人妻♂の僕が部下にNTRれるはずないだろう!

可成

文字の大きさ
13 / 35
5 寝取ったはずの上司がダンナにNTRれ返されてた件

1

しおりを挟む
「え……鹿沼主任、今日も休みなんですか?」
「あれ? 鹿沼君から聞いてないの? 体調不良らしくてさ、一応明日まで休むって連絡貰っていてね。ボクとしては早く出張の報告書上げて欲しいんだけど……まぁ彼、有給全然消化できてなかったから丁度良いんじゃない?」

出張から帰って主任と別れて2日。主任からは何の音沙汰も無い。それどころか会社にさえ出勤してなかった。
心配になって営業部の同期の奴に御子柴が出勤してるか聞いてみたら、あっちも3日間の有給を取得してて休みらしい。
これってやばすぎねえ? 絶対修羅場ってるだろ!不安的中してんじゃん!
居ても立っても居られず、ついに住友課長に事情を聞いてしまった俺は、課長に詰め寄って鹿沼主任の自宅の住所を聞き出そうと躍起になる。

「頼みます課長っ!!!鹿沼主任の住所教えて下さいッ!!!」
「何言ってんの!? 守秘義務って知ってるよね? 言えるわけないでしょそんなの…」
「一大事なんですって!守秘義務とか言ってる場合じゃないんすよっ!!!」
「な、なんだい一大事って…。そんなのボクは責任持てないよ。住所なら、同期の八代君にでも聞いてみたらどう?」
「げっ…課長!そんなの俺に振らないで下さいよ……」

事なかれ主義の課長が紹介してくれた、同じ開発部で主任の同期の八代先輩に今度は詰め寄る。鬼気迫る俺の様子に周囲の奴らはこぞって皆ドン引きしているがそんなのに構ってられない。俺は八代先輩の胸ぐらに掴みかからんばかりの勢いでデスクに食らいついた。

「八代先輩っ!鹿沼主任の住所知ってますか!?」
「あ~、確か去年、ね、年賀状……貰ったと、思うけど……」
「年賀状……」

人付き合いは悪いのに、そういうのは律儀に書くんだなぁ主任……なんてほっこりしてる場合じゃねえっ!

「それ見せて下さいッ!お願いしますっ!」
「いや、家帰んないとねえよ……普通持ち歩かないだろ? ちょっと落ち着けって新開……」
「じゃあ今夜先輩んち寄らせて下さい!マジで急いでるんです!お願いしますっ!」
「べ、別に良いけどさぁ……」

お前、昨日からだいぶ変だよ? 大丈夫? なんて困惑気味に心配してくれる八代先輩に大丈夫ですって雑に返して自席に戻る。
理由なんて言えるわけねえだろ!俺が既婚者の主任寝取っちゃって主任がダンナと修羅場って監禁・もしくはもっとヤバい状況に陥ってるかもしれないなんてさあ!
ああ…一刻も早く助けに行きたい……! けど八代先輩に真実言うわけにいかねえから仕事終わるまで待つしか無い……
どうにもならないジレンマが襲う。正直仕事なんて全く手につかない。けど何か他のことに集中してないと主任の悲惨な結末ばっか想像しちまって恐ろしかった。

やっぱり主任を一人で帰らせるべきじゃなかったんだ……
どんなに拒否られても一緒についていって謝るべきだった。
俺が不甲斐ないばっかりに主任は……良くて監禁・悪くて暴行……最悪む、無理心中……とか?
いやいやいやいや!!!考えすぎだよ俺っ!そこまでは流石の御子柴でもしねえだろ!
けどあんなエグいピアス乳首に付けさせるサイコパスだし……主任に何するかなんて、常人の俺じゃわかんねえ……

その時デスクに放りだしてあった俺のスマホが震えた。この光り方はLINE通知だ。
もしかしたら主任かもしれない。緊急連絡用にID交換したものの一回もやりとりしたことないのを思い出す。
慌ててLINEを開いたら、知らないアイコンで……差出人は───み、御子柴!?

『突然失礼。営業部の御子柴です。妻の事で話があるので、予定が合えば今夜俺の自宅へ来て欲しい』

業務連絡っぽい簡素なメッセージがぽこん、と出て、その後すぐ自宅らしきところに印が入ったマップの画像が添付されてきた。
直ぐに開いたせいで一瞬で両方とも既読がついてしまう。仕事中だぞ、どんだけ焦ってると思われんだよ俺!
てか敵の方から手こまねいて来てんじゃん……何が目的だ? 復讐か!?

「八代先輩」
「っうわあ!? な、何だよ今度は!急に背後立つのやめろって怖えから!」
「すんません。さっきの年賀状の件なんすけど……解決したんでもういいっす」
「何だよ解決って……訳分かんねえな……」

困惑しつつも「まあ、何か分かんないけど頑張れ…」って肩叩いてくれる人の良い八代先輩に感謝しつつむっすりと頷く。
主任……どうか無事でいてください。主任のことは俺が絶対守りますから。どうかどうか、痛い目にあったりしてませんように……
あーーー!早く終業時間こい!時間が経つのマジで遅えって!!!

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

上司と俺のSM関係

雫@不定期更新
BL
タイトルの通りです。

処理中です...