やさしさの溢れる世界で

竹柏凪紗

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第2話 夢を売る仕事

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里奈に声をかけてきた中年男性は全身が脂ぎっていて小太り体型、何日も風呂に入っていないのではないかと疑いたくなるほどべっとりとした髪が頭皮にはりついている。

ニヤニヤしながら里奈を頭から足先までを見つめるその視線は品定めをしているかのよう。

「違います」

そう言ってその場から立ち去ってやりたくなるほど気持ちの悪い男だが
「はい」
いつものように上目遣いで小さく返事を返す。

これで何回目だろ?

もう…、慣れた。
おとなしくて何も知らない清楚なフリをしてやり過ごす。

汚れを知らない無垢が好物なおっさんが多いし、そういった女の子が乱れる姿を想像すると興奮してどうしようもなくなるんだと。
自分の手で汚してやるのも一興らしい。

だから私はそんなクソ男たちに妄想という名の夢を売る。

「制服、着てきてくれたんだね?よく似合ってる」

涎が垂れてくるんじゃないかと思うほど緩んだ口元から滑り出てくるのはきもい言葉だけ。

「まさか自分が通っている高校の制服じゃないでしょ?どこで買ったの?ネット?おじさんにもそのサイト教えてよ。取り寄せて匂い嗅ぎたい…」

きもいきもいきもいきもい。
死ね死ね死ね死ね。

このクソ下衆野郎が。

未成年を金で貪るカス人間。
ゴミクズ…。

お金のためにそんな男たちを相手にする私はどうしようもないクソビッチ。

「あ…、ごめん。目の前にこんな可愛い女子高生がいるのに変な話をしちゃってごめんね。俺、においフェチでさ。ついね。さぁ、行こう。まずは食事からかな?」
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