『〇〇夜に読む、お伽話の癒し帳』 ― どんな夜も、あなたの心に寄り添う小さな物語 ―

だって、これも愛なの。

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第十六話 夢を信じたい夜に

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 夜の帳の中で、少女エマは机に向かっていた。
 大切に描いてきた夢の設計図を広げたものの、線は震え、思考は行き止まりばかり。
 「やっぱり無理なのかもしれない……」
 小さな声が心を蝕んでいく。

 そのとき、窓から差し込む月明かりの中に、影がひとつ現れた。
 青年が手にしていたのは、色とりどりの羽根ペン。

「このペンはね、夢を諦めなかった人たちの想いでできているんです」

 彼はそう言い、一本をエマの前に差し出した。
 震える手で受け取ると、不思議と胸の奥があたたかくなる。

「夢を信じることは、結果を出すこととは別なんです。
 信じた一歩が、君自身を灯す光になる」

 青年の言葉は、夜の闇に小さな灯火をともすようだった。
 エマは深呼吸し、ペン先を紙に走らせる。

 まだ不格好な線でも、確かに心は動き出していた。

「……少しだけ、描き続けてみます」
「ええ。夢は逃げません。君が信じる限り、ずっとそばにありますから」

 月の光に照らされた設計図は、未完成のまま輝きを帯びていた。
 その夜、エマは再び夢を抱きしめることができた。
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