コミュ障じゃないボカロPが書いたラノベなんて読まない

ぼを

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わたしのオナニーに賢者タイムはいらない

第3話

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 僕は、友人に、ミコが会話に入ってきた事を視線で伝えた。彼は頷いた。

「君は僕以外の人間には見えないんだから、一緒に立っても意味がないだろ」
 僕の言葉で、友人はミコの言葉を察した様で、苦笑していた。それで、一緒に売ればいいじゃないか、と囃してきた。
「つまんないな」ミコが言った。「せっかく上手に歌えるし、キミなんかよりよっぽどコミュニケーション能力あるのに」
「悪かったな」僕が言った。「タルパの体を与えてあげたけれど、流石に物理的な人体を作る事はできないぞ」
 僕の言葉に、ミコは舌を出した。

 でも、そうなんだ。ミコは、僕のタルパは、僕なんかよりもよっぽどコミュニケーション能力に長けている。これは、僕の理想の投射なのか、そもそも僕自身に内包されている能力なのか…。

「あ!」ミコが言った。「あの人は? キミの先輩の」
 あの人? ああ、大学時代に一緒だった、あの先輩か。なんでミコが知ってるんだ、と言いかけて、そりゃあ知ってるよな、と思い直した。

 僕は友人に、ミコが、サークルの先輩を紹介してきた、と伝えてやった。彼は、ああ、それならいいんじゃないか、と言った。大学時代、サークルで2つ上だった先輩だ。細身で、どちらかと言えば美形の女性。一時期コスプレを趣味にしていて、イベントなんかにも出ているという噂もあったから、お願いしたら協力してくれるかもしれないな。

「でも」ミコが言った。「ルールがあるの、忘れないで欲しいな。そうなったらボク、寂しいよ」
 ああ、そうか。ルールがあったな。でも、ミコから寂しいとか言うのは反則だな。そのルールは不可侵だ。それだけは緩くする訳にはいかない。

「大丈夫だ」僕が言った。「先輩は、つまり、百合だからだ」
 僕の言葉に、友人が笑った。僕は、笑いごとじゃない、と返した。
「ゴモラの人って事ね」ミコが言った。「ボクは全然OKだよ」
 OKって、どういう意味だよ…。

 でも、先輩は結婚しているのだ。子供はいない。本当か嘘か、旦那さんがホモで、互いに興味はないけれど、社会的立ち位置の確立と経済的相互扶助において、利害が一致したのだとか。
 友人は、意外と会話が成立したことに、なんだか満足そうだった。まるでそこにいるのが感じ取れる様だ、と言っていたので、タルパの存在なんて、理解させられれば容易に社会に混じれるのかもしれないな、と思った。
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