゃなくてオーガンジーのほうがいいんじゃねぇか?誘惑のドレスなんだろ?」
「仕事をする時に袖をめくるからこの留め具があるのはいいね。欲を言うならこの長さが調節できるとなおいい」
「後ろ姿で度肝を抜くならもっとこの首のところまで襟をつけておいた方が前後のギャップが大きくなっていい」
「このスカートはたくし上げて固定するの邪魔になるんじゃないか?だったらここはこうした方が」
「いや、ここのスカートをいじるんじゃなくてこっちのシャツとの境をいじってこうした方が簡単で良くないか」

今までは基本に忠実な、いわゆる無難なものばかり作っていたからか、ここぞとばかりに意見が飛ぶ。
これならきっと大丈夫だ。

「お嬢様、そろそろお時間でございます」
「ああ、もうそんな時間」

この後はお母さまとそのご友人のお茶会に少しお邪魔することになっている。

ああ、こんなに楽しいのはいつぶりだろう。
勉強のためにといやいや立てた商店で、こんなに楽しいことが出来るなんてもっと早く気が付けばよかった。
アトリエを出る前に、職人の方を振り返る。

「皆、分かっていると思うけど、今年の夏のテーマは『ファムファタル』よ!頼むわね」
「「「おう、まかしとけ」」」

******

「あら、今年はこんなドレスが出るのね」
「これ素敵。これ、ひとつ作ってちょうだい」
「え、でもまだサンプルもできていないのに」
「あら、ルアーナちゃんのお店のドレスだもの。いつも縫製がしっかりしててデザインもいいって評判のところが出すんだからいいに決まってるわ」
「そうね、じゃあ私はこっちのドレスが良いわ。ここのリボンは濃いブルーに変えてちょうだい」
「私はこのドレスを緑を基調に仕立ててほしいの。首回りにはレースなんてどうかしら」
「あら、いいわね。じゃあ私はこれとこれを」
「このドレスとこのドレスですね。寸法は前と同じで良いですか?」
「今度買い物に行くからその時にもう一度測ってもらうわ」
「ではそう伝えておきます」
「これに合わせた小物は何が出るの?」
「今回考えているのは……」

きっとお母さまが話題に出すだろうと思って複数枚デザイン画を用意しておいてよかった。
結局このお茶会でご友人方からたくさん予約をしていただいたので、再来週にはサンプルを店頭に用意して確認してもらうように手はずは整えてある。

どうか、すべて良いようになりますように。
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