コミュ障じゃないボカロPが書いたラノベなんて読まない

ぼを

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どう考えても、そのおっぱいの大きさは間違っている。

第2話

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 だけれど、そう容易くないのが、一番肝心なネットの世界だ。一言で言えば、何が、何で以て、どうバズられていくかが一筋縄ではない。少なくとも、僕の様な素人がWEBマーケティングの知識をかじった位では到底太刀打ちができない。成功の法則が見えなければ、基本運否天賦となる。

 コーヒーの世界は、一度深みに嵌ると容易には出られない。豆の種類、生産地、生産年、焙煎方法、挽き方、ドリップの方法、淹れ方、温度、道具、拘り出すと完全に迷宮入りして出られなくなる。だが、確実に出口はある。自分がこの味が好みであると思い込めればその通りだし、極めた末に、実は自分はコーヒーが嫌いだったのだ、という結論に到達すれば、それも間違いではない。

 だが、音楽や動画コンテンツはそうはいかない。主観的結論を持たない。再生されたか、売れたか。それが正義となる。

 例えば、僕は自分の楽曲に歌詞をつけ、ミコに歌って貰い、MMDで動画をつけて、youtubeやニコニコにアップする。ここには、コーヒーと同じくらい複雑な変動要素が存在している。曲調や楽器、歌詞の内容や動画をどう作るかは勿論だが、これはコンテンツ要素であり、マーケティング要素ではない。つまり、初速だけを考えるのであれば、中身は極論してしまえば、どうだっていい。面白い必要はない。中身が良ければ放っておいても売れるというのは、ほぼ幻想と言ってよい。中身を評価し、その評価ポイントで表示位置が変わったり、Googleなんかはコンテンツ評価でSEOに対応したりしてはいるが、それでも中身の評価は二の次と言って良い。

 では何の要素が存在するか。まず、アップする媒体、曜日、時間帯、サムネイル、タイトル、選択カテゴリ、タグ、コミュニティへの登録、バズる媒体、などなど。時間帯をひとつ間違えれば、同じ動画でも伸び方が全く変わったりするし、サムネやタイトルのつけ方が違うだけでも再生数は大きく異なる。ポータルサイトのニュース記事などは、人がコンマ何秒で認識できる10文字程度で構成されるのが基本であるとか、動画のサムネはキャラの顔のアップを、再生時間表示に被らない左寄りに配置した方がよいとか、まことしやかなノウハウは氾濫しているが、それぞれが最終的なコンバージョンに対するパーツの1つでしかなく、その1つだけで成功する事もあれば、全てが揃わないとダメな事もある。

 だから、最も容易なのは、既に名声を得ており、SNSなどのフォロワーも圧倒的に多い著名人に、コンテンツマーケティング的手法においてバズって貰う事だ。とはいえ、そんな機会に恵まれる事はそうそうないから、同人の世界である程度上を目指す人々は、積極的に交流をする事になる。これも、交流がうまくできるのであれば問題ないが、僕の様なコミュ障のコンプレックスを持っている人間は、基本的にどこに行っても受け入れられない事が前提。

「ネットで売るのはどう?」ミコが僕の横顔を覗き込みながら、訊いてきた。「同人向けの通販サイトだって沢山あるし、Amazonでも個人販売できるよ」
「ネットは難しいよ」僕は、PCから視線を外さずに返した。「Facebookとか、安価に個人で広告打つ方法もあるけれど、最終的に黒字にするのは愚か、1枚でも売るのは難しい。僕みたいな無名なボカロPではね」
「どうして?」
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