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4話 ひねくれもの
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壇上である生徒が発表をしている。
「――というわけで一人一人がNonに対して差別意識をなくすことが大事だと思います。」
教室に湧く拍手。満足げな発表者。発表者は当然SC。息を呑んでしまうほどのイケメンだ。今の発表はいったい何だったのか。えもいえぬ違和感を抱く。次の発表者が登壇する。開口一番、その生徒は驚くべきことを口にした。
「僕はNonへの差別をなくすにはどうすればよいかを考えた結果、SGを強制する法律を作るべきだと考えました。NonがいなくなればNonに対する差別はなくなるのではないでしょうか。」
その後も過激な発言を繰り返し、発表後には非難轟轟だった。
「Nonの人がかわいそうじゃないのか!」「マイノリティを軽視するな!」
そんな中、彼は言った。
「別に俺はNonが嫌いなんじゃない。むやみやたらと声がでかいNonと、それになんの疑問も持たずに味方して正しいです感を出す奴が嫌いなだけだ。」
その後講師が次の発表に移させたのでそこで終わったが、周りから彼に向けられる目線は冷たいものだった。
授業後、彼に興味がわいた僕は話しかけるため彼の席まで行った。すると彼は怪訝な顔で
「何か用か?」
といった。
「いや、発表が面白かったからしゃべってみたくなったんだ。」
と言うと、彼は警戒を解いたようにふっと笑い
「ほんとか?変わり者だな~」
と言った。
「自己紹介がまだだったね。僕は河内正人。」
「俺は和泉敬太。よろしくな。」
二限目は幸い空きコマだったので沙羅を含めた三人でカフェでしゃべることになった。
「へー、二人はバイト先がおんなじなんだ」
「そう!村山マートっていうコンビニで働いてるんだ~」
「正人、こんな美人と一緒に働けるなんて幸運だな!」
ニヤニヤしながらこちらを見る敬太。こっちをみるな。
「ほんとだよ。正人は自分の幸運にもっと感謝すべきだね」
沙羅がうんうん、と頷きながら言う。
「へいへい、俺は幸運だなー」
しまった、この二人混ぜるとめんどくさいぞ。
「それで正人はなんで俺に話しかけてきたんだ?」
「さっきも言ったろ。発表が面白かったからだよ。あんな授業であんな馬鹿なことを
いうなんて面白すぎるだろ」
「馬鹿とはなんだ失礼だな。あの授業だって必修じゃなかったらとってねーよ。発表だって強制だったからしただけで」
「いやー、発表が強制だからってあんなこと言うなんてな。尖ってんな~」
「あの空気ヤバかったね~。私だったら耐えらんないな~」
「ふん、花道は鍛錬が足りないな」
なんの鍛錬だよ。そう心の中で突っ込んでいると
「あっ、やばっ、サークルの集まりあるんだった。んじゃ、私行くね!」
沙羅が慌てて出ていく。
「僕らもそろそろ行くか」
「そうだな」
沙羅が去ったあと、僕らも喫茶店を出ることにした。
「じゃ、次の授業俺はあっちの棟だから」
「じゃあな、また今度」
そういって敬太と別れ、次の教室へと向かった。
「――というわけで一人一人がNonに対して差別意識をなくすことが大事だと思います。」
教室に湧く拍手。満足げな発表者。発表者は当然SC。息を呑んでしまうほどのイケメンだ。今の発表はいったい何だったのか。えもいえぬ違和感を抱く。次の発表者が登壇する。開口一番、その生徒は驚くべきことを口にした。
「僕はNonへの差別をなくすにはどうすればよいかを考えた結果、SGを強制する法律を作るべきだと考えました。NonがいなくなればNonに対する差別はなくなるのではないでしょうか。」
その後も過激な発言を繰り返し、発表後には非難轟轟だった。
「Nonの人がかわいそうじゃないのか!」「マイノリティを軽視するな!」
そんな中、彼は言った。
「別に俺はNonが嫌いなんじゃない。むやみやたらと声がでかいNonと、それになんの疑問も持たずに味方して正しいです感を出す奴が嫌いなだけだ。」
その後講師が次の発表に移させたのでそこで終わったが、周りから彼に向けられる目線は冷たいものだった。
授業後、彼に興味がわいた僕は話しかけるため彼の席まで行った。すると彼は怪訝な顔で
「何か用か?」
といった。
「いや、発表が面白かったからしゃべってみたくなったんだ。」
と言うと、彼は警戒を解いたようにふっと笑い
「ほんとか?変わり者だな~」
と言った。
「自己紹介がまだだったね。僕は河内正人。」
「俺は和泉敬太。よろしくな。」
二限目は幸い空きコマだったので沙羅を含めた三人でカフェでしゃべることになった。
「へー、二人はバイト先がおんなじなんだ」
「そう!村山マートっていうコンビニで働いてるんだ~」
「正人、こんな美人と一緒に働けるなんて幸運だな!」
ニヤニヤしながらこちらを見る敬太。こっちをみるな。
「ほんとだよ。正人は自分の幸運にもっと感謝すべきだね」
沙羅がうんうん、と頷きながら言う。
「へいへい、俺は幸運だなー」
しまった、この二人混ぜるとめんどくさいぞ。
「それで正人はなんで俺に話しかけてきたんだ?」
「さっきも言ったろ。発表が面白かったからだよ。あんな授業であんな馬鹿なことを
いうなんて面白すぎるだろ」
「馬鹿とはなんだ失礼だな。あの授業だって必修じゃなかったらとってねーよ。発表だって強制だったからしただけで」
「いやー、発表が強制だからってあんなこと言うなんてな。尖ってんな~」
「あの空気ヤバかったね~。私だったら耐えらんないな~」
「ふん、花道は鍛錬が足りないな」
なんの鍛錬だよ。そう心の中で突っ込んでいると
「あっ、やばっ、サークルの集まりあるんだった。んじゃ、私行くね!」
沙羅が慌てて出ていく。
「僕らもそろそろ行くか」
「そうだな」
沙羅が去ったあと、僕らも喫茶店を出ることにした。
「じゃ、次の授業俺はあっちの棟だから」
「じゃあな、また今度」
そういって敬太と別れ、次の教室へと向かった。
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