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第Ⅲ章 愛の裏側で(イスファーン視点)
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「イリス、貴様との婚約を破棄する」
会場に響く渡る酷く不快な声。
ああ、馬鹿な害虫共が俺のイリスを傷つけ、辱めやがった。この報いは受けてもらわなくては。
俺はアリシアに篭絡され、愚かにもイリスに触れようとしたパブロフの犬を五匹を床に這いつくばらせた。本当はイリスに触れようとした手をその場で切り落としてしまいたかったけどイリスが見ているから今はダメだ。我慢しよう。
「イスファーン、何をしているの。幾らお姉様の為とは言え、暴力はいけないわ」
俺は害虫駆除をしただけなのにアリシアが窘めてくる。
この女は本当に物事を自分の都合でしか考えられない愚かな生き物だ。どうして人間の形をして生まれて来たのか不思議に思う。
オスファルト国にいるダチョウの脳みそよりも小さな脳みそを持っているんじゃないかと思う。
因みにダチョウの脳みそだが四〇グラム程度しかないと言われている。鳥ですらそれぐらいあるのに、彼女にはそれぐらいの脳みそすらないように思う。
そう思われても仕方がないぐらい愚かな言動ばかりするから。
「美しい薔薇を守る為には棘が必要なんですよ。あなたが我が身を守る為にイリスお嬢様に男をけしかけたように。自分の行いは正当化するのに俺がイリスお嬢様を守るのは暴力と断じるんですか?それはちょっと都合がよすぎだと思いますよ」
「イスファーン、あなたがお姉様を大切に思っているのはよく分かりました。妹としてお姉様をここまで思ってくれるあなたがお姉様の従者でとても嬉しく思います。しかし、大切だからこそ過ちを正し、諭さなければならないのです」
この女と会話を成立させるのは不可能だ。
仕方がない。脳みそがないから現状を見て考えることができないのだ。自分の行動と言葉が乖離していることに気づきもしない。
ある意味幸せだな。
どこまでも人を不快にさせる生き物たち。こんな奴らの所にイリスを長く留めてはおけない。
「さぁ、行きましょう」
俺はイリスの手を取って会場を出た。
外に待たせてある馬車に乗り込む。公爵家の馬車ではなく俺の部下が御者を務めている俺の馬車に。イリスはあんなことがあった後だからか注意力が散漫になっており馬車には気づかなかった。
馬鹿を相手にしたせいか、イリスはとても疲れているようでぼーっとしていた。俺が呼びかけても生返事ばかり。仕方がない。今日はいろいろあったからね。
でもこれが最後だよ。
この後は俺が作った君だけの檻の中に入ってもらうから。そこに君を傷つける者はいない。そんな奴は入れない。
大切に、大切に閉じ込めるんだ。
檻の中で一緒に幸せになろう、イリス。
俺は君を傷つけない。君の願いを何でも叶えてあげる。君を誰よりも愛している。
だからイリス、大人しく俺の作った檻に入って。
そこから逃げないでね。
逃げたらいくら君でも俺は何をするか分からない。君だけは失えないんだ。
最低なのは分かってる。俺がいない方が君はきっと幸せになれるだろう。分かっているんだ。でも、ごめんね。俺は君がなしでは生きられない。君が欲しんだ。
その代わりたくさん愛するから、誰よりも幸せにするから。
「お嬢様、ご気分が優れないようでしたら横になられてはどうですか?」
「少し、休むわ」
「はい」
横になるとイリスはすぐに眠りについた。暫くは起きないだろう。なぜなら遅効性の睡眠薬を夜会の前にイリスに飲ませておいたから。
「おやすみなさい、イリス。これであなたは俺のモノです。二人で幸せになりましょう」
イリスが完全に寝たのを確認して俺は御者に俺が作った檻に向かうように指示をした。
会場に響く渡る酷く不快な声。
ああ、馬鹿な害虫共が俺のイリスを傷つけ、辱めやがった。この報いは受けてもらわなくては。
俺はアリシアに篭絡され、愚かにもイリスに触れようとしたパブロフの犬を五匹を床に這いつくばらせた。本当はイリスに触れようとした手をその場で切り落としてしまいたかったけどイリスが見ているから今はダメだ。我慢しよう。
「イスファーン、何をしているの。幾らお姉様の為とは言え、暴力はいけないわ」
俺は害虫駆除をしただけなのにアリシアが窘めてくる。
この女は本当に物事を自分の都合でしか考えられない愚かな生き物だ。どうして人間の形をして生まれて来たのか不思議に思う。
オスファルト国にいるダチョウの脳みそよりも小さな脳みそを持っているんじゃないかと思う。
因みにダチョウの脳みそだが四〇グラム程度しかないと言われている。鳥ですらそれぐらいあるのに、彼女にはそれぐらいの脳みそすらないように思う。
そう思われても仕方がないぐらい愚かな言動ばかりするから。
「美しい薔薇を守る為には棘が必要なんですよ。あなたが我が身を守る為にイリスお嬢様に男をけしかけたように。自分の行いは正当化するのに俺がイリスお嬢様を守るのは暴力と断じるんですか?それはちょっと都合がよすぎだと思いますよ」
「イスファーン、あなたがお姉様を大切に思っているのはよく分かりました。妹としてお姉様をここまで思ってくれるあなたがお姉様の従者でとても嬉しく思います。しかし、大切だからこそ過ちを正し、諭さなければならないのです」
この女と会話を成立させるのは不可能だ。
仕方がない。脳みそがないから現状を見て考えることができないのだ。自分の行動と言葉が乖離していることに気づきもしない。
ある意味幸せだな。
どこまでも人を不快にさせる生き物たち。こんな奴らの所にイリスを長く留めてはおけない。
「さぁ、行きましょう」
俺はイリスの手を取って会場を出た。
外に待たせてある馬車に乗り込む。公爵家の馬車ではなく俺の部下が御者を務めている俺の馬車に。イリスはあんなことがあった後だからか注意力が散漫になっており馬車には気づかなかった。
馬鹿を相手にしたせいか、イリスはとても疲れているようでぼーっとしていた。俺が呼びかけても生返事ばかり。仕方がない。今日はいろいろあったからね。
でもこれが最後だよ。
この後は俺が作った君だけの檻の中に入ってもらうから。そこに君を傷つける者はいない。そんな奴は入れない。
大切に、大切に閉じ込めるんだ。
檻の中で一緒に幸せになろう、イリス。
俺は君を傷つけない。君の願いを何でも叶えてあげる。君を誰よりも愛している。
だからイリス、大人しく俺の作った檻に入って。
そこから逃げないでね。
逃げたらいくら君でも俺は何をするか分からない。君だけは失えないんだ。
最低なのは分かってる。俺がいない方が君はきっと幸せになれるだろう。分かっているんだ。でも、ごめんね。俺は君がなしでは生きられない。君が欲しんだ。
その代わりたくさん愛するから、誰よりも幸せにするから。
「お嬢様、ご気分が優れないようでしたら横になられてはどうですか?」
「少し、休むわ」
「はい」
横になるとイリスはすぐに眠りについた。暫くは起きないだろう。なぜなら遅効性の睡眠薬を夜会の前にイリスに飲ませておいたから。
「おやすみなさい、イリス。これであなたは俺のモノです。二人で幸せになりましょう」
イリスが完全に寝たのを確認して俺は御者に俺が作った檻に向かうように指示をした。
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