76 / 101
第76話 それは嘘からはじまった
しおりを挟む
「じゃあ、鼻を垂らしてた小学生男子は陽向じゃなく、風磨だったってこと?」
流伽と話していた理沙は、思わず大きな声を出してしまい慌てて口を押える。
堤防沿いから少し下った住宅街のカフェ。
窓際からほんの少しだけ入る西日に照らされ、アイドルのオーラがダダ漏れの流伽は
「そう。風磨」
そう答えると、
「なんでそんな昔のことを?」
不思議そうに聞く。
「…え?逆に、風磨から何か聞いてない?碧衣のこととか」
「ん?碧衣ちゃんのことは聞いたことあるな。恩返しがどうとか…。もしかして、その碧衣ちゃんって…?」
その瞬間、アイスコーヒーを優雅にかき混ぜていた流伽の手が止まった。
そして、ハッとしたような顔で理沙を見つめる。
「じゃあ、もしかして…。2人は再会してたってこと?」
眉間にシワを寄せた流伽に対抗するように、
「うん。高校に入る前、中学の卒業前に、この堤防で再会してる。まさか、知らなかったの?あんなにいつも仲良しなのに」
理沙も眉をしかめて返答した。
「…もしかしたら俺には、碧衣ちゃんと再会したことを言えなかったのかもしれない…」
右手で口元を押さえる流伽。
「どういうこと?」
「…俺が2人を引き離してしまったようなもんだから…」
「…え?ますます、どういうこと?って感じなんだけど。実は私も碧衣から聞いてることとそうでないこともあるし、昔5人で遊んだ記憶もおぼろげだから、順を追って説明してくれない?」
理沙はテーブル越しに身を乗り出してお願いした。
「俺たち、何回か遊んでいるうちに仲良くなっただろ?」
「うん」
「最後に遊んだ日、風磨と碧衣ちゃんが3時間ぐらい行方不明になったあの日、2人は来週も遊ぼうって約束してたんだ。でも俺が嘘をついたせいで、会えなくなった…」
「え?何?碧衣のことが気になってて嫉妬したとか?」
「違う。もっと別の理由」
流伽と話していた理沙は、思わず大きな声を出してしまい慌てて口を押える。
堤防沿いから少し下った住宅街のカフェ。
窓際からほんの少しだけ入る西日に照らされ、アイドルのオーラがダダ漏れの流伽は
「そう。風磨」
そう答えると、
「なんでそんな昔のことを?」
不思議そうに聞く。
「…え?逆に、風磨から何か聞いてない?碧衣のこととか」
「ん?碧衣ちゃんのことは聞いたことあるな。恩返しがどうとか…。もしかして、その碧衣ちゃんって…?」
その瞬間、アイスコーヒーを優雅にかき混ぜていた流伽の手が止まった。
そして、ハッとしたような顔で理沙を見つめる。
「じゃあ、もしかして…。2人は再会してたってこと?」
眉間にシワを寄せた流伽に対抗するように、
「うん。高校に入る前、中学の卒業前に、この堤防で再会してる。まさか、知らなかったの?あんなにいつも仲良しなのに」
理沙も眉をしかめて返答した。
「…もしかしたら俺には、碧衣ちゃんと再会したことを言えなかったのかもしれない…」
右手で口元を押さえる流伽。
「どういうこと?」
「…俺が2人を引き離してしまったようなもんだから…」
「…え?ますます、どういうこと?って感じなんだけど。実は私も碧衣から聞いてることとそうでないこともあるし、昔5人で遊んだ記憶もおぼろげだから、順を追って説明してくれない?」
理沙はテーブル越しに身を乗り出してお願いした。
「俺たち、何回か遊んでいるうちに仲良くなっただろ?」
「うん」
「最後に遊んだ日、風磨と碧衣ちゃんが3時間ぐらい行方不明になったあの日、2人は来週も遊ぼうって約束してたんだ。でも俺が嘘をついたせいで、会えなくなった…」
「え?何?碧衣のことが気になってて嫉妬したとか?」
「違う。もっと別の理由」
12
あなたにおすすめの小説
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる