もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第545話 キッカケは新人社員の行方不明

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「あぁ。ウチのドリーム不動産に天然系の新人社員がいただろう?相葉柊羽あいばしゅう。その相葉が家出をほのめかす書き置きを残して行方不明になったわけだが、その原因が黛店長。俺を敵視していた黛店長が相葉を保護するために家出をしたように仕向けた」

友己の説明に黛が乗っかる。

「そうそう。佐原社長ってばしつこくて。俺が保護している相葉を見つけちゃったんだよ。それが雨宮さんと絢世に駅前で会ったときのことだね。あのときはじめて佐原社長とじっくり話したんだよね」

少し前のことを思い出しながら黛。

「そのときはじめて佐原社長も俺と同じように、耳裏にホクロのような印を持つAB型Rh-や稀血といった特別な血液型の人間を保護していることがわかってね」

説明しながら病室内の来客用ソファに腰をおろした黛はさらに続けた。

「しかも弟のことがあってからそういった血液型の人たちを保護するようになった俺とは違って、佐原社長たちの活動は代々に渡っていることを知って驚いたよ」

「ええっ…?」
びっくりした拍子にシズクが目を剥いて声を上げる。

「佐原社長の先祖さんは血液銀行の経営にも絡んでいたらしく、不正に献血をする人間が増えはじめたこと、一部の金持ちたちの間で血液にランク付けをする輩が現れたことを懸念して特別な血液型の人たちを保護するようになったんだ」

黛が説明したあとを友己が追う。

「そこで現れたのが、金持ちたちから金を吸い上げようと目論んだロクでもない連中。そいつらは自分たちの息がかかった産婦人科に通達を出し、AB型Rh-や稀血といった特別な血液型を持つ新生児の耳裏にホクロのようなタトゥーを目立たないよう彫ったんだ…」

「…お金もコストかかりそうな話だな…。そこまでして金持ちたちは何がしたかったのだろう?」

眉をひそめて千隼が聞いた。
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