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エピローグ
第2話
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コンサートの演奏は…とても綺麗だった。メインで使われる楽器が、マリンバとかアコーディオンとかナイロンギターとかヴァイオリンとかブズーキとかの、アンプラグドのアコースティック音源だから、そもそも大音量という事もないし、胎教、というのも解らなくもないな。高校時代、有香も僕もこのアーティストをよく聴いていたし、いつか一緒にコンサートに行こう、と約束したりしたけど、地方の高校だった事もあり、ついぞ実現する事はなかった。だから、あれから長い時間が流れて、ようやく今回、初めて有香とコンサートに来られた訳だ。有香がどう思っているかは知れないけれど、僕自身には、妙な郷愁と充足感があった。
有香は、やはり変拍子の曲であっても、上手にリズムに合わせて自分の膨らんだお腹を、ぽんぽん、と叩いていた。
有香が、ごそごそと自分の鞄に手を入れ、何かを探し始めた。と思うと、そこから、メモ帳と鉛筆を取り出した。僕は、どき、とした。一瞬、隣にいる、物理的に実在している有香が、タルパの有香と重なった。隣にいるのは始めから本当の有香ではなく、同じく僕が作り出した、更にもう一人の有香なのではないか、と錯覚した。それを否定できる自信なんてない。
有香は、メモ帳に何やら書き始めた。僕は、自分の鼓動が早まるのが解った。
有香は、笑顔で僕に、メモ帳と鉛筆を渡して来た。
(CD、借りたままだったよね?)
読んで、僕は少しだけ拍子抜けして、安心の溜息をついた。僕は、そういえば高校時代に、今演奏されている曲の入ったCDを有香に貸したままである事を思い出した。けれど、敢えて
(そうだったっけ?)
と返した。
有香は、鉛筆を持った手を頭に遣って、考えるような仕草をしながら、書いた。
(この曲が入ったCDだよ。わたし、お気に入りなんだから)
そうだったんだ。
僕は、有香からメモ帳と鉛筆を取り上げた。
(じゃあ、有香にあげるよ)
僕は、有香にメモ帳と鉛筆を渡した。彼女は僕の言葉を読んで、少し迷うような表情をしてから、
(じゃあ、もらっておく。ありがと)
と返して来た。
(詩は、まだ書いてる?)
僕が書いた。
(ううん。高校出てから、ずっと書いてない)
そっか。じゃあやっぱり、タルパの有香に僕の曲に歌詞を書いて貰った、というのは、僕の無意識からくる願望だったのか。まあ、実際、歌が出来上がっている訳なんだけれど…。
(もう、書かないの?)
僕の言葉に、有香はまた、悩む様な表情をした。それから、メモ帳から視線を外し、僕と目を合わせ、微笑むと、
(また、書いてみてもいいかも)
と返し来た。それで、僕も微笑みで以て返答した。
有香は、やはり変拍子の曲であっても、上手にリズムに合わせて自分の膨らんだお腹を、ぽんぽん、と叩いていた。
有香が、ごそごそと自分の鞄に手を入れ、何かを探し始めた。と思うと、そこから、メモ帳と鉛筆を取り出した。僕は、どき、とした。一瞬、隣にいる、物理的に実在している有香が、タルパの有香と重なった。隣にいるのは始めから本当の有香ではなく、同じく僕が作り出した、更にもう一人の有香なのではないか、と錯覚した。それを否定できる自信なんてない。
有香は、メモ帳に何やら書き始めた。僕は、自分の鼓動が早まるのが解った。
有香は、笑顔で僕に、メモ帳と鉛筆を渡して来た。
(CD、借りたままだったよね?)
読んで、僕は少しだけ拍子抜けして、安心の溜息をついた。僕は、そういえば高校時代に、今演奏されている曲の入ったCDを有香に貸したままである事を思い出した。けれど、敢えて
(そうだったっけ?)
と返した。
有香は、鉛筆を持った手を頭に遣って、考えるような仕草をしながら、書いた。
(この曲が入ったCDだよ。わたし、お気に入りなんだから)
そうだったんだ。
僕は、有香からメモ帳と鉛筆を取り上げた。
(じゃあ、有香にあげるよ)
僕は、有香にメモ帳と鉛筆を渡した。彼女は僕の言葉を読んで、少し迷うような表情をしてから、
(じゃあ、もらっておく。ありがと)
と返して来た。
(詩は、まだ書いてる?)
僕が書いた。
(ううん。高校出てから、ずっと書いてない)
そっか。じゃあやっぱり、タルパの有香に僕の曲に歌詞を書いて貰った、というのは、僕の無意識からくる願望だったのか。まあ、実際、歌が出来上がっている訳なんだけれど…。
(もう、書かないの?)
僕の言葉に、有香はまた、悩む様な表情をした。それから、メモ帳から視線を外し、僕と目を合わせ、微笑むと、
(また、書いてみてもいいかも)
と返し来た。それで、僕も微笑みで以て返答した。
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