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第29話 仮眠室へ行こう?
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思いっきり唇を押しあてられて舌を捩じ込まれ、大好きだったはずの由衣に対する嫌悪感がじわりとカラダの奥に広がっていく。
勘違いさせて怒らせた私はもちろん悪いと思う。
でも、好きだと言ってくれる由衣に答えられない私に無理やりキスするとか
「カラダだけでも私のモノにしていい?」
って聞いてくるとか、それって違うよね?
自分の思い通りにならないから襲うとか
「カラダの相性がよければ、私も恋愛対象に入るかもしれないし。ね?」
って聞いてくるとか…。
そんな色気のある表情で見つめられても困惑するだけ。
こんなことされて好きになんかなるわけない!
無理。
本当に無理だ…。
「ごめん由衣…。本当に無理…!」
泣きそうになりながら必死で言ったのに捩じ込まれた由衣の舌がねっとりと絡みついて言葉を破壊していく。
言葉にならない。
ふわっと視界が涙でぼやけて、由衣との楽しかった思い出がひとつずつ流れて消えていくような気がした。
唇が離れたときにスゥーっと糸を引いた唾液を由衣が指先で絡めとりながら
「気持ちいい…?」
意地悪く嗤う顔が怖い。
「大丈夫…。いま怖くて震えているのも忘れるくらい気持ちよくしてあげる」
そう言うと由衣は
「仮眠室、行こう?」
沙那を抱き起すようにして言うと
「どうせいまは誰も使っていないんだし、有効活用してあげないとね?」
いつもみたいに無邪気に笑った。
すごく美人なのに、笑うと一気に子どもっぽくなって可愛くなる。
だけどいつもとは違う心臓がえぐりとられてしまうような支配欲に満ちた笑顔。
トクン…トクン…心臓が変な音を立てる。
助けて…。
誰か!
心の中、沙那は必死で叫んでいた。
勘違いさせて怒らせた私はもちろん悪いと思う。
でも、好きだと言ってくれる由衣に答えられない私に無理やりキスするとか
「カラダだけでも私のモノにしていい?」
って聞いてくるとか、それって違うよね?
自分の思い通りにならないから襲うとか
「カラダの相性がよければ、私も恋愛対象に入るかもしれないし。ね?」
って聞いてくるとか…。
そんな色気のある表情で見つめられても困惑するだけ。
こんなことされて好きになんかなるわけない!
無理。
本当に無理だ…。
「ごめん由衣…。本当に無理…!」
泣きそうになりながら必死で言ったのに捩じ込まれた由衣の舌がねっとりと絡みついて言葉を破壊していく。
言葉にならない。
ふわっと視界が涙でぼやけて、由衣との楽しかった思い出がひとつずつ流れて消えていくような気がした。
唇が離れたときにスゥーっと糸を引いた唾液を由衣が指先で絡めとりながら
「気持ちいい…?」
意地悪く嗤う顔が怖い。
「大丈夫…。いま怖くて震えているのも忘れるくらい気持ちよくしてあげる」
そう言うと由衣は
「仮眠室、行こう?」
沙那を抱き起すようにして言うと
「どうせいまは誰も使っていないんだし、有効活用してあげないとね?」
いつもみたいに無邪気に笑った。
すごく美人なのに、笑うと一気に子どもっぽくなって可愛くなる。
だけどいつもとは違う心臓がえぐりとられてしまうような支配欲に満ちた笑顔。
トクン…トクン…心臓が変な音を立てる。
助けて…。
誰か!
心の中、沙那は必死で叫んでいた。
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