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第16話 お前がいないと無理
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「たとえ行方不明者届を出せたとしても、事件性ナシと判断されれば積極的な捜査はしてもらえない。それは白藤拓人をあぶり出したい俺たちにとっては無意味なんだよね」
相師はそう言ってさらに続ける。
「その点、飛鷹も言ってたとおり香村さんはパーフェクトなんだ。まず2人の関係性は恋人になって1年。そして白藤拓人が行方不明になったのはちょうど香村さんと食事の約束をしていたタイミング。直前までメッセージのやり取りもしていた」
確かに。
振り返ってみれば、そのとおり。
「でも、それがどうしてパーフェクト?」
「1年という交際期間は恋人としては十分だし、約束をしていた相手が待ち合わせ場所に現れずそのまま姿を消すなんて事件性アリでしょ。それに、そのやり取りはメッセージに残っている」
そう相師に言われ、
「そうだけど…。たぶん私、最初から拓人に騙されていたんだと思うんです。きのう連絡が取れなくなったあと拓人の家だって聞いていたマンションへ行ってみたら知らない夫婦が出てきてびっくりしたし…」
昨日のことを思い出して凹む沙那。
「…あ、それは警察には言わないほうがいいかもね」
「え?ウソをつくってことですか?」
「聞かれなければこっちから言う必要はないし、ウソをついたことにもならないよ」
「でも、そのあたりは聞くんじゃないか?」
意見する飛鷹に対して
「まぁ、そこは賭けだね。香村さんが50万円のことを考えすぎて刑事さんたちの話を聞き逃してうまく返事できなかったとかいうパターンもあるかもしれないし」
うまく誤魔化すようそれとなく促してくる相師。
やさしく微笑みながら言った相師を軽く睨みながら
「行方不明者届を出すのはお前…あんたがいないと無理なんだから、嫌なら断ったほうがいい」
飛鷹は少し厳しい表情で沙那に言った。
…あれ…?
飛鷹さん…。
もしかして意外と私のことや気持ちもきちんと考えてくれてる…?
相師はそう言ってさらに続ける。
「その点、飛鷹も言ってたとおり香村さんはパーフェクトなんだ。まず2人の関係性は恋人になって1年。そして白藤拓人が行方不明になったのはちょうど香村さんと食事の約束をしていたタイミング。直前までメッセージのやり取りもしていた」
確かに。
振り返ってみれば、そのとおり。
「でも、それがどうしてパーフェクト?」
「1年という交際期間は恋人としては十分だし、約束をしていた相手が待ち合わせ場所に現れずそのまま姿を消すなんて事件性アリでしょ。それに、そのやり取りはメッセージに残っている」
そう相師に言われ、
「そうだけど…。たぶん私、最初から拓人に騙されていたんだと思うんです。きのう連絡が取れなくなったあと拓人の家だって聞いていたマンションへ行ってみたら知らない夫婦が出てきてびっくりしたし…」
昨日のことを思い出して凹む沙那。
「…あ、それは警察には言わないほうがいいかもね」
「え?ウソをつくってことですか?」
「聞かれなければこっちから言う必要はないし、ウソをついたことにもならないよ」
「でも、そのあたりは聞くんじゃないか?」
意見する飛鷹に対して
「まぁ、そこは賭けだね。香村さんが50万円のことを考えすぎて刑事さんたちの話を聞き逃してうまく返事できなかったとかいうパターンもあるかもしれないし」
うまく誤魔化すようそれとなく促してくる相師。
やさしく微笑みながら言った相師を軽く睨みながら
「行方不明者届を出すのはお前…あんたがいないと無理なんだから、嫌なら断ったほうがいい」
飛鷹は少し厳しい表情で沙那に言った。
…あれ…?
飛鷹さん…。
もしかして意外と私のことや気持ちもきちんと考えてくれてる…?
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