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疑念
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将也さんとは、もう終わりにしなければ。何度となくそう心に決めるのに、気がつけば将也さんとの情事を思い出し、彼の肌を、吐息を、温もりを思い出して体が震えてしまう。
いつだったか、リコさんが将也さんについて言った言葉を思い出す。
「本当に好きな女にしか欲情しない」
その言葉に、すがることしかできなかった。
将也さんがわたしに欲情し、愛の言葉をささやいてくれた。それはとても嬉しいし、幸せなことだと思っている。
でも、将也さんはわたしとの関係をどうしたいのか。彼自身の願望は明確に告げられず、ただ、わたしがどうしたいかと問われただけだった。
わたしもまた、答えを出すことが怖かった。将也さんを選べば将吾さんを傷つけることは確実で、彼に再び、双子の兄に恋人を取られる経験をさせてしまう。
かといって、将也さんへの気持ちを断ち切ろうにも、それが叶わないまま、日々は過ぎていった。
そんな中、将吾さんから「出張が長引いた」とメールが入った。わたしは張り詰めていたものが緩む気がした。
将吾さんが帰ってきたら、どちらを選ぶか決めなければならない。それがほんの少し先延ばしになっただけだとしても、今のわたしには、時間が必要だった。
会社に行けばルーティンの仕事があり、二人のことを考えずに仕事に没頭できる。新人研修もようやく落ち着きつつあったけれども、先々の退職に備えて引き継ぎもある。まだ当分は、仕事に余裕はないだろう。
定時になれば帰っていく新入社員を横目で見送りつつ定時内に終えられなかった仕事を片付ける。
ふと目をあげると、ちょうど通りかかった町谷くんと目が合った。
「お疲れ」
「お疲れ様」
町谷くんは通り過ぎようとして、数歩後ずさりして戻ってきた。
「高瀬さん、金曜の夜空いてる?」
「特に予定はないけど、残業かも」
「そっか」
町谷くんは少し言いにくそうに頭を掻き、意を決したかのように早口で言ってきた。
「お客様相談室の子達から、部署間親睦会やろうって誘われてるんだけどさ、柳島さん、今出張でしょ? 息抜きにちょっと来てくれると助かるんだけど」
「あ、うん、そうだね」
曖昧に返事しながら、ふと引っかかるものを感じた。将吾さんが出張中だということを、いつ町谷くんに話しただろうか。
「わたし、将吾さんが出張中だっていつ言ったっけ」
「あ、いや」
町谷くんは一瞬狼狽えたけれども、すぐに笑顔で付け加えた。
「前に名刺交換させてもらってから、柳島さんとはときどき連絡させてもらってるんだ。この前メールしたら出張中って返事きたからさ」
「そうなんだ」
将吾さんと町谷くんがわたしが知らないところでやりとりしていることに少し納得がいかなかったけれども、男同士、気が合ったならいちいちわたしに報告することもないか、と思い直した。
「で、どうする? 来てくれるよね」
「あ、うん……遅れてもよければ」
「良かった」
町谷くんは「場所や時間はメッセージ入れとく」と去っていった。
わたしは椅子に座ると、心ここにあらずでパソコンの画面を見つめた。
前にも後ろにも進めず、ただ息を潜めているだけのような毎日。どちらかに進みたいのに、足は深い沼にはまったかのように、重くて動かない。
近いうちに、将吾さんと将也さんのことをどうするべきか、決められるのだろうか。そのときが来るのを、息を潜めて待つしかないのだろうか。
金曜日の定時後、わたしは少し残業してから指定された店に向かった。
案内されたのは和風居酒屋の広い座敷で、経理部、お客様相談室の他に技術系社員、契約社員など結構な人数が集まっていた。
「高瀬さん、こっちこっち」
町谷くんがわたしを見つけて、大きく手を振って合図してくれた。ほっと安心したのも束の間、町谷くんの両隣に座っているお客様相談室の女子社員を見て、わたしは怯んだ。あの鉄壁の守りに割って入る勇気は、さすがにない。
「こっちにいるね」
ちょうど近くにいた同期が席を詰めてくれたので、わたしはそこに座った。
「高瀬ちゃん久しぶりだね」
「こういう集まり、出てこなかったもんね。同期会にも来ないし」
「ねね、結婚するって聞いたけど本当?」
席についた途端、矢継ぎ早に質問される。わたしが結婚退職することは、いつの間にか知れ渡っているようだった。
ビールが運ばれてくると、誰からともなく祝いの言葉が発せられた。
「高瀬ちゃん、結婚退職おめでとう!」
口々に祝福され、相手は誰か、写真を見せてと次々に問われ、わたしは軽い目眩を感じた。
「ちょっとごめんね」
精一杯の愛想笑いを作って席を抜け出すと、町谷くんのほうに行った。
「高瀬さん、どうかした?」
「ごめんね、帰る」
町谷くんが慌てて立ち上がる。横の二人がわたしを見上げ、睨みつける。
「まだ来たばかりなのに。もしかして具合でも悪い?」
「ううん、ちょっと、人混みにあたっただけ」
「じゃあ、外に空気吸いに行かない? それか、ここ抜け出して二人で何か食べに行ってもいいし」
「うん、でもやっぱり帰る。ごめんね、せっかく誘ってくれたのに」
わたしは最初に着いた席に置いてきたバッグとジャケットを持つと、そそくさとその場を後にした。
「高瀬さん、ちょっと待って」
町谷くんが追いかけてくる。
「ねぇ、どこか落ち着けるところで少し話そうよ」
腕を取られ、振り返る。いつもの町谷くんらしくない。普段の彼は、断られているのに食い下がることはしない。
「町谷くんは残りなよ。客相の二人、町谷くんが戻ってくるのを待ってると思うし」
「いや、俺のことは別にいいからさ」
「大丈夫だから。じゃあ」
「せめて30分! 30分でいいから、ここにいてよ」
わたしは違和感を感じた。どうしてわたしが30分ここにとどまることが必要なのか。
「町谷くん」
町谷くんの表情が「しまった」とでも言いたげに変わる。わたしは構わず聞いた。
「わたしを30分この場に居させて、なんの得があるの? 誰かにわたしを帰らせないよう頼まれたの?」
「あ、いや、別に」
「町谷くん、本当のことを言って」
「あー」
町谷くんは額に手を当てると、天を仰いだ。
「ごめん。実は、柳島さんに頼まれたんだよ。出張から帰ってきてること、内緒でサプライズしたいから遅く帰るように仕向けてくれって」
「将吾さんが?」
わたしは驚いた。将吾さんから、一週間出張が延びたと連絡がきたばかりなのに。
わたしは町谷くんを無視して店を出た。
帰り道、何度か将吾さんのスマートフォンに電話したけれども、将吾さんが出ることはなく、メッセージアプリも既読にならなかった。
将吾さんは、本当に日本に帰ってきているのだろうか。帰っているとしても、どんな顔で将吾さんに会えばいいのか。
玄関には鍵がかかっていた。やっぱり出張なんじゃないの? わたしはそう思った。念のため、大きな音をさせないように静かに鍵を開け、ドアを開ける。
玄関にきちんと揃えられたドクターマーチンを見て、声が出そうなほどに驚いた。まさか、将也さんが家にいるのだろうか。
リビングから明かりが漏れていた。今朝、家を出るときにすべての部屋の電気は消してきたはずだ。
息を潜め、磨りガラスがはまっている仕切りのドア越しにリビングを確認し、わたしは声が出そうになった。
リビングの壁一面にあるテレビ収納棚の前に、黒のライダースにスキニージーンズ、ブリーチした金髪の男性が立っている。将也さんだ。こちらに背中を向けているから、わたしには気がついていない。
わたしは、震える手で仕切りのドアをそっと開けた。鼓動が早鐘のように打つ。緊張で手汗がひどい。
気配を感じたのか、将也さんが振り返る。目がわたしを捉え見開かれる。
「七海」
将也さんが髪をかき上げる。金髪が揺れ、小さなフープのピアスが見え隠れした。
将也さんが近づいてくる。心臓の音がうるさいくらいに大きい。足が震えて、動きたいのに一歩も動けない。
将也さんは一定の距離を保って止まった。その表情は固かった。
「なんで、将也さん……」
声が震えた。何から聞けば良いのか分からず、頭の中で疑問がぐるぐると回った。
なんで、家に入れたんですか?
何をしてたんですか?
なんであのとき、追いかけてくれなかったんですか?
なんであの後、電話してくれなかったんですか……?
口にできないもどかしさに唇を噛む。こんなにたくさんの思いを抱えていたら、いつかきっと爆発してしまう。なのに、いざ聞ける機会を前にすると勇気がなくて、貝のように押し黙るしかなくなるのだ。
ううん、もう将也さんと言葉を交わしてはいけない……もう、触れても話してもいけないのだから。
いつだったか、リコさんが将也さんについて言った言葉を思い出す。
「本当に好きな女にしか欲情しない」
その言葉に、すがることしかできなかった。
将也さんがわたしに欲情し、愛の言葉をささやいてくれた。それはとても嬉しいし、幸せなことだと思っている。
でも、将也さんはわたしとの関係をどうしたいのか。彼自身の願望は明確に告げられず、ただ、わたしがどうしたいかと問われただけだった。
わたしもまた、答えを出すことが怖かった。将也さんを選べば将吾さんを傷つけることは確実で、彼に再び、双子の兄に恋人を取られる経験をさせてしまう。
かといって、将也さんへの気持ちを断ち切ろうにも、それが叶わないまま、日々は過ぎていった。
そんな中、将吾さんから「出張が長引いた」とメールが入った。わたしは張り詰めていたものが緩む気がした。
将吾さんが帰ってきたら、どちらを選ぶか決めなければならない。それがほんの少し先延ばしになっただけだとしても、今のわたしには、時間が必要だった。
会社に行けばルーティンの仕事があり、二人のことを考えずに仕事に没頭できる。新人研修もようやく落ち着きつつあったけれども、先々の退職に備えて引き継ぎもある。まだ当分は、仕事に余裕はないだろう。
定時になれば帰っていく新入社員を横目で見送りつつ定時内に終えられなかった仕事を片付ける。
ふと目をあげると、ちょうど通りかかった町谷くんと目が合った。
「お疲れ」
「お疲れ様」
町谷くんは通り過ぎようとして、数歩後ずさりして戻ってきた。
「高瀬さん、金曜の夜空いてる?」
「特に予定はないけど、残業かも」
「そっか」
町谷くんは少し言いにくそうに頭を掻き、意を決したかのように早口で言ってきた。
「お客様相談室の子達から、部署間親睦会やろうって誘われてるんだけどさ、柳島さん、今出張でしょ? 息抜きにちょっと来てくれると助かるんだけど」
「あ、うん、そうだね」
曖昧に返事しながら、ふと引っかかるものを感じた。将吾さんが出張中だということを、いつ町谷くんに話しただろうか。
「わたし、将吾さんが出張中だっていつ言ったっけ」
「あ、いや」
町谷くんは一瞬狼狽えたけれども、すぐに笑顔で付け加えた。
「前に名刺交換させてもらってから、柳島さんとはときどき連絡させてもらってるんだ。この前メールしたら出張中って返事きたからさ」
「そうなんだ」
将吾さんと町谷くんがわたしが知らないところでやりとりしていることに少し納得がいかなかったけれども、男同士、気が合ったならいちいちわたしに報告することもないか、と思い直した。
「で、どうする? 来てくれるよね」
「あ、うん……遅れてもよければ」
「良かった」
町谷くんは「場所や時間はメッセージ入れとく」と去っていった。
わたしは椅子に座ると、心ここにあらずでパソコンの画面を見つめた。
前にも後ろにも進めず、ただ息を潜めているだけのような毎日。どちらかに進みたいのに、足は深い沼にはまったかのように、重くて動かない。
近いうちに、将吾さんと将也さんのことをどうするべきか、決められるのだろうか。そのときが来るのを、息を潜めて待つしかないのだろうか。
金曜日の定時後、わたしは少し残業してから指定された店に向かった。
案内されたのは和風居酒屋の広い座敷で、経理部、お客様相談室の他に技術系社員、契約社員など結構な人数が集まっていた。
「高瀬さん、こっちこっち」
町谷くんがわたしを見つけて、大きく手を振って合図してくれた。ほっと安心したのも束の間、町谷くんの両隣に座っているお客様相談室の女子社員を見て、わたしは怯んだ。あの鉄壁の守りに割って入る勇気は、さすがにない。
「こっちにいるね」
ちょうど近くにいた同期が席を詰めてくれたので、わたしはそこに座った。
「高瀬ちゃん久しぶりだね」
「こういう集まり、出てこなかったもんね。同期会にも来ないし」
「ねね、結婚するって聞いたけど本当?」
席についた途端、矢継ぎ早に質問される。わたしが結婚退職することは、いつの間にか知れ渡っているようだった。
ビールが運ばれてくると、誰からともなく祝いの言葉が発せられた。
「高瀬ちゃん、結婚退職おめでとう!」
口々に祝福され、相手は誰か、写真を見せてと次々に問われ、わたしは軽い目眩を感じた。
「ちょっとごめんね」
精一杯の愛想笑いを作って席を抜け出すと、町谷くんのほうに行った。
「高瀬さん、どうかした?」
「ごめんね、帰る」
町谷くんが慌てて立ち上がる。横の二人がわたしを見上げ、睨みつける。
「まだ来たばかりなのに。もしかして具合でも悪い?」
「ううん、ちょっと、人混みにあたっただけ」
「じゃあ、外に空気吸いに行かない? それか、ここ抜け出して二人で何か食べに行ってもいいし」
「うん、でもやっぱり帰る。ごめんね、せっかく誘ってくれたのに」
わたしは最初に着いた席に置いてきたバッグとジャケットを持つと、そそくさとその場を後にした。
「高瀬さん、ちょっと待って」
町谷くんが追いかけてくる。
「ねぇ、どこか落ち着けるところで少し話そうよ」
腕を取られ、振り返る。いつもの町谷くんらしくない。普段の彼は、断られているのに食い下がることはしない。
「町谷くんは残りなよ。客相の二人、町谷くんが戻ってくるのを待ってると思うし」
「いや、俺のことは別にいいからさ」
「大丈夫だから。じゃあ」
「せめて30分! 30分でいいから、ここにいてよ」
わたしは違和感を感じた。どうしてわたしが30分ここにとどまることが必要なのか。
「町谷くん」
町谷くんの表情が「しまった」とでも言いたげに変わる。わたしは構わず聞いた。
「わたしを30分この場に居させて、なんの得があるの? 誰かにわたしを帰らせないよう頼まれたの?」
「あ、いや、別に」
「町谷くん、本当のことを言って」
「あー」
町谷くんは額に手を当てると、天を仰いだ。
「ごめん。実は、柳島さんに頼まれたんだよ。出張から帰ってきてること、内緒でサプライズしたいから遅く帰るように仕向けてくれって」
「将吾さんが?」
わたしは驚いた。将吾さんから、一週間出張が延びたと連絡がきたばかりなのに。
わたしは町谷くんを無視して店を出た。
帰り道、何度か将吾さんのスマートフォンに電話したけれども、将吾さんが出ることはなく、メッセージアプリも既読にならなかった。
将吾さんは、本当に日本に帰ってきているのだろうか。帰っているとしても、どんな顔で将吾さんに会えばいいのか。
玄関には鍵がかかっていた。やっぱり出張なんじゃないの? わたしはそう思った。念のため、大きな音をさせないように静かに鍵を開け、ドアを開ける。
玄関にきちんと揃えられたドクターマーチンを見て、声が出そうなほどに驚いた。まさか、将也さんが家にいるのだろうか。
リビングから明かりが漏れていた。今朝、家を出るときにすべての部屋の電気は消してきたはずだ。
息を潜め、磨りガラスがはまっている仕切りのドア越しにリビングを確認し、わたしは声が出そうになった。
リビングの壁一面にあるテレビ収納棚の前に、黒のライダースにスキニージーンズ、ブリーチした金髪の男性が立っている。将也さんだ。こちらに背中を向けているから、わたしには気がついていない。
わたしは、震える手で仕切りのドアをそっと開けた。鼓動が早鐘のように打つ。緊張で手汗がひどい。
気配を感じたのか、将也さんが振り返る。目がわたしを捉え見開かれる。
「七海」
将也さんが髪をかき上げる。金髪が揺れ、小さなフープのピアスが見え隠れした。
将也さんが近づいてくる。心臓の音がうるさいくらいに大きい。足が震えて、動きたいのに一歩も動けない。
将也さんは一定の距離を保って止まった。その表情は固かった。
「なんで、将也さん……」
声が震えた。何から聞けば良いのか分からず、頭の中で疑問がぐるぐると回った。
なんで、家に入れたんですか?
何をしてたんですか?
なんであのとき、追いかけてくれなかったんですか?
なんであの後、電話してくれなかったんですか……?
口にできないもどかしさに唇を噛む。こんなにたくさんの思いを抱えていたら、いつかきっと爆発してしまう。なのに、いざ聞ける機会を前にすると勇気がなくて、貝のように押し黙るしかなくなるのだ。
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