もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第128話 不審な車両

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飛鷹から薄い目を向けられてビクっとなった相師は苦笑い。

「…飛鷹って鋭いよね。まぁ、悠馬や行方不明ホストに関係あるかどうかはまだわからないけど、シイタケファームで何度か不審な車両を見かけていてね。それが成金の車なんじゃないかと、ふと思ったんだよ」

「相師は素直だな。嘘がつけないというか。誤魔化せばいいものを」

あらためて苦笑いした相師は小さく舌を出しながら
「無理、無理。飛鷹にウソなんかつけるわけないでしょ。わかってるクセに」
少しスネ気味に相師が言う。

「…そういうヤツだから、嫌なのに手伝ってしまう…」

重くて深い溜め息をつきながら飛鷹が聞いた。

「…で、シイタケファームで見かけた車を不審だと思った理由はなんだ?それに、それが成金の車だと思った理由も気になるな」

「まず、シイタケファームには俺がシイタケせんべいの打ち合わせに行くたびに1千万超えのSUV車が駐車しているのを見かけていたこと。取引先になるかもしれない企業だから、年商なんかも調査済。なのに1千万超えの新車が常にとまっているのは違和感しかない」

「なるほど。相師はSUV好きだから、どうせ車両のまわりをぐるぐる回りながらひとりではしゃいでたんだろう?」

当時の状況を目に浮かべて呆れた飛鷹に
「正解!さすがは幼馴染みで親友なだけあって、俺のことをわかってるね」
嬉しそうに相師。

「そしたらまぁ、車内がことごとく趣味悪く改造されまくっていたわけよ」

相師はそう言うと昨日の話を持ち出して2人に尋ねた。

「実は昨日、飛鷹と沙那ちゃんがパーティー会場での出来事を話してくれただろ?そのとき、VIPルーム。本当の金持ちや著名人だけが招待される秘密の部屋だっけ。そこにブレブレの写真が飾ってあったって話してくれたじゃん?」
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