Love affair〜ラブ アフェア〜

橘 薫

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❤︎カウンセリング開始❤︎真柴みひろ

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 二階は真ん中が吹き抜けで、一階の中庭の様子を見れる。その吹き抜けを囲うように、客室が配置されている。外見は古い洋館だけど、作りはかなり斬新だ。

「海側と山側にそれぞれのお部屋をご用意しましたので、お二人でどちらを使うか決めてください」
 どちらの部屋も景色が良く、風通しが良い。
 ジャンケンで勝った方が海側、と決め、真剣にジャンケンしている様子が少年のようだった。

 いつもは見れない、宇丈さんの素の一面…胸が疼くほどに愛おしい。私といる時には見たことがない表情。無邪気で、素直で…私よりも年上なのに、可愛いと思ってしまう…。

 宇丈さんが海側、青島さんが山側を使うことになった。
「みひろさんはどこで寝んの?」
「私は一階の、祖母が使っていた寝室を使います」
 二階の水周りを案内する。
「こちらがおトイレとバスルームです。自由に使ってくださって結構です」
「へぇ…」

 広いバスルームの窓は西向きだ。幼少時、夕日を見ながら弟とお風呂ではしゃいで、祖母に叱られた…そんな思い出が蘇る。
 あの時は、父と弟が海側、母と私が山側の部屋だった。弟の寝相が悪くて、いつも夜中に蹴られて目が覚めたから…あの時は母と寝る、と言って聞かなかったのだ…。

 懐かしい思い出に浸りながら、次は一階を案内する。
「台所と居間もお好きに使ってください。冷蔵庫の中のものもご自由にどうぞ」
「すげぇ広いよね…」
 宇丈さんが独り言のように呟く。確かに…広いかもしれない。
 でもどこにいても…祖母が愛した別荘だからか、祖母の気配が残っているような気がしてならない。

「こちらが一階のトイレとバスルームです。バスルームは私が使いますが、トイレはご自由にお使い下さい」
「あの奥の部屋は?」
 宇丈さんが聞いてくる。
「…祖母の寝室と書斎です。寝室は私が使います」
「書斎…カウンセリングに使っても大丈夫ですか?」
「え?」

 青島さんの提案に正直戸惑った。あまり入ったことは無かったけれども…小さい時に何回か入れてもらったことがあった。
 重厚なデスクと革張りの椅子。大事に使っていた万年筆。祖父の遺品である時計と、古書のコレクション。
 別荘の中でも特に祖母が愛していたこの部屋は、恐らく…最も祖母の気配が残っているはず。その場所でカウンセリングを…?

「いえ…カウンセリングはできたら居間でお願いします。書斎は長いこと開けていませんので、空気が悪いかと…」
「そうですか、分かりました」
 あっさりと引き下がってくれたことに安心した。祖母の書斎で、なんて…まず無理だ。
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