15 / 29
第十四話 泣けない夜に
しおりを挟む
泣きたいはずなのに、涙がひと粒も出てこない夜がある。
胸は重く、喉は苦しいのに、感情が固まった氷のように動かない。
令嬢ステラは寝台に横たわり、天井を見つめていた。
「……どうして、泣けないんだろう」
そのとき、窓辺にひとつの影が差した。
そこにいた青年は、手に小瓶を持っていた。
「これは“星のしずく”です。泣けないとき、代わりに空が涙を流してくれるんです」
瓶の中で、透明な光がきらめいていた。
ステラが手を伸ばすと、彼はその小瓶をそっと握らせてくれる。
「君が泣けない夜は、このしずくに気持ちを預ければいい。涙にならなくても、心は軽くなる」
ステラは小瓶を胸に抱きしめた。
すると、不思議なことに、張りつめていたものが少しずつほどけていく。
やがて瞳が熱を帯び、ぽろりと涙がこぼれた。
「……出てきた」
「ええ。泣けなくても、泣けても、どちらも大切な夜です」
彼の声に寄り添われ、ステラは静かに涙を流した。
その夜、心はようやく眠りに向かうことができた。
胸は重く、喉は苦しいのに、感情が固まった氷のように動かない。
令嬢ステラは寝台に横たわり、天井を見つめていた。
「……どうして、泣けないんだろう」
そのとき、窓辺にひとつの影が差した。
そこにいた青年は、手に小瓶を持っていた。
「これは“星のしずく”です。泣けないとき、代わりに空が涙を流してくれるんです」
瓶の中で、透明な光がきらめいていた。
ステラが手を伸ばすと、彼はその小瓶をそっと握らせてくれる。
「君が泣けない夜は、このしずくに気持ちを預ければいい。涙にならなくても、心は軽くなる」
ステラは小瓶を胸に抱きしめた。
すると、不思議なことに、張りつめていたものが少しずつほどけていく。
やがて瞳が熱を帯び、ぽろりと涙がこぼれた。
「……出てきた」
「ええ。泣けなくても、泣けても、どちらも大切な夜です」
彼の声に寄り添われ、ステラは静かに涙を流した。
その夜、心はようやく眠りに向かうことができた。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる