追放されてから数年間ダンジョンに篭り続けた結果、俺は死んだことになっていたので、あいつを後悔させてやることにした

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調査隊

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「——入国金の支払いと犯罪歴がないことが確認できましたので、今後は身分を証明することさえできればアノールドに入国することができます。ギルドカードをお返しします。ご協力ありがとうございました」

 俺は定型文をつらつらと並べていく門番の男からギルドカードを受け取った。
 これまでいまいち入国に関するシステムなど気にしたことがなかったが、犯罪歴さえなければ基本的に入国は認められるらしい。

「いえ、こちらこそありがとうございました」

 俺は適当に返事をしてギルドカードを懐にしまいこんだ。
 それにしてもさっきから少し外が騒がしい気がする。

「ええ。ところでこれから冒険に行かれたりしますか?」

 俺が横目で外を眺めていると、門番の男が資料を整理しながら唐突に質問をしてきた。

「まあ。気分によりますが」

 今日はまだまだ太陽の位置が高いので冒険する余裕はあるが、正直、その時の気分による。

「そうですか。もう知っているかわかりませんが、今日は冒険するのは難しそうですよ?」

 面倒くさそうに返事をした俺を気にすることもなく、門番の男は意味のわからないことを言い出した。

 冒険をするかしないかなんて個人の都合によるだろ。
 それとも何か別の理由でもあるのか?

「というと?」

「今朝方の一件はご存知ですよね?」

 今朝方の一件とはおそらく俺が数十キロにわたってモンスターを皆殺しにした件だろう。
 もうそこまで広がっていたとは、情報というのは恐ろしいな。

「……」

 口を開いてボロが出てしまっては困るので、俺は表情を変えずに無言で頷くことにした。
 
「それもあってかアノールドの中でも随一の冒険者を組み入れた調査隊が派遣されるらしく、アノールドからイグワイアの手前までの一帯で冒険ができないようです。あなたはEランク冒険者ですし、近場で冒険をすることが多いでしょう?」

 確かにE、Dランク冒険者はあまり実力がないので遠出はせずに近場で冒険することが多い。
 まあ、俺が普通のEランク冒険者だったらの話だが。

「そうですね……あぁ……外が騒がしいのもそれですか」

「ええ。ギルドの方面が少しばかり騒がしいでしょう?」

 門番は窓の外に見える巨大な冒険者ギルドに指を差した。
 確かに少しばかり騒がしい気がする。どこかみんな浮き足立っているようだ。
 どの程度の冒険者が派遣されるかはわからないが、この様子から察するに有名な冒険者なのだろう。

「本当ですね……。少し気になりますね」
 
 人集りの前では俺も何もできないので手を出すことはしないが、もしも派遣される調査隊の中に【月光】がいるのなら、久々にマクロスの顔くらいは拝めそうだな。

「はい。建物の中にいても喧騒が伝わるくらいですから、かなりの大物でしょうね」

 今俺がいるのは門番の休憩所兼入国の受付をするための建物の中だ。そしてここからギルドまでは通りをまっすぐ歩いて三十分ほど。
 調査隊として派遣される冒険者たちが出発してしまう前に急いで向かった方がいいな。

「……色々とありがとうございました。では」

 俺は門番に軽く礼を言った後、すぐに扉を開いて外へ出た。
 というかよくよく考えると俺が原因でこんな大層な調査隊まで派遣される事態になったんだもんな。
 名乗り出たら罰せられそうだし、全く知らないふりでもしておくか……。

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