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「血の匂いがする」
その発言の直後、二人の侍女らしき人物は表情をかえた。
そして肩の力を抜きつつ
「あーあ、お姫さんにばれちまってら。流石だね」
そういったのはヘイリーだった。
「こら、ヘイリー」
セスがたしなめる。
「だってしょうがねーじゃん。ばれちまったんだぜ。今更隠したって無理だよ。警戒心強くされるだけじゃねーか」
「警戒心…?それは一思いに消すとかそういう意味で?」
ばっと侍女二人がリリスを見る。
「は!っちげー!!…です。そんなことしたら御大にそれこそ消されちまう!」
”御大”が何たるかをわからないがとりあえずまだ消されることはないようだと安堵する。
「しかし鼻がいいな、あんた…いてっ!」
無言でセスがヘイリーの頭を拳骨で殴る。
「お前…リリス様に失礼にもほどがあるぞ!報告してやろうか!!」
「わーー!!まてまて!リリス様すんません。俺とりあえずここに配置されたただの平民なんだよ!」
「平民?」
普通侍女に平民はない。階級が低くとも貴族がなるものだろう。
何か理由があるのか。しかしリリスにとってそれは至極どうでもいいことだった。
逡巡しているとセスが近づいてくる。
そして片膝をたててリリスの前に跪いた。
「申し訳ありません、リリス様。私共は侍女ではありません。ましてやあなたを脅かすものでもありません。…と口で説明しても信じていただけないかもしれませんが、もし必要であれば上司に相談して、事の次第を」
「その必要はありません。私はここであなた達が何をするにも邪魔は致しません。ただし、この国にとって不利になること、私の祖国にとって不利になることであれば、私はあなた方を近衛に突き出さなければならないでしょう。そうでないのなら私が貴方方をとがめることはありません」
「感謝いたします。」
セスが頭を下げた。
「ありがとーございまーす」
ヘイリーの呑気なことが返ってきた。
「この屋敷に詳しいですか?それとも侍女は別に来ますか?」
「いんや、お姫さんの侍女はこねえよ」
想像していた通りなので、自分で今夜の食事を調達しようかと考える。
「お姫さん、食料やら必要物は全部そろってるよ。それは俺らがちゃんと手配するし、もし万が一なかったとしてもそれをちゃんと調達できるルートがあるから安心しな」
ヘイリーはニカっと安心させるように笑った。
「そうですか、わかりました。では、屋敷を案内してください。」
「かしこまりました。そして、ヘイリーお前の言葉遣いもうちょっとどうにかしろ」
「いや、無理だって」
「必要な場面だけ取り繕ってもらったらいいです。私には必要ありません」
「ありがとーお姫さん!!」
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