ハーレムキング

チドリ正明@不労所得発売中!!

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4章 論理と感情を合わせる方法 編

ハーレムキングはヒロインたちの進捗を知る

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 あれから数週間が経過したが、オレとサラは変わらず旅を続けていた。

 とある村ではモンスター退治を手伝い、港町では商人の荷車を護衛し、街角ではサラが回復魔法を披露して日銭を稼いだ。

「……ねえ、王様。最近わりと堅実じゃないですか?」

 馬車の揺れる荷台の中、サラがそんなことを言ってきた。

 オレは背もたれに寄りかかりながら、顎に手を添えてふむと唸る。

「ふははははっ! 王というのは、たまには腰を落ち着けて金を稼ぐのだ! ハーレム王国の建国には財源も必要だからな!」

「日銭しか稼げてませんから何百年経っても建国なんて無理ですからね?」

 サラのツッコミを受けながらも、馬車の中は穏やかだった。平和な日常。だが、ただの停滞ではない。確かに積み重ねの中にいた。



 そんなある日。
 宿で朝のパンを齧りながら、オレはふと新聞の一面に目を留めた。

「ふむ……」

 その見出しを見た瞬間、思わず声が漏れた。

『エルネス公爵家、統治権を剥奪。元当主は投獄され司法判決を待つことに』

 サラも覗き込んでくる。

「……えっ、それって……」

「間違いなく、ルシアの義兄殿のことだな」

 オレはパンを置き、記事を読み進める。

 どうやら義兄は、王国中央から派遣された査察団により「公文書改ざん」「税金横領」「私兵による住民への圧力」など、数々の不正が暴かれたらしい。

 これによりエルネス領の公爵家は「解体」と表現されたが、正確には「統治権剥奪と一族からの爵位剝奪処分」。すなわち、貴族としての地位を失い、土地も管理権も没収されたというわけだ。

「……王様の直感、すごいですね。本当に何もしなくても勝手に滅びました」

「言っただろう? オレの直感は外れない! 義兄殿は、いずれ自分で自分の首を絞めると決まっていたのだ」

 ふん、と鼻で笑いながら、オレはそのまま次のページへと目を移した。

 すると、別の記事の小見出しが目に入る。

『セイクリール神殿 大司祭の命により内部粛清が進行。神殿警備隊の第三部隊所属 アレッタ隊長が不正摘発に尽力!』

『同じく、若き見習い神官、最速で“中級神官”へ昇格。名は非公開も美しき容姿が目を惹き、あっという間にセイクリールの人気者に!』

「……ほう?」

 サラが少し目を見張る。

「アレッタすごいですね」

「うむ。そしてこの見習い神官は……ふふ、間違いなく、ルシアだろうな。二人ともさすがはオレのヒロインだ! 王は誇らしい! 次また会う時は全力で抱きしめてやろう!」

 名前こそ出ていないが、昇格スピードと背景情報から見て、彼女以外に考えられない。

「……ハグ……」

「してほしいのか? 遠慮するな、いつでも言え。王は全てを見抜いているぞ! 昨晩は違うベッドで寝ていたはずなのに、朝起きたら君はオレの隣で寝ていてオレの腕を抱きしめながらヨダレを垂らし——」

「ちょちょちょちょ! そんなわけないじゃないですか!?」

「ふむ、あれが寝ぼけていたのだとしたら、サラ、君の頭の中は情欲のピンク色である! ふはははははっ!」
 
「……もう、恥ずかしい……っ……」

 サラはぺたんと座り込んで赤面していた。
 少しやりすぎたか。可愛すぎるあまりちょっかいをかけてしまった。失敬失敬。

「そ、それよりも! さすがですね、ルシアさん……」

 サラがおかしな空気を払うように咳払いをした。

「ただ守られるだけの少女では終わらぬというわけだ。未来に進む力を持つ者だからこそ、オレは手を貸した。それだけの話さ」

 窓の外には、朝日が射し込んでいる。眩しいほどにまっすぐな光。

 それはまるで——誰かが歩むべき道を照らしているようだった。

 ちなみに、この後、めちゃくちゃサラにハグした。
 良い匂いで最高だ! 王は君が大好きだ!
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