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第Ⅱ章 sideマリアナ
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私の名前はマリアナ。
平民であるお母様は公爵家であるお父様との恋を実らせた。私たちは晴れて家族になることができた。
公爵家にはとても綺麗な女性がいた。彼女が私の姉になるのだと聞いて嬉しかった。
今まで一人っ子でとても寂しい思いをしていたのもあるし、こんな綺麗な人が姉になるなんて夢のようだと思った。
お姉様はお母様を亡くされたばかり。とても可哀そう。
だから、私はたくさんお姉様と過ごすことにした。
可哀そうなお姉様。お姉様は目の前でお母様を失ったショックで心に棘を生やしている。
他人を拒絶して、私のお母様・・・・お姉様でいうと義母に当たるんだけど。を、傷つけて泣かせて。本意でないのは分かってる。そうすることでしか悲しみを晴らせないのね。
でもね、お姉様。そうやって傷つくのはお姉様自身なんだよ。もう、一年も経ったんだし。いい加減お母様の死を乗り越えないと。きっと天国でお母様が心配しているわ。
平民として過ごしてきた私は貴族としての繋がりや作法などに不安があるので学園に通うことになった。そこでお姉様の婚約者であるカール様と知り合った。
さすがはお姉様。お優しいお姉様の婚約者はやはりお姉様と一緒でとてもお優しい人だった。
「そうか。エマが」
私の相談を聞いてなぜかカール様は厳しい顔をされた。どうしたんだろう?
「お前にも苦労をかけるな」
「いいえ。私はただ、家族としてお姉様と仲良くなりたいだけです。お姉様も早く気づいてくださるといいのですが」
悲しむばかりでは何の解決策にもならないと。家族なのだから痛みも苦しみもともに分かち合い、進むべきなんだと。早く気づいて、胸の内を明かしてくださればいいのに。
「そうだな。アイツも早く気づけばいい。権力を笠にして生きることがどれほど愚かなことか」
物思いに耽っていた私はカール様の言葉を聞いていなかった。
◇◇◇
「エマを学園に?」
「はい」
お姉様は別館に籠りきり。使用人も決まった人としか交流がない。そのせいで余計に自分の世界に籠りきりになっていると思う。
「お姉様にも外の世界の素晴らしさを知って欲しいんです。私はまだ勉強で精いっぱいなのでお友達と呼べる人はいませんが。きっと余裕ができたらたくさんのお友達が出来て、一緒に研鑽を積めると思うんです。学生にしか味わえない経験もあります。私はお姉様と一緒にそういうのを経験したいです」
「確かにあれも外の世界を知れば理解するだろう(身分で人を差別することの愚かさを)」
「はい。きっと、分かります(外の世界に目を向ければきっと。私もお父様もカール様もみんな、お姉様のことを愛していること、心配していること。きっと分かってくれる)。」
「お前は優しい子だね、マリアナ。お前に冷たく当たるエマに優しい。エマに、お前の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいぐらいだ」
そう言ってお父様は私の頭を優しく撫でる。
とても温かく、大きな手。こんな人の娘として育ったお姉様ですもの。きっと私やお母様、お父様、それにカール様愛が伝わるはず。
「お姉様が私に冷たく当たるのは仕方のないことですわ」
「お前の生まれがどうであろうと、お前は私の子だ。それが分からないエマの方が悪いのだ?」
「?」
お父様は急に顔を険しくした。それに先ほどよく分からないことを言おうとしていたけど。まぁ、いいか。貴族の方の考えることは私には分からない。だって彼らは私よりもずっと頭が良いから。
それに分からないことよりもお父様が私のこと気にかけてくれることの方が嬉しい。
「私もお父様の家族になれて嬉しいです。公爵家の一員になれて心から幸せです」
「私もお前のような娘を持てて嬉しいよ」
平民であるお母様は公爵家であるお父様との恋を実らせた。私たちは晴れて家族になることができた。
公爵家にはとても綺麗な女性がいた。彼女が私の姉になるのだと聞いて嬉しかった。
今まで一人っ子でとても寂しい思いをしていたのもあるし、こんな綺麗な人が姉になるなんて夢のようだと思った。
お姉様はお母様を亡くされたばかり。とても可哀そう。
だから、私はたくさんお姉様と過ごすことにした。
可哀そうなお姉様。お姉様は目の前でお母様を失ったショックで心に棘を生やしている。
他人を拒絶して、私のお母様・・・・お姉様でいうと義母に当たるんだけど。を、傷つけて泣かせて。本意でないのは分かってる。そうすることでしか悲しみを晴らせないのね。
でもね、お姉様。そうやって傷つくのはお姉様自身なんだよ。もう、一年も経ったんだし。いい加減お母様の死を乗り越えないと。きっと天国でお母様が心配しているわ。
平民として過ごしてきた私は貴族としての繋がりや作法などに不安があるので学園に通うことになった。そこでお姉様の婚約者であるカール様と知り合った。
さすがはお姉様。お優しいお姉様の婚約者はやはりお姉様と一緒でとてもお優しい人だった。
「そうか。エマが」
私の相談を聞いてなぜかカール様は厳しい顔をされた。どうしたんだろう?
「お前にも苦労をかけるな」
「いいえ。私はただ、家族としてお姉様と仲良くなりたいだけです。お姉様も早く気づいてくださるといいのですが」
悲しむばかりでは何の解決策にもならないと。家族なのだから痛みも苦しみもともに分かち合い、進むべきなんだと。早く気づいて、胸の内を明かしてくださればいいのに。
「そうだな。アイツも早く気づけばいい。権力を笠にして生きることがどれほど愚かなことか」
物思いに耽っていた私はカール様の言葉を聞いていなかった。
◇◇◇
「エマを学園に?」
「はい」
お姉様は別館に籠りきり。使用人も決まった人としか交流がない。そのせいで余計に自分の世界に籠りきりになっていると思う。
「お姉様にも外の世界の素晴らしさを知って欲しいんです。私はまだ勉強で精いっぱいなのでお友達と呼べる人はいませんが。きっと余裕ができたらたくさんのお友達が出来て、一緒に研鑽を積めると思うんです。学生にしか味わえない経験もあります。私はお姉様と一緒にそういうのを経験したいです」
「確かにあれも外の世界を知れば理解するだろう(身分で人を差別することの愚かさを)」
「はい。きっと、分かります(外の世界に目を向ければきっと。私もお父様もカール様もみんな、お姉様のことを愛していること、心配していること。きっと分かってくれる)。」
「お前は優しい子だね、マリアナ。お前に冷たく当たるエマに優しい。エマに、お前の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいぐらいだ」
そう言ってお父様は私の頭を優しく撫でる。
とても温かく、大きな手。こんな人の娘として育ったお姉様ですもの。きっと私やお母様、お父様、それにカール様愛が伝わるはず。
「お姉様が私に冷たく当たるのは仕方のないことですわ」
「お前の生まれがどうであろうと、お前は私の子だ。それが分からないエマの方が悪いのだ?」
「?」
お父様は急に顔を険しくした。それに先ほどよく分からないことを言おうとしていたけど。まぁ、いいか。貴族の方の考えることは私には分からない。だって彼らは私よりもずっと頭が良いから。
それに分からないことよりもお父様が私のこと気にかけてくれることの方が嬉しい。
「私もお父様の家族になれて嬉しいです。公爵家の一員になれて心から幸せです」
「私もお前のような娘を持てて嬉しいよ」
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