【奨励賞・受賞】彼氏がイケメンなのは絶対ヒミツ

竹柏凪紗

文字の大きさ
82 / 177

第81話 警告

しおりを挟む
「すごい、どうしよう…。なんか、いろんな人が関わってくる…」

思わずそう漏らした末明に
「激しく同意」
柚吏も同意。

「しかもキャラ濃いヤツばっか!十時爪子とじつめこもいきなり末明の髪の毛を切断してくるとか、ヤバすぎるだろ。去っていくのが早すぎて文句も言えなかったけど。ごめん」

「全然。そんなこと気にしないで。任務中の忍者にとって、髪の毛ぐらいなんでもない」
「…髪は女の命なんじゃねぇの?」

かなり気にしている様子の柚吏に申し訳ない気持ちになる。
あれはただ単純に試されただけ。
そして、私の動きが遅かったから髪を切ってきた。

警告…。
ちゃんと訓練しておかないとやられちゃうって、そう注意しにきた感じだった。

「でもまぁ、なんだか自我の柚吏を封じ込める気もなさそうだったし…」
それに、私と柚吏にはくっついてほしいって言ってたし。
「…悪い人ではなさそうだよね?まぁ、言ってたことが嘘か本当かは謎だけど」

「でもまぁ嘘をつくならもうちょっと、印象がいい感じで登場するんじゃないか?」
「…確かに」

「それにしても次から次にいろんなヤツらが関わってくるから、頭がこんがらがってくるな。誰が味方で敵なのかも謎だし」

「そうだよね。影薄先生なんていままで、どんな雰囲気だったのか、どんな服装や髪型をしていたのか、男だったのか女だったのかさえ記憶から抜け落ちてしまうほど存在感なかったもんね」
「だな」

「それがいきなり“葉擦れの術”を応用したマスクをくれたり、自分も忍者だって暴露してくれたり。なんか変な感じ。いきなりこんなことになって正直、戸惑うよね」

「だよな。俺も戸惑ってる。自我を封じ込められることなんてずっと昔からのお約束だったし…、抵抗なんかしても無駄なんだろうなって気持ちもどこかにあったし。でも…」

チラっと末明を見た柚吏はそのまま言葉を詰まらせたあと、
「俺も…、皇帝に勧められたパルクールと護身術、やらなきゃだよなぁ…」
空を仰いでつぶやいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1〜

おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
 お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。  とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。  最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。    先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?    推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕! ※じれじれ? ※ヒーローは第2話から登場。 ※5万字前後で完結予定。 ※1日1話更新。 ※noichigoさんに転載。 ※ブザービートからはじまる恋

独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。

猫菜こん
児童書・童話
 小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。  中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!  そう意気込んでいたのに……。 「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」  私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。  巻き込まれ体質の不憫な中学生  ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主  咲城和凜(さきしろかりん)  ×  圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良  和凜以外に容赦がない  天狼絆那(てんろうきずな)  些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。  彼曰く、私に一目惚れしたらしく……? 「おい、俺の和凜に何しやがる。」 「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」 「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」  王道で溺愛、甘すぎる恋物語。  最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

猫のモモタ

緒方宗谷
児童書・童話
モモタの出会う動物たちのお話。 毎月15日の更新です。 長編『モモタとママと虹の架け橋』が一番下にあります。完結済みです。

ノースキャンプの見張り台

こいちろう
児童書・童話
 時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。 進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。  赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。

少年騎士

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。

【完結】またたく星空の下

mazecco
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 君とのきずな児童書賞 受賞作】 ※こちらはweb版(改稿前)です※ ※書籍版は『初恋×星空シンバル』と改題し、web版を大幅に改稿したものです※ ◇◇◇冴えない中学一年生の女の子の、部活×恋愛の青春物語◇◇◇ 主人公、海茅は、フルート志望で吹奏楽部に入部したのに、オーディションに落ちてパーカッションになってしまった。しかもコンクールでは地味なシンバルを担当することに。 クラスには馴染めないし、中学生活が全然楽しくない。 そんな中、海茅は一人の女性と一人の男の子と出会う。 シンバルと、絵が好きな男の子に恋に落ちる、小さなキュンとキュッが詰まった物語。

「いっすん坊」てなんなんだ

こいちろう
児童書・童話
 ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。  自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・           

処理中です...