籠の鳥

聖夜

14

　散々一真くんに願望を吐き出させ、直接的な言葉で更に煽る。一真くんは浅く息をつき、局部は完全に屹立していて、これはもしや痛いんじゃないかと心配になるほどだった。
「美彩さん、お願いします」
　掠れている声で懇願されると、絆される。わたしはそっと手を添えて握った。

「ひぅっ」
　声を上げ、のけぞる。その喉に浮かぶ喉仏が、彼がきちんと「雄」であることを表しているようだった。
「ここ？」
　窪みを優しくさすると、腰を捻って逃れようとする。自由を奪われ、快楽に晒され、今、一真くんにはどのくらいの理性が残っているだろうか。
「許して、ください。もう、もう……」
　くっ、と唇を噛む。赤い唇の、噛まれた部分だけが白くなる。そのコントラストが美しくて、わたしはうっとりと見惚れてしまう。なんで美しくて、いやらしくて、淫らな姿なんだろう。

「お願いします、美彩さん。僕、もうダメです、無理……」
　それを効いた瞬間に心を決めた。手枷を外し、一真くんの手を彼自身に導く。
「自分でして見せて？」
「やっ……、ダメですっ」
「恥ずかしくないから平気。一真くんが淫らに気持ち良くなるところ、見たいなぁ」
　もう収まりがつかないだろう。理性よりも本能、そして快楽への期待が彼を支配する。恐る恐る触れ、しごき始めるその様子に、私はまたしても目を奪われた。

「あっ……、あ」
　半開きにした口から漏れる声。アイマスクの下で紅潮する頰。色白の彼が興奮すると、頬も首筋も赤く染まってとても美しい。
　つと指を伸ばして胸に触れる。敏感な先端を摘んでやると悲鳴のような声を上げた。それでも、扱く手は止まらない……快楽に、負けたのだ。

　きりっ、と捻ると痛みにまた悲鳴が上がる。でも、きっとこの痛みは刺激で、更なる快楽への導火線となる。その証拠に彼の右手はピークを目指して動きを早めている。
「くっ……、あ、あ、お、あ」
　勢いよく飛び出るものをそのままにしておく。シーツに、彼の腿に飛び散ったその白い液体。わたしは一真くんのアイマスクを外し、瞼に口付けた。
「……えっち。全部見ちゃった」
　羞恥にギュッと目を閉じる一真くんは、もう、この遊びを止められなくなっているだろう。