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第520話 拉致
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「…ちょ…ちょっと!雨宮さんに大垣さん、起きてください!お、起きて…!」
さっきまでみんなで飲み物を飲んでいたはずの控室。
シズクはズキズキとする重くて冴えない頭を手の甲で押さえながら、どうにか意識をハッキリさせようと試みる。
ひしひしと嫌な予感がわいてきて、フロアにトイレ、厨房までフラフラと見に行って確信した。
いっしょにいたはずの絢世がいない。
「起きてくださいっっ!」
泣きそうになりながら、必死で千隼の頬を2・3発叩いていた。
シズクを睨みつけてむくりと起き上がった千隼をシズクが怒鳴りつける。
「いつまで寝てるんです?!あ、あ…やせさんが…いない…」
最初は怒鳴っていたはずのシズクが涙を浮かべて千隼にしがみつく。
その様子を見て一瞬で目が覚めた千隼は周囲を見回してゴクリと息を呑んだ。
「あ…やせ…?」
うまく言葉が出ない。
すぐに大垣の背中をシズクが激しく揺すって起こす。
「…俺のときとは随分と起こし方が違うが、どっちがデフォルトだ?」
不機嫌に聞いた千隼の言葉も届いていない様子で
「大垣さん、絢世さんが!絢世さんがいないんです!ま、また、ら、拉致されたかも…」
派手に騒ぐ。
「シズク、落ち着け」
パニック寸前のシズクを撫でてやりながら千隼は静かな声で大垣に聞いた。
「大垣さん…、不躾ですが、飲み物に何か入れませんでしたか?」
そんな千隼を怒鳴りつけたのはシズク。
「そんなわけないでしょう?!大垣さんは、俺と絢世さんのこと、本当に大事にしてくれてる。クリスマスだってお正月だっていっしょにご飯を食べる仲だとも言ったよね?それに大垣さんが飲み物にクスリを混入したなら、こんな堂々とこの場にいるわけがない!」
怒鳴ったシズクは千隼を睨んで近くにあったテーブルを思いっきり殴打。
悔しそうに唇を噛みながらもう一度テーブルを拳で殴りつけた。
さっきまでみんなで飲み物を飲んでいたはずの控室。
シズクはズキズキとする重くて冴えない頭を手の甲で押さえながら、どうにか意識をハッキリさせようと試みる。
ひしひしと嫌な予感がわいてきて、フロアにトイレ、厨房までフラフラと見に行って確信した。
いっしょにいたはずの絢世がいない。
「起きてくださいっっ!」
泣きそうになりながら、必死で千隼の頬を2・3発叩いていた。
シズクを睨みつけてむくりと起き上がった千隼をシズクが怒鳴りつける。
「いつまで寝てるんです?!あ、あ…やせさんが…いない…」
最初は怒鳴っていたはずのシズクが涙を浮かべて千隼にしがみつく。
その様子を見て一瞬で目が覚めた千隼は周囲を見回してゴクリと息を呑んだ。
「あ…やせ…?」
うまく言葉が出ない。
すぐに大垣の背中をシズクが激しく揺すって起こす。
「…俺のときとは随分と起こし方が違うが、どっちがデフォルトだ?」
不機嫌に聞いた千隼の言葉も届いていない様子で
「大垣さん、絢世さんが!絢世さんがいないんです!ま、また、ら、拉致されたかも…」
派手に騒ぐ。
「シズク、落ち着け」
パニック寸前のシズクを撫でてやりながら千隼は静かな声で大垣に聞いた。
「大垣さん…、不躾ですが、飲み物に何か入れませんでしたか?」
そんな千隼を怒鳴りつけたのはシズク。
「そんなわけないでしょう?!大垣さんは、俺と絢世さんのこと、本当に大事にしてくれてる。クリスマスだってお正月だっていっしょにご飯を食べる仲だとも言ったよね?それに大垣さんが飲み物にクスリを混入したなら、こんな堂々とこの場にいるわけがない!」
怒鳴ったシズクは千隼を睨んで近くにあったテーブルを思いっきり殴打。
悔しそうに唇を噛みながらもう一度テーブルを拳で殴りつけた。
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