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第二章
act 4 恐怖
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浮気…?
一体何を言っているの?
瞳の狼狽が伝わる。
「ちゃんと隠しカメラもセットしてあったんだぜ。テープも此処に…?あれ?ない。何処だ?」
そんな物がある筈もなかった。
総ては、賢司の恐ろしい妄想だったから。
『嫉妬妄想』
覚醒剤の使用者は、何らかの妄想に取り付かれて己れを、真実を見失う。
『被害妄想』
『嫉妬妄想』
『疑心暗鬼』
等々それは個々の性格や育った環境で千差万別だろう。
嫉妬妄想は、愛する者に対する執着心から生まれて来る物だ。
歪んだ愛情表現だと思う。
びっくりするのは、疑われた瞳の方だろう。
何もないのだから…。
「瞳…、この俺よりお前の事を気持ちよくさせる奴なんて、いねぇんだよ」
「何を言っているの…?」
瞳には賢司の妄想が理解出来ない。
ただ感じるのは初めての、恐怖そのものだった。
瞳に映る賢司の姿は、自分の知る賢司ではなかった。
呑み込まれてゆく…。
今の賢司には、何が真実なのかを考える事すら出来はしなかった。
「け…んじ?あたし何も知らな「それ以上一言も言うな!」
殺気…?
瞳は賢司からはっきりとした殺気を感じ取った。
あたしは…。
殺されるの…?
じりじりと、間合いを詰めて、賢司が近寄って来る。
その時。
パシッ!
という音と共に、瞳の頬に熱が伝わった。
みるみる腫れ上がって行く瞳の頬に、賢司はにたり、不気味に笑って言った。
「瞳…、可愛い顔が台無しになっちまったなぁ」
恐い…。
その恐怖は、薬の作用も相まって、何倍にも膨れ上がった。
どうすれば…?
狼狽しきった瞳に、冷静な判断力等ありはしなかった。
逃げ出したい
このまま賢司の傍にいる事が、恐い。
「どうしたよ?瞳、お前は俺だけ見てればいいんだよ、なぁ?」
「どうして…殴るの?あたし賢司が判らない…」
「あぁ?お前が悪いんだろ?違うのかよ?男いんだろ?」
瞳の髪を鷲掴みにしてそう言った。
その視線は、虚ろで何処にも焦点が合っていない。
現実とかけ離れた世界を賢司は見ていた。
しかし、賢司にとっては自分の造り出す妄想こそが現実で真実なのだった。
「あたし…、そんな事…知らない…」
「そうか?おかしいなぁ~。俺は知ってるけどな?瞳よ?」
狂ってる…。
賢司は、あたしの愛した賢司じゃなくなったんだわ。
付きまとう恐怖。
そして。
絶望にも似た感情が、瞳の心の中に広がって行った。
ふっ、と賢司が微笑んだ。
そして瞳を愛しげに抱き締めた。
「ごめんな…」
消え入りそうな、微かな声で賢司は言った。
「え…?」
賢司の変化にただ戸惑うしかなかった。
「賢司…?」
「俺から離れないでくれるか…?」
応えに少しだけ、詰まった。
けれど、瞳は判っていたのだ。
哀しいけれど、賢司とは離れる事等出来ないと。
身体に焼き付いてしまった覚醒剤の快感は、賢司が与えてくれる物だと云う事を。
「あたしが…賢司から離れる筈…ないじゃない」
嘘じゃなかった。
それは、紛れもなく瞳の本心だった。
「瞳…、腕を出せよ」
「え…?」
また…?
瞳は自分の身体に限界を感じていた。
それでも、賢司の言葉に誘い込まれる様に腕を差し出した。
左腕の静脈に、針が刺さる。
途端に全身を巡る熱。
「あ…つい…」
身体を駆け巡る熱。
それが消えると急速に冷たくなる四肢。
髪の毛の一本一本にまで、それは走って行く様な感覚だった。
「さ…む…」
「そうか、今のは効いただろ?」
賢司は、慌ただしく自分に打ってから、瞳の花芯に指を入れる。
「ひっ…、あっ…、あっ…」
冷たく固くなった花芯からは、止めどなく密が溢れ出している。
「瞳のにはな、たっぷりアンナカを入れてやったからな。とびきり感じるぜ」
賢司の言葉は嘘ではなかった。
何度も何度も登り詰める瞳。
千切れる程に、首を振り乱し、声を枯らして逝きまくるその姿は、妖艶でもありまた、哀しくもあった。
「愛してる…。こんなに夢中になった女は瞳が初めてだ…」
「あ、たしを…?愛してる…の?」
「そう言ってるだろ?可愛い俺の瞳」
愛してる?
嬉しい言葉だった。
でも、それなら何故?
あたしに覚醒剤を打ち続けるの?
「薬使うと瞳は最高にいい女になるからな」
「いい女…?」
「あぁ、俺をこんなに感じさせるじゃねぇか」
賢司は、瞳に乳首を舐めさせて、狂う程に感じていた。
「くぁ~、気持ちいいっ。瞳最高だぜ~」
瞳はただ夢中になって、賢司の乳首を舐め続けた。
一体何を言っているの?
瞳の狼狽が伝わる。
「ちゃんと隠しカメラもセットしてあったんだぜ。テープも此処に…?あれ?ない。何処だ?」
そんな物がある筈もなかった。
総ては、賢司の恐ろしい妄想だったから。
『嫉妬妄想』
覚醒剤の使用者は、何らかの妄想に取り付かれて己れを、真実を見失う。
『被害妄想』
『嫉妬妄想』
『疑心暗鬼』
等々それは個々の性格や育った環境で千差万別だろう。
嫉妬妄想は、愛する者に対する執着心から生まれて来る物だ。
歪んだ愛情表現だと思う。
びっくりするのは、疑われた瞳の方だろう。
何もないのだから…。
「瞳…、この俺よりお前の事を気持ちよくさせる奴なんて、いねぇんだよ」
「何を言っているの…?」
瞳には賢司の妄想が理解出来ない。
ただ感じるのは初めての、恐怖そのものだった。
瞳に映る賢司の姿は、自分の知る賢司ではなかった。
呑み込まれてゆく…。
今の賢司には、何が真実なのかを考える事すら出来はしなかった。
「け…んじ?あたし何も知らな「それ以上一言も言うな!」
殺気…?
瞳は賢司からはっきりとした殺気を感じ取った。
あたしは…。
殺されるの…?
じりじりと、間合いを詰めて、賢司が近寄って来る。
その時。
パシッ!
という音と共に、瞳の頬に熱が伝わった。
みるみる腫れ上がって行く瞳の頬に、賢司はにたり、不気味に笑って言った。
「瞳…、可愛い顔が台無しになっちまったなぁ」
恐い…。
その恐怖は、薬の作用も相まって、何倍にも膨れ上がった。
どうすれば…?
狼狽しきった瞳に、冷静な判断力等ありはしなかった。
逃げ出したい
このまま賢司の傍にいる事が、恐い。
「どうしたよ?瞳、お前は俺だけ見てればいいんだよ、なぁ?」
「どうして…殴るの?あたし賢司が判らない…」
「あぁ?お前が悪いんだろ?違うのかよ?男いんだろ?」
瞳の髪を鷲掴みにしてそう言った。
その視線は、虚ろで何処にも焦点が合っていない。
現実とかけ離れた世界を賢司は見ていた。
しかし、賢司にとっては自分の造り出す妄想こそが現実で真実なのだった。
「あたし…、そんな事…知らない…」
「そうか?おかしいなぁ~。俺は知ってるけどな?瞳よ?」
狂ってる…。
賢司は、あたしの愛した賢司じゃなくなったんだわ。
付きまとう恐怖。
そして。
絶望にも似た感情が、瞳の心の中に広がって行った。
ふっ、と賢司が微笑んだ。
そして瞳を愛しげに抱き締めた。
「ごめんな…」
消え入りそうな、微かな声で賢司は言った。
「え…?」
賢司の変化にただ戸惑うしかなかった。
「賢司…?」
「俺から離れないでくれるか…?」
応えに少しだけ、詰まった。
けれど、瞳は判っていたのだ。
哀しいけれど、賢司とは離れる事等出来ないと。
身体に焼き付いてしまった覚醒剤の快感は、賢司が与えてくれる物だと云う事を。
「あたしが…賢司から離れる筈…ないじゃない」
嘘じゃなかった。
それは、紛れもなく瞳の本心だった。
「瞳…、腕を出せよ」
「え…?」
また…?
瞳は自分の身体に限界を感じていた。
それでも、賢司の言葉に誘い込まれる様に腕を差し出した。
左腕の静脈に、針が刺さる。
途端に全身を巡る熱。
「あ…つい…」
身体を駆け巡る熱。
それが消えると急速に冷たくなる四肢。
髪の毛の一本一本にまで、それは走って行く様な感覚だった。
「さ…む…」
「そうか、今のは効いただろ?」
賢司は、慌ただしく自分に打ってから、瞳の花芯に指を入れる。
「ひっ…、あっ…、あっ…」
冷たく固くなった花芯からは、止めどなく密が溢れ出している。
「瞳のにはな、たっぷりアンナカを入れてやったからな。とびきり感じるぜ」
賢司の言葉は嘘ではなかった。
何度も何度も登り詰める瞳。
千切れる程に、首を振り乱し、声を枯らして逝きまくるその姿は、妖艶でもありまた、哀しくもあった。
「愛してる…。こんなに夢中になった女は瞳が初めてだ…」
「あ、たしを…?愛してる…の?」
「そう言ってるだろ?可愛い俺の瞳」
愛してる?
嬉しい言葉だった。
でも、それなら何故?
あたしに覚醒剤を打ち続けるの?
「薬使うと瞳は最高にいい女になるからな」
「いい女…?」
「あぁ、俺をこんなに感じさせるじゃねぇか」
賢司は、瞳に乳首を舐めさせて、狂う程に感じていた。
「くぁ~、気持ちいいっ。瞳最高だぜ~」
瞳はただ夢中になって、賢司の乳首を舐め続けた。
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