仄暗い部屋から

神崎真紅

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第二章

act 3 アンナカ

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  それもまたふたりの運命なのか。

 「あっ、あっ、あっ、あぁ~」

 首が千切れる程に振り乱し、瞳は絶頂に達した。
 何度も何度も…。

 「どうだ?気持ち良いだろ?さっきの薬な、ちょっと違う物が入ってるんだ」
 「な…に…?」
 「アンナカってヤツさ。豚の繁殖に使う薬な」

 豚…?
そんなものをあたしに使ったの?

 「感じ方が並じゃねぇだろ?」

 うん…そうだね。
でもあたしは豚じゃ、ない。

そんな瞳の疑問など、考える隙すら与える事ない賢司の責め。
 瞳はただ絶頂に導かれるだけだった。

 「あっ、はっ、いくっ、いくっ~」
 「どうだ?狂いそうだろ?気持ちよすぎてよ?」

 実際、瞳の意識は朦朧としていた。
なのに、全身は研ぎ澄まされた性感帯と化していた。
トロトロと、瞳の花芯から止めどなく溢れ出す愛液。
 賢司はそれを啜り、花芯を舐めまくった。

 瞳の花芯は、真っ赤に腫れ上がり、それでも賢司からの責めを懇願するかの様に、ヒクヒクと痙攣していた。

 「いい眺めだぜ、瞳?最高に厭らしいまんこだな」
 「あっ、はっ、もっともっといかせて…」

 壊れかけたマリオネットの如く、瞳はただ快楽だけを求め続けた。

 「ああ、もっといかせてやるからな。…愛してるぜ、瞳」

 遠い意識の中にいながらも、瞳は賢司の言葉に頷いていた。

 「あ…たし…も…」
 「愛してる、だろ?判ってるよ」

やっぱりアンナカを瞳に使ったのは、正解だな。
 賢司は愉しげに頷いては瞳の花芯を舐めまくった。

 「あっ、あぁ~」

もう数十回は絶頂に達しただろう、瞳の花芯はそれでも白濁した液体を止めどなく溢れさせていた。
 賢司が何処からアンナカを仕入れて来たのか?
 賢司は若い頃、とある暴力団に身を置いていた時期があった。
その時、しのぎの一つに覚醒剤や麻薬の売人をやっていたことがある。

 今回の薬の全ては、当時の売人の元締めから仕入れた物だった。
 一般には出回らないであろう、アンナカやバイアグラを持っていたのも、そういったつてが賢司にはあるからだった。

 賢司は思案していた…。
もう一度瞳にアンナカを使おうか?
 思案などと云える類いの物ではなかった。

 賢司は二本の注射器に、覚醒剤を詰めて水で溶かし、片方の注射器にアンナカを混入させた。
ベッドサイドに注射器を置いた。

 「瞳…、腕を出せ」

もはや瞳に賢司の言葉から、逃れる術は、ない。
 言われるままに、腕を差し出す瞳は、何処か哀しい女に映った。
 逆らえない…。
 辞められない…。

 瞳の脳裏には、何が見えていたのだろうか?
 瞳の腕に針が刺さる。
 賢司はそれを一度引いて、それからゆっくりと瞳の静脈に押し戻した。

 「あっ…つ…」

 瞳の口から、一言。

 「熱いか?一番熱いのはまんこだろう?」

 賢司は急ぎ自分の静脈に針を刺した。

 「あぁ…、来たな」

そのまま瞳に覆い被さった。
もうこれで何日が過ぎているのだろうか?
 突然賢司が訳の判らない事を言い出した。

 「瞳…、俺は全部知ってるんだぜ」

ぎらぎらと、目を光らせて賢司が吐き捨てる様に言葉を放った。
 無論、瞳には何の事か見当もつかないままに、ただ賢司の豹変ぶりが恐かった。

 「な…に…?」
 「お前が他の男と浮気してるのを、この俺が気付かないとでも思ったか?」
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