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第27話 月明かりに照らされた無限のピエロ
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ルチアーノとトムハットが部屋を後にしてから2時間後、ディーノは謎の肌寒さを感じて目が覚めた。
寝ぼけてぼやけた両目を動かして部屋の中を見回す。
時刻はまだ夜中だったので室内は暗く、窓から差し込んでくる青白い月明かりがボウッと壁や時計を照らしていた。
(10時、、、7分?)
月明かりに照らされただけで、長針と短針の区別を付ける事すらこんなな状況で何とか現在時刻を確認する。
そして室内に異常な寒さに、頭から布団を被って再び夢の世界へ戻ろう目を閉じた。
「ハア~イッ! ジョウジィ~??」
布団の外、ベッドの足元辺りから陽気でキーの高い歌うような声がする。
その声は笑っているように上ずっていて自分達がまるで十年来の親友であるかの様に気安い口調であったが、ディーノの身体は何か嫌なモノを感じ取って総毛立った。
ディーノは不思議な感覚にこのまま布団の中でジッとしているか迷ったが、声の正体に対する好奇心を抑えられなくなって顔を出す。
布団から顔を出したディーノが声の来た方向を向くと、其処には月明かりに照らされて幻の様に浮かぶピエロが居た。
「君、だれ?」
ディーノは夢幻の如く佇むピエロマスクを付けた男に話しかけた。
脳内が寝呆けによって霧がかかった様にボヤッとして判断能力が低下し、明らかな不審者が居るにも関わらず違和感を感じることが出来なかった。
ピエロの非現実的な姿によって夢だと判断してしまったのかもしれない。
「ハア~イッ! ジョウジィ~? オイラはチャムラップ、無限のピエロだよ~」
ピエロは陽気でやけに間延びした声で質問に返す。
ディーノが聞きたかった事はそういう事では無いのだが、その知りたいことを明確に聞き出す言葉が思い浮かばなかったので別の質問を投げ掛けた。
「ジョウジってだれ?」
「キミ」
「僕はジョウジじゃないよ、僕はディーノ。僕はディーノ・バラキアって言うんだ」
「うん、知ってるよ。君はディーノ・バラキア、ルチアーノバラキアの息子で9歳、、、おっと今日で10歳だったよね。好きな食べ物はフライドチキンとオムライス、好きなフルーツはマンゴー、好きなアイスクリームのフレーバーはダブルチョコチョコチップ。大きくアイスクリームを掬って口に頬張り、解け残ったチョコチップを口内で転がすのが好き。好きな色は金色で、好きな天気は夕立直前の
青空と雲が半々の空」
ピエロは当然ディーノの個人情報を吐き出すだけの機会にでもなったかの様に、息継ぎを挟む暇も作らず脳内から降りてきた情報を高速で言葉に変換した。
そして自分の事を全て言い当てられたディーノは目を輝かせる。
「凄いッ! 僕の事何でも知ってるの!!」
「知ってるよ~、拙者は二十年前から君の事をず~っと待ってたんだからね!」
「そうなんだ、、、じゃあどうして最初は名前を間違えたの?」
「間違えた訳じゃない、君はディーノであってジョージでも有るんだ。ほら、今君が被ってる黄色のブランケット、それ雨ガッパみたいでとってもジョージだよ。後は其れに体を包んだまま土砂降りの中船を追いかけてくれればもっと完璧」
「・・・ごめん、僕君の言ってることの殆どが理解できないよ」
ディーノも暫くはピエロの発する言葉を一言一句聞き取って、その言葉の奥に隠された言葉の意味を解読しようとしたが名詞がグチャグチャ過ぎて理解できない。
其れでも言葉は粘着質に脳内に張り付き、頭の中でグワングワン反響し続けて言葉は暗号に変化し後は頭痛に成って脳内を突き刺した。
「うぅ、、、なんか君と話してると頭がおかしくなりそうだ。同じ言葉の筈なのに意味が理解できなくてとっても気持ち悪い、、、」
頭を抱えてディーノが布団の中に蹲っていると頭の中に詰まっている霧がどんどん濃くなっていく。
何かを考える事が出来なく成り、全ての言葉が脳内へストレートに入ってくる。
「あれ? 眠く成ってきちゃった?」
ディーノの行動をみてピエロは過剰なまでに頭を傾けて顔を覗き込む。
そのピエロマスクには両目の部分に穴が開いているのだが、ディーノが覗き返したその穴には光が無く暗闇だけが広がっていた。
「have a good night!! と言いたいところだけどもう少し待って。僕にも予定ってものが有るんだ、様式美に則るところによると僕は君に何かをお勧めしなくちゃいけない」
「おすす、、、め?」
ディーノは鈍い頭痛と脳内の霧によってフィルターがマヒした脳味噌が反応するままに、ピエロが発した言葉を聞い返す。
頭がボーっとして、トムハットの言葉だけが響き続けていた。
「そう、お勧め、、、僕はお勧めするピエロだからね!!」
「・・・無限のピエロじゃ、なかったの?」
「肩書が二つくらい合ったって言いだろ!! 人が背負っている肩書が一つだけだと思ったまま大人に成ると後悔するぞ!! テレビに出ているコメンテーターだって、~大学教授って言いながら裏だと何処かの会社の大口株主やってるんだよ。そうしてさも社会利益の為に発言している態で実はステルスマーケティングでガッポガッポなんだから!!」
ピエロの一本話の筋が通っている様で全く通っていない話にディーノは困惑する。
言葉の皮を被っているだけの唯の音だ。
「それで、何を教えてくれるの、、、?」
口がまるで操られているかの様に上下し、そう呟いた。
そしてピエロはそう呟かれる事を待っていたかの様に大きく頷き、人差し指を一本ピンと立ててディーノの顔を指す。
「アタスが紹介するするのは、、、ズバリッ! サーカス!!」
寝ぼけてぼやけた両目を動かして部屋の中を見回す。
時刻はまだ夜中だったので室内は暗く、窓から差し込んでくる青白い月明かりがボウッと壁や時計を照らしていた。
(10時、、、7分?)
月明かりに照らされただけで、長針と短針の区別を付ける事すらこんなな状況で何とか現在時刻を確認する。
そして室内に異常な寒さに、頭から布団を被って再び夢の世界へ戻ろう目を閉じた。
「ハア~イッ! ジョウジィ~??」
布団の外、ベッドの足元辺りから陽気でキーの高い歌うような声がする。
その声は笑っているように上ずっていて自分達がまるで十年来の親友であるかの様に気安い口調であったが、ディーノの身体は何か嫌なモノを感じ取って総毛立った。
ディーノは不思議な感覚にこのまま布団の中でジッとしているか迷ったが、声の正体に対する好奇心を抑えられなくなって顔を出す。
布団から顔を出したディーノが声の来た方向を向くと、其処には月明かりに照らされて幻の様に浮かぶピエロが居た。
「君、だれ?」
ディーノは夢幻の如く佇むピエロマスクを付けた男に話しかけた。
脳内が寝呆けによって霧がかかった様にボヤッとして判断能力が低下し、明らかな不審者が居るにも関わらず違和感を感じることが出来なかった。
ピエロの非現実的な姿によって夢だと判断してしまったのかもしれない。
「ハア~イッ! ジョウジィ~? オイラはチャムラップ、無限のピエロだよ~」
ピエロは陽気でやけに間延びした声で質問に返す。
ディーノが聞きたかった事はそういう事では無いのだが、その知りたいことを明確に聞き出す言葉が思い浮かばなかったので別の質問を投げ掛けた。
「ジョウジってだれ?」
「キミ」
「僕はジョウジじゃないよ、僕はディーノ。僕はディーノ・バラキアって言うんだ」
「うん、知ってるよ。君はディーノ・バラキア、ルチアーノバラキアの息子で9歳、、、おっと今日で10歳だったよね。好きな食べ物はフライドチキンとオムライス、好きなフルーツはマンゴー、好きなアイスクリームのフレーバーはダブルチョコチョコチップ。大きくアイスクリームを掬って口に頬張り、解け残ったチョコチップを口内で転がすのが好き。好きな色は金色で、好きな天気は夕立直前の
青空と雲が半々の空」
ピエロは当然ディーノの個人情報を吐き出すだけの機会にでもなったかの様に、息継ぎを挟む暇も作らず脳内から降りてきた情報を高速で言葉に変換した。
そして自分の事を全て言い当てられたディーノは目を輝かせる。
「凄いッ! 僕の事何でも知ってるの!!」
「知ってるよ~、拙者は二十年前から君の事をず~っと待ってたんだからね!」
「そうなんだ、、、じゃあどうして最初は名前を間違えたの?」
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ディーノも暫くはピエロの発する言葉を一言一句聞き取って、その言葉の奥に隠された言葉の意味を解読しようとしたが名詞がグチャグチャ過ぎて理解できない。
其れでも言葉は粘着質に脳内に張り付き、頭の中でグワングワン反響し続けて言葉は暗号に変化し後は頭痛に成って脳内を突き刺した。
「うぅ、、、なんか君と話してると頭がおかしくなりそうだ。同じ言葉の筈なのに意味が理解できなくてとっても気持ち悪い、、、」
頭を抱えてディーノが布団の中に蹲っていると頭の中に詰まっている霧がどんどん濃くなっていく。
何かを考える事が出来なく成り、全ての言葉が脳内へストレートに入ってくる。
「あれ? 眠く成ってきちゃった?」
ディーノの行動をみてピエロは過剰なまでに頭を傾けて顔を覗き込む。
そのピエロマスクには両目の部分に穴が開いているのだが、ディーノが覗き返したその穴には光が無く暗闇だけが広がっていた。
「have a good night!! と言いたいところだけどもう少し待って。僕にも予定ってものが有るんだ、様式美に則るところによると僕は君に何かをお勧めしなくちゃいけない」
「おすす、、、め?」
ディーノは鈍い頭痛と脳内の霧によってフィルターがマヒした脳味噌が反応するままに、ピエロが発した言葉を聞い返す。
頭がボーっとして、トムハットの言葉だけが響き続けていた。
「そう、お勧め、、、僕はお勧めするピエロだからね!!」
「・・・無限のピエロじゃ、なかったの?」
「肩書が二つくらい合ったって言いだろ!! 人が背負っている肩書が一つだけだと思ったまま大人に成ると後悔するぞ!! テレビに出ているコメンテーターだって、~大学教授って言いながら裏だと何処かの会社の大口株主やってるんだよ。そうしてさも社会利益の為に発言している態で実はステルスマーケティングでガッポガッポなんだから!!」
ピエロの一本話の筋が通っている様で全く通っていない話にディーノは困惑する。
言葉の皮を被っているだけの唯の音だ。
「それで、何を教えてくれるの、、、?」
口がまるで操られているかの様に上下し、そう呟いた。
そしてピエロはそう呟かれる事を待っていたかの様に大きく頷き、人差し指を一本ピンと立ててディーノの顔を指す。
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