143 / 185
第143話 モテまくりなのに恋愛初心者
しおりを挟む
「はぁ…。そんなモテるのに恋愛初心者とか、飛鷹はいままで付き合ってきた彼女たちとどんな付き合いしてきたわけ?普通にデートとかもしてただろ?」
沙那との気まずい空気に耐え切れず、仕事中なのに相師を呼び出してしまったのは飛鷹。
そんな飛鷹を呆れたように見つめながら会社近くのネットカフェで相師は溜め息をついた。
「わからないし、記憶にない」
ボソリと答える飛鷹に溜め息が止まらない。
「わからないって何?しかも記憶にないとか…」
「いままでは誘われれば行くという感じだったから」
真顔で答える飛鷹にイライラする相師。
「お前、そんなのでよくいままでやってこれたな。…っていうか、今回だって俺が遊園地へ行くよう取り持っただけだからたいして変わらないじゃん…」
「そうなんだが、楽しみだなと声をかけたのに不機嫌だし、触ろうとしたら怒られた」
グラスに注いだ炭酸の泡が消えていくのを見つめながら凹む飛鷹の横顔が暗い。
「飛鷹お前、沙那ちゃんにはどうしてそんな必死なの?」
聞いた途端、飛鷹の顔はわかりやすく真っ赤になった。
「へぇ…。そんな好きなの。なんで?」
「わからない」
「ふぅん?」
「いつの間にか好きになっていて…。嫌われたくはない」
真剣な飛鷹の言葉に思わず笑いが込み上げてきそうになって慌てて我慢。
こんなシーンで笑うのは失礼だとは思いつつも、いままでに見せたことのない表情で飛鷹が恋愛相談なんてするものだから可笑しくて仕方ない。
そして20何年間いちども見せたことのない表情をした飛鷹に少しだけ嫉妬してしまう。
「沙那ちゃんはきっと美羽にヤキモチを妬いてるだけだと思うから、そんな気にしなくていいんじゃない?まぁ、フォローは必要だろうけど」
「なぜ美羽に?美羽が原因ならお門違い…」
反論しようとした飛鷹の口を手で押さえ、相師は少し怖い顔をした。
沙那との気まずい空気に耐え切れず、仕事中なのに相師を呼び出してしまったのは飛鷹。
そんな飛鷹を呆れたように見つめながら会社近くのネットカフェで相師は溜め息をついた。
「わからないし、記憶にない」
ボソリと答える飛鷹に溜め息が止まらない。
「わからないって何?しかも記憶にないとか…」
「いままでは誘われれば行くという感じだったから」
真顔で答える飛鷹にイライラする相師。
「お前、そんなのでよくいままでやってこれたな。…っていうか、今回だって俺が遊園地へ行くよう取り持っただけだからたいして変わらないじゃん…」
「そうなんだが、楽しみだなと声をかけたのに不機嫌だし、触ろうとしたら怒られた」
グラスに注いだ炭酸の泡が消えていくのを見つめながら凹む飛鷹の横顔が暗い。
「飛鷹お前、沙那ちゃんにはどうしてそんな必死なの?」
聞いた途端、飛鷹の顔はわかりやすく真っ赤になった。
「へぇ…。そんな好きなの。なんで?」
「わからない」
「ふぅん?」
「いつの間にか好きになっていて…。嫌われたくはない」
真剣な飛鷹の言葉に思わず笑いが込み上げてきそうになって慌てて我慢。
こんなシーンで笑うのは失礼だとは思いつつも、いままでに見せたことのない表情で飛鷹が恋愛相談なんてするものだから可笑しくて仕方ない。
そして20何年間いちども見せたことのない表情をした飛鷹に少しだけ嫉妬してしまう。
「沙那ちゃんはきっと美羽にヤキモチを妬いてるだけだと思うから、そんな気にしなくていいんじゃない?まぁ、フォローは必要だろうけど」
「なぜ美羽に?美羽が原因ならお門違い…」
反論しようとした飛鷹の口を手で押さえ、相師は少し怖い顔をした。
15
あなたにおすすめの小説
国王一家は堅実です
satomi
恋愛
オスメーモ王国…そこは国王一家は麗しくいつも輝かんばかりのドレスなどを身につけている。
その実態は、国王一家は国民と共に畑を耕したり、国民(子供)に読み書きを教えたり庶民的な生活をしている。
国王には現在愛する妻と双子の男女の子に恵まれ、幸せに生活している。
外部に行くときは着飾るが、領地に戻れば庶民的で非常に無駄遣いをしない王族である。
国庫は大事に。何故か、厨房担当のワーグが王家の子どもたちからの支持を得ている。
忘れられたら苦労しない
菅井群青
恋愛
結婚を考えていた彼氏に突然振られ、二年間引きずる女と同じく過去の恋に囚われている男が出会う。
似ている、私たち……
でもそれは全然違った……私なんかより彼の方が心を囚われたままだ。
別れた恋人を忘れられない女と、運命によって引き裂かれ突然亡くなった彼女の思い出の中で生きる男の物語
「……まだいいよ──会えたら……」
「え?」
あなたには忘れらない人が、いますか?──
らっきー♪
市尾彩佳
恋愛
公爵家の下働きをしているアネットと、その公爵の息子であるケヴィン。同じ邸で育ちながら、出会ったのはケヴィン16歳の年。しかもふかふかなベッドの中。
意思の疎通の食い違いから“知り合い”になった二人。互いに結ばれることがないとわかっているからこそ、頑なに距離を保ち続けていたはずが──。「これがわたしの旦那さま」の過去編です。本編をお読みでなくても大丈夫な書き方を目指しました。「小説家になろう」さんでも公開しています。
傷付いた騎士なんて要らないと妹は言った~残念ながら、変わってしまった関係は元には戻りません~
キョウキョウ
恋愛
ディアヌ・モリエールの妹であるエレーヌ・モリエールは、とてもワガママな性格だった。
両親もエレーヌの意見や行動を第一に優先して、姉であるディアヌのことは雑に扱った。
ある日、エレーヌの婚約者だったジョセフ・ラングロワという騎士が仕事中に大怪我を負った。
全身を包帯で巻き、1人では歩けないほどの重症だという。
エレーヌは婚約者であるジョセフのことを少しも心配せず、要らなくなったと姉のディアヌに看病を押し付けた。
ついでに、婚約関係まで押し付けようと両親に頼み込む。
こうして、出会うことになったディアヌとジョセフの物語。
エリザは恋について考えていた
通木遼平
恋愛
「シューディルくんのこと好きじゃないなら、彼に付きまとうのはやめてほしいの」――名前も知らない可愛らしい女子生徒にそう告げられ、エリザは困惑した。シューディルはエリザの幼馴染で、そういう意味ではちゃんと彼のことが好きだ。しかしそうではないと言われてしまう。目の前の可愛らしい人が先日シューディルに告白したのは知っていたが、その「好き」の違いは何なのだろう? エリザはずっと考えていた。
※他のサイトにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる