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第2章 剣を振るう理由
33.令嬢のお遊び
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「今日は野外にて実地訓練を行う。一人、ご令嬢様が入っている為例年通りにはいかないが、まぁご令嬢は無理をせず、何かあれば近くの騎士にご相談ください」
嘲笑と蔑みの視線が私に向けられる。
今日は新人騎士が毎年行われる野外での訓練。当然だが魔物の討伐も入って来る。
魔物といっても新人騎士の訓練で使われる場所に出る為下位の魔物ばかり。それを一チーム五人で倒すものだ。チームに一人先輩騎士が付き添う為安全に考慮された訓練だ。
けれど私の安全は保障されないな。
まず、野外訓練の総責任者が私をよく思っていないのは仕方がないけれど参加者全員の注目を浴びている中で貶める発言をした。
足手まといがいるから訓練が行程通りにいかないかもしれない。野外訓練の成績は去年までと比べ物にならないぐらい悪いかもしれない。更に、私が参加しているのはご令嬢の気まぐれだと彼はみんなに通達した。
おかげで私は針の筵状態。
味方がいないのは分かっていたけどあの言葉で完全に敵だらけ。意図的にそんな環境を作る人が責任者って、不安しかない。
「うわっ、最悪。俺、あの女と同じチームじゃん」
「女の遊びに付き合ってる余裕ないんだけど、俺」
「‥…」
一番最初に私を睨んで文句を言った金髪クセ毛はイヴァン・アルセーヌ。伯爵家の次男。次がセルゲイ・ソフロニア。子爵家三男。茶髪に茶色の目。特に特徴のない素朴な青年だ。最後、無言を貫き、こちらに悪意を向けてきてはいないが何を考えているか分からに彼はセヴァール・フセスィラフ。侯爵家五男。
同じチームでなければ話しかけたいとも思わないほどの悪人面をしている。
「レイファン、一緒だね。よろしく」
せめてもの救いは私に好意的なアレックが同じチームということか。でも、彼が私の味方とは限らないので油断はできない。
「よろしくね、アレック」
「ミラノ公爵令嬢、先ほどの注意事項にもありましたがこの訓練はご令嬢には厳しい。本来ならお遊びで入れる場ではないのですよ、騎士団とは。ですから無理をせずできるだけ早めにギブアップしてくださいね。その方が他の団員たちの訓練の邪魔になりませんから」
にっこりと笑いながらも悪意を振りまき、私を見下すように見ているのは私たちのチームを監督することになる先輩騎士、アザリア・クェイル。
「騎士団が遊びで入れるような場所ならルシファーノ国はとっくの昔に敵に滅ぼされていたでしょうね」
アザリアの額に青筋が浮かび上がる。アザリアと私のやり取りを聞いていたイヴァンとセルゲイは鼻で笑った。
遊びで騎士団の訓練に参加しているわけじゃないと言った私の言葉を信じていないようだ。まぁ、信じて欲しいとは思わない。仮に信じたと言われてもそれが本当かどうかなんて分からない。
結局は信じる、信じないというのは相手の勝手な感情にすぎないからだ。
やだな。
どんどん心がやさぐれていく。
「ミラノ公爵令嬢、もし足手まといになるようなら置いて行く」
それは規則違反では?と思ったけど素直に従った方が良いようだ。
「分かりました」
嘲笑と蔑みの視線が私に向けられる。
今日は新人騎士が毎年行われる野外での訓練。当然だが魔物の討伐も入って来る。
魔物といっても新人騎士の訓練で使われる場所に出る為下位の魔物ばかり。それを一チーム五人で倒すものだ。チームに一人先輩騎士が付き添う為安全に考慮された訓練だ。
けれど私の安全は保障されないな。
まず、野外訓練の総責任者が私をよく思っていないのは仕方がないけれど参加者全員の注目を浴びている中で貶める発言をした。
足手まといがいるから訓練が行程通りにいかないかもしれない。野外訓練の成績は去年までと比べ物にならないぐらい悪いかもしれない。更に、私が参加しているのはご令嬢の気まぐれだと彼はみんなに通達した。
おかげで私は針の筵状態。
味方がいないのは分かっていたけどあの言葉で完全に敵だらけ。意図的にそんな環境を作る人が責任者って、不安しかない。
「うわっ、最悪。俺、あの女と同じチームじゃん」
「女の遊びに付き合ってる余裕ないんだけど、俺」
「‥…」
一番最初に私を睨んで文句を言った金髪クセ毛はイヴァン・アルセーヌ。伯爵家の次男。次がセルゲイ・ソフロニア。子爵家三男。茶髪に茶色の目。特に特徴のない素朴な青年だ。最後、無言を貫き、こちらに悪意を向けてきてはいないが何を考えているか分からに彼はセヴァール・フセスィラフ。侯爵家五男。
同じチームでなければ話しかけたいとも思わないほどの悪人面をしている。
「レイファン、一緒だね。よろしく」
せめてもの救いは私に好意的なアレックが同じチームということか。でも、彼が私の味方とは限らないので油断はできない。
「よろしくね、アレック」
「ミラノ公爵令嬢、先ほどの注意事項にもありましたがこの訓練はご令嬢には厳しい。本来ならお遊びで入れる場ではないのですよ、騎士団とは。ですから無理をせずできるだけ早めにギブアップしてくださいね。その方が他の団員たちの訓練の邪魔になりませんから」
にっこりと笑いながらも悪意を振りまき、私を見下すように見ているのは私たちのチームを監督することになる先輩騎士、アザリア・クェイル。
「騎士団が遊びで入れるような場所ならルシファーノ国はとっくの昔に敵に滅ぼされていたでしょうね」
アザリアの額に青筋が浮かび上がる。アザリアと私のやり取りを聞いていたイヴァンとセルゲイは鼻で笑った。
遊びで騎士団の訓練に参加しているわけじゃないと言った私の言葉を信じていないようだ。まぁ、信じて欲しいとは思わない。仮に信じたと言われてもそれが本当かどうかなんて分からない。
結局は信じる、信じないというのは相手の勝手な感情にすぎないからだ。
やだな。
どんどん心がやさぐれていく。
「ミラノ公爵令嬢、もし足手まといになるようなら置いて行く」
それは規則違反では?と思ったけど素直に従った方が良いようだ。
「分かりました」
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