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第8話 最悪な上司
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振り払うように手を引っ込めた稲穂に少し驚いたあと
「…すみません。つい習慣で…」
申し訳なさそうに手を引っ込めた志月を見て慌てて駆け寄ってきたのは部長。
「か、彼ね、外国生活が長かったから。悪気はないし、セクハラしようなんていう気はさらさらないんだよ。わかってあげてくれよ」
必死で志月を庇う部長に稲穂は頭を下げた。
「あ、だ、大丈夫ですよ、部長。全然そんなセクハラだとか思ってないです。私のほうこそ握手に慣れてなくて、どのタイミングで放せばいいかが…。感じが悪くなってしまってしまったみたいですみません」
途端に部長は豹変。
「な、なんだ。そういうことか…」
ホッと胸を撫でおろし
「だったら紛らわしい反応するなよ。まわりのみんながびっくりするだろうが」
穂波の耳元でボソッとつぶやいた。
でも、これはいまにはじまったことじゃない。
部長が昭和的な発言をしたときに穂波が突っ込まなかったことに遡る。
「彼氏と同棲しているなら、きちんと栄養のあるご飯を作ってあげなきゃダメだろう?」
「そりゃあ彼氏が遅刻したのは野波さんのせいだろうな。野波さんが彼氏より先に起きて起こしてあげないから」
亜美のことを気に入っている部長が、亜美と穂波の会話を盗み聞き。
そんなふうに突っ込んでくることも多かった。
「それ、昭和的な発言ですよ~」
「部長、それモラハラ発言ですよね?!」
なんて突っ込む亜美に対して穂波が反省したような態度を見せてから。
周囲には聞かれないよう小さな声でボソっと文句を言ってくるようになった。
最初は聞こえるか聞こえない程度で、内容もいまほど酷いモノではなかったと思う。
それがだんだんとエスカレート。
関わるたびに嫌な気持ちにさせられて辛くなるのに言い返せない自分にも腹が立つ。
穂波にとって部長は苦手なだけでなく最悪な上司でしかない。
でも、それすら誰にも言えずにいる。
「…すみません。つい習慣で…」
申し訳なさそうに手を引っ込めた志月を見て慌てて駆け寄ってきたのは部長。
「か、彼ね、外国生活が長かったから。悪気はないし、セクハラしようなんていう気はさらさらないんだよ。わかってあげてくれよ」
必死で志月を庇う部長に稲穂は頭を下げた。
「あ、だ、大丈夫ですよ、部長。全然そんなセクハラだとか思ってないです。私のほうこそ握手に慣れてなくて、どのタイミングで放せばいいかが…。感じが悪くなってしまってしまったみたいですみません」
途端に部長は豹変。
「な、なんだ。そういうことか…」
ホッと胸を撫でおろし
「だったら紛らわしい反応するなよ。まわりのみんながびっくりするだろうが」
穂波の耳元でボソッとつぶやいた。
でも、これはいまにはじまったことじゃない。
部長が昭和的な発言をしたときに穂波が突っ込まなかったことに遡る。
「彼氏と同棲しているなら、きちんと栄養のあるご飯を作ってあげなきゃダメだろう?」
「そりゃあ彼氏が遅刻したのは野波さんのせいだろうな。野波さんが彼氏より先に起きて起こしてあげないから」
亜美のことを気に入っている部長が、亜美と穂波の会話を盗み聞き。
そんなふうに突っ込んでくることも多かった。
「それ、昭和的な発言ですよ~」
「部長、それモラハラ発言ですよね?!」
なんて突っ込む亜美に対して穂波が反省したような態度を見せてから。
周囲には聞かれないよう小さな声でボソっと文句を言ってくるようになった。
最初は聞こえるか聞こえない程度で、内容もいまほど酷いモノではなかったと思う。
それがだんだんとエスカレート。
関わるたびに嫌な気持ちにさせられて辛くなるのに言い返せない自分にも腹が立つ。
穂波にとって部長は苦手なだけでなく最悪な上司でしかない。
でも、それすら誰にも言えずにいる。
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