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第65話 25%から切り崩す
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イケメンという言葉を聞くなり食いついてくるとか、本当に単純で扱いやすい。
アオイは心の中でプププと嗤いながらレナに説明をはじめた。
「運行管理者はナンバープレートが緑の事業用自動車を管理できる。対して安全運転管理者は白ナンバーの自家用自動車を管理できるんだけど、緑ナンバーの車両を持つ事業所は運行管理者を置かなければいけないって決まりがあるんだ」
「ふぅん?」
「あ…、レナちゃん、また興味なくなってきたね?」
「バレちゃった?」
大きな口を開け、定食の天ぷらを頬張りながらレナ。
「まぁいいや」
軽い溜め息をついてアオイが進める。
「運行管理者は安全運転管理者を兼任できるから、相模はそのパターン」
「へぇ。ナンバープレートはどっちか、じゃダメなの?白か緑のどっちかに統一しちゃえばいいのに。…というか、建設や運送業の車両って全部が緑ナンバーのイメージなんだけど」
「事業用車両の緑ナンバーにすると、白ナンバーより自動車税がかなり安くなるからね。たとえば3分の1以下になる排気量の車両もある」
「だったらなおさら全部、緑ナンバーのほうがよくない?」
「代わりに車の保険が高くなったり車検のタイミングが早くなったりするからね。自社の荷物を運ぶ車両なんかは緑ナンバー取得の必要がないから、ニシジマ重機建設も白ナンバーのままにしているんだと思う」
「ふぅん。なんか、あんまりイケメンとその話題で盛り上がりそうにないなぁ」
「まぁまぁ。とりあえず覚えておいて。それからレナちゃん、俺たちがまずやること。それは25%から切り崩すことだから。そのためにもまずは相模を陥れる。これも覚えておいて」
「25%から切り崩すって、どういうこと…?」
アオイは心の中でプププと嗤いながらレナに説明をはじめた。
「運行管理者はナンバープレートが緑の事業用自動車を管理できる。対して安全運転管理者は白ナンバーの自家用自動車を管理できるんだけど、緑ナンバーの車両を持つ事業所は運行管理者を置かなければいけないって決まりがあるんだ」
「ふぅん?」
「あ…、レナちゃん、また興味なくなってきたね?」
「バレちゃった?」
大きな口を開け、定食の天ぷらを頬張りながらレナ。
「まぁいいや」
軽い溜め息をついてアオイが進める。
「運行管理者は安全運転管理者を兼任できるから、相模はそのパターン」
「へぇ。ナンバープレートはどっちか、じゃダメなの?白か緑のどっちかに統一しちゃえばいいのに。…というか、建設や運送業の車両って全部が緑ナンバーのイメージなんだけど」
「事業用車両の緑ナンバーにすると、白ナンバーより自動車税がかなり安くなるからね。たとえば3分の1以下になる排気量の車両もある」
「だったらなおさら全部、緑ナンバーのほうがよくない?」
「代わりに車の保険が高くなったり車検のタイミングが早くなったりするからね。自社の荷物を運ぶ車両なんかは緑ナンバー取得の必要がないから、ニシジマ重機建設も白ナンバーのままにしているんだと思う」
「ふぅん。なんか、あんまりイケメンとその話題で盛り上がりそうにないなぁ」
「まぁまぁ。とりあえず覚えておいて。それからレナちゃん、俺たちがまずやること。それは25%から切り崩すことだから。そのためにもまずは相模を陥れる。これも覚えておいて」
「25%から切り崩すって、どういうこと…?」
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