コミュ障じゃないボカロPが書いたラノベなんて読まない

ぼを

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わたしのオナニーに賢者タイムはいらない

第2話

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 声が聞こえて、僕はビクっとした。友人が怪訝な目で僕を見ている。僕は、声がした方向に目を遣った。音楽が鳴ったままの、彼のデスクトップPCのディスプレイの中から、ミコが上半身だけを乗り出している。貞子かよ…。

 僕は友人に、こんな会話してるから、出てきちゃったよ、と、わざと呆れた様な声で言った。彼は、少し表情を強張らせた後、少年の様に目を輝かせた。どんな好奇心だよ。

 僕は、心の中で、ミコに出てくるように指示した。彼女は、どっこらしょ、と言いながら、ディスプレイの中から這い出して来た。

「ルール違反だ」
 僕が、声に出して言った。よく考えれば、僕の焦点は何もない中空に定まっているので、彼から見れば僕の視線は異様だろう。
「はいはい、聞き飽きたよ」ミコが言った。「言っとくけど、ボクがルール違反してる訳じゃないからね。キミだからね」
 そうでした…。タルパの制御ができないのは全て僕の責任だ。

 友人が、おいおい、大丈夫なのか、と言って来た。僕は、タルパがここに出てきたことか、それとも、ルール違反が発生していることか、と訊いた。彼は、後者だ、と答えた。僕は、僕にリアルな彼女が出来れば自然消滅するルールを作っているから問題ない、と答えた。彼は、それは大問題だな、と笑いながら言った。

「どうする?」ミコが腰に手を当てながら、言った。「一曲歌おっか?」
 僕はかぶりを振った。どうせ彼には聞こえないのだ。
「じゃあ、お話しに混ぜて貰ってもいい?」
 僕は彼に、タルパがそう言ってるんだけど、と訊いた。彼は一瞬当惑した後に、首肯した。どんな会話になるんだろう。僕も初めての経験だから解らない。

 暫く沈黙があって、彼が、何の話をすればいいんだ、と訊いてきた。それはこっちが訊きたい。でも、彼には見えないタルパの存在が、彼の行動に影響を与えている事が、なんだか奇妙だった。

 僕は、ミコの方を見た。目が合うと、ミコは微笑んだ。
「キミの音楽の話をしてたんでしょ?」ミコが言った。「話を続けてよ。適当に会話に入るからさ」
 とは言われてもなあ…。目に見えるか見えないかの違いだけで、僕だけが言語を理解できる外国人が間に居れば、同じ状況になるんだろうか。

 僕は友人に、M3の配置の話を振った。場所があまり良くない。ブースの見せ方を工夫する必要がある。限られたスペースで、どのような訴求をすべきか。彼はそれに、のぼりとか作ればいいんじゃないか、と答えた。僕は、予算がないし、効果が解らないから冒険できない、と返した。彼は、じゃあ売り子に女の子を連れていけばいいんじゃないか、と提案してきた。僕は、なんでそうなるんだよ、と訊いた。彼は、商材のターゲットとなる顧客層と異なる性別の売り子を置く事は、同人イベントの鉄則だ、と得意気に答えた。僕は、頼める人が思い当たらないよ、と返した。

「ボクがいるじゃん」ミコが割り込んできた。「ボクが一緒に売ってあげるよ」
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