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公爵令嬢様は発明好き
王族にもおいしい話
しおりを挟む「ようございましたなぁ。カールトン侯爵は少し出しゃばり過ぎた。」
「そうだな、この平和な時代に軍備の強化など税の無駄遣いだ」
前宰相と国王陛下。
「これでますます、政治に力を入れられるだろう。優秀な者をさらに取り入れられる」
カールトン侯爵は軍部からの絶大な支持により、その行動は税金をもっと軍備の強化にと圧力をかけていた。
候補者の素性を調べないわけがない。また調べがそんなに杜撰なわけもなく、放っておかれたのは…
「いやはや、まさかレイランド公爵令嬢様が出てくるとは…」
「そうだな、本来セリオスがどのようにカタをつけるか王の資質を見分けようと思っておったのだが…」
唸る国王陛下。
「また新たな試験を考えるしかあるまい」
「そうですなぁ。ところでレイモンドというオッドアイの…」
「あぁ、あれはアリシア嬢に譲渡したのだ」
「は?」
「奴が幼い頃にな。くれと言うのでセリオスと知恵比べして勝てたらやると言ったら嬉々として持って帰ったわ」
「そ、そうですか…なら彼は例の」
「そうだ、しかしまさかあのような場に連れてくるなどどは思わなかったが…」
椅子に深く腰掛ける。
国王は回顧する。彼の報告を受けている。
しかし、自分が見た彼はまだ幼く子供らしい感情の一切ない落ち窪んだ瞳でこちらを見ていた彼だった。
「彼女が取り戻したのか…」
王族の汚点と呼ばれ、蔑まれ、食事さえ碌に与えられなかったらしい。らしいというのは
その存在は秘匿され、気づいた時には遅かった。
生きていたのが奇跡。なぜ生かされていたのか、彼の持つ瞳ゆえか。
レイモンドいや…レイシュタッド…
祈るしかない。彼に幸あらんことを。
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