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終わりの始まり
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「お疲れさまー! ゲイルって本当に強いんだね! 速すぎて全然目で追えなかったよ!」
悪魔ボルケイノスを倒し終えた俺のともに、観客の命を救ってくれたユルメルがやってきた。
俺からすればあんな魔法を使えることの方が凄いとは思うが、今はそんなことを言えるような気分ではなかった。
「……ああ」
俺は最後の最後まで殺しを乞うてきたドウグラスのことや、そこから突如として現れた悪魔のことなど、理解しきれていない事がたくさんあるせいで、上手く頭の中を整理できていなかった。
「どうしたの? 悪魔を倒したんでしょ? もっと喜んでもバチは当たらないよ? それとも……何かあった?」
ユルメルは俺の顔を心配そうに覗き込んだ。
途中から来たユルメルにはわからないのも無理はない。
「……詳しい話は後でする。先に観客の容態を確認しよう。気を失っているだけだとは思うが、一応な」
俺は首を横に振ってから円形の観客席をグルリと見渡した。
全ての観客は未だに起きる気配がなく、気持ち良さそうに目を閉じている。
「うん、わかった! 僕はこっちから確認してくから、ゲイルは反対側をお願い!」
ユルメルは安心感のある笑顔を俺に見せると、ふわふわと浮き上がって観客席へ向かっていった。
それを見届けた俺はユルメルとは反対側の観客席へ跳躍した。
◇
「やっぱり気を失っているだけか……」
俺は観客一人一人の呼吸が安定していることを確認していたが、特に異常は見当たらなかった。
これだけ見ても異常が見当たらないのなら、おそらく大丈夫だろう。
容態の確認は次の一人で最後にしよう。
俺は隣でぐったりと首を垂らす怪しげな黒づくめの男性の前に立った。
「——アウタートさん、その変装は怪しすぎますよ……」
不自然なほど大きなメガネに蛍光色のハット、それには全く釣り合わないカッチリとしたタキシード。紳士と言えば紳士だが、あまりにも変態的すぎる。
その正体は国王の側近であるアウタートさんだった。
「結局、アウタートさんには何も見せてあげられなかったな……」
本来は俺の怪しさを払拭するために、アウタートさんに観戦してくれないかと頼んだのだが、不幸が重なり何も見せてあげられなかった。
「……はぁ」
思わずため息が溢れてしまう。
これでは領地を貰う話もお預けだな。
色々と作戦は考えていたんだがな……何もできなかったな。
「観客はそのうち目を覚ますだろうし、先に帰るか……変に疑われても嫌だしな」
観客は悪魔の姿を見ていないため、目が覚めた時に何が何だかわからないだろう。
ドウグラスが死に、俺が生き残り、怪しさしかないこの現場を証明できるほど俺の言葉に力はないのだ。
俺は激しい戦闘の跡を残すリングへ飛び降りた。
「ユルメル! そっちは大丈夫そうかー?」
「うん! 今戻るよ!」
そして俺が歪な形をしたリングの中央からふわふわと浮遊しているユルメルに声をかけると、ユルメルは楽しげな様子で鼻歌を歌いながら、ゆっくりとこちらに向かってきた。
そして俺が刀を受け取る時に投げ捨てた細剣を拾い上げて、俺の前にやってくる。
「どうだった?」
「みんな普通に生きてたよ!」
ユルメルは元気に首を縦に振って答えた。
どうやら大丈夫だったようだ。
それよりも、ユルメルはハキハキしてて活発なイメージがあったが、こんなに過剰だったかな……。
久しぶりに話すからかいまいちテンポが掴みづらいな。
「それはよかった。それより、ユルメルは何か良いことでもあったのか?」
やはりその理由が気になるので俺は直接聞いてみることにした。
「わかる!? 僕、久しぶりにちゃんとした素材で武器を打ったから楽しくなっちゃったんだ! その刀も中々の出来だと思わない?」
ユルメルはふんふんと鼻息を荒げると、満面の笑みを浮かべて俺の刀を見つめていた。
どうやら、俺の勘違いではなく本当に楽しい気分になっているらしい。
「そうだな。中々どころか百点だ」
それを聞いた俺は鞘から刀を引き抜き、じっくりと刀身を眺めた。
刀身ら金属本来の銀色の中に鈍い黒色が混ぜられたような色をしており、その上からはくすんだ赤色をした綺麗なラインが引かれている。
使いやすさや斬れ味もさることながら、デザイン性も最高の刀だった。
「よかったぁ!」
ユルメルは心底嬉しそうに胸の前で拳を握ってガッツポーズをしていた。
「ああ。ありがとな」
「ううん……それでね……一つお願いがあるんだけど……」
俺がお礼の気持ちを端的に述べると、ユルメルは途端に上目遣いでもじもじとし始めた。
これは……どこかで見覚えがあると思ったら「素材が全部欲しい」って言っていた時と同じ感じか?
「……」
同じパターンだとは思うが詳細までわからないので、俺は静かに待つことにした。
「えーっと……断られたらどうしよう……」
しかし、ユルメルは中々言い出す気配がない。
依然としてもじもじとしている。
俺が「別にそれを伝えるのは後日でもいい」。そう言おうと口を開いた刹那。
突如として不穏な風が辺りに吹き荒れ、体中にこれまでに感じたことのない悪寒が走った。
「——っ!?」
「ど……の? 怒……た……?」
目の前でユルメルが眉を顰めて何かを言っているが、俺はそれが全く耳に入ってこない。
なんだ……この寒気と違和感は……?
それに気配が……どこかで感じた……これは……?
その時だった。まるで闇そのものを体現したような強大な気配を背後から感じた。
ボルケイノスのように禍々しく、それでいてもっと強大な気配だ。
「誰だッ!」
危機を察した俺は瞬時に刀を抜いて気配を頼りに振り向くと、観客席の最上段の物陰から何者かが覗いているのが見えた。
それを認識するのと同時に、どういうわけか俺の視界はぐにゃりと歪み始め、俺の鼓動は地上に来てから初めて高鳴っていた。
「お前は……」
俺が目を細めて凝視すると、そいつは口元を小さく歪めて笑っていたが、俺は笑顔を浮かべる余裕など全くなかった。
緑色の長髪にほっそりとした体、そしてその優しそうな顔つき……どうして……お前は……?
「マクロス……か……? マクロスなのか!」
そこにいたのはマクロスだった。
俺が追放してから四年、一度も顔すら見ることがなかった因縁の相手だ。
そこで俺はぐにゃりと歪んでしまった視界を元に戻そうと、素早く瞬きをした。
「……消えた……?」
しかし、次に目を開いた時にはマクロスの姿はそこにはなかった。
それどころか歪んだ視界も何事もなかったかのように元に戻り、悪寒が止まり、風が止んでいた。
「——急に黙り込んでどうしたの?」
俺はユルメルの声が耳に入ってくることで意識が覚醒した。
そして俺はその場から一歩も動いていなかったことに気がついた。
刀を抜いていなければ、後ろに振り向いてもいない。
さらに、ユルメルの言葉の通りなら、俺は一言も発していないのだろう。
「……いや、なんでもない……帰ろう」
俺は戸惑うユルメルを置いて、コロシアムの出口へ向かった。
今のは俺の悪夢か、それとも疲労からくる幻覚か、それは定かではないが、思い出すだけで吐き気がしそうだった。
悪魔ボルケイノスを倒し終えた俺のともに、観客の命を救ってくれたユルメルがやってきた。
俺からすればあんな魔法を使えることの方が凄いとは思うが、今はそんなことを言えるような気分ではなかった。
「……ああ」
俺は最後の最後まで殺しを乞うてきたドウグラスのことや、そこから突如として現れた悪魔のことなど、理解しきれていない事がたくさんあるせいで、上手く頭の中を整理できていなかった。
「どうしたの? 悪魔を倒したんでしょ? もっと喜んでもバチは当たらないよ? それとも……何かあった?」
ユルメルは俺の顔を心配そうに覗き込んだ。
途中から来たユルメルにはわからないのも無理はない。
「……詳しい話は後でする。先に観客の容態を確認しよう。気を失っているだけだとは思うが、一応な」
俺は首を横に振ってから円形の観客席をグルリと見渡した。
全ての観客は未だに起きる気配がなく、気持ち良さそうに目を閉じている。
「うん、わかった! 僕はこっちから確認してくから、ゲイルは反対側をお願い!」
ユルメルは安心感のある笑顔を俺に見せると、ふわふわと浮き上がって観客席へ向かっていった。
それを見届けた俺はユルメルとは反対側の観客席へ跳躍した。
◇
「やっぱり気を失っているだけか……」
俺は観客一人一人の呼吸が安定していることを確認していたが、特に異常は見当たらなかった。
これだけ見ても異常が見当たらないのなら、おそらく大丈夫だろう。
容態の確認は次の一人で最後にしよう。
俺は隣でぐったりと首を垂らす怪しげな黒づくめの男性の前に立った。
「——アウタートさん、その変装は怪しすぎますよ……」
不自然なほど大きなメガネに蛍光色のハット、それには全く釣り合わないカッチリとしたタキシード。紳士と言えば紳士だが、あまりにも変態的すぎる。
その正体は国王の側近であるアウタートさんだった。
「結局、アウタートさんには何も見せてあげられなかったな……」
本来は俺の怪しさを払拭するために、アウタートさんに観戦してくれないかと頼んだのだが、不幸が重なり何も見せてあげられなかった。
「……はぁ」
思わずため息が溢れてしまう。
これでは領地を貰う話もお預けだな。
色々と作戦は考えていたんだがな……何もできなかったな。
「観客はそのうち目を覚ますだろうし、先に帰るか……変に疑われても嫌だしな」
観客は悪魔の姿を見ていないため、目が覚めた時に何が何だかわからないだろう。
ドウグラスが死に、俺が生き残り、怪しさしかないこの現場を証明できるほど俺の言葉に力はないのだ。
俺は激しい戦闘の跡を残すリングへ飛び降りた。
「ユルメル! そっちは大丈夫そうかー?」
「うん! 今戻るよ!」
そして俺が歪な形をしたリングの中央からふわふわと浮遊しているユルメルに声をかけると、ユルメルは楽しげな様子で鼻歌を歌いながら、ゆっくりとこちらに向かってきた。
そして俺が刀を受け取る時に投げ捨てた細剣を拾い上げて、俺の前にやってくる。
「どうだった?」
「みんな普通に生きてたよ!」
ユルメルは元気に首を縦に振って答えた。
どうやら大丈夫だったようだ。
それよりも、ユルメルはハキハキしてて活発なイメージがあったが、こんなに過剰だったかな……。
久しぶりに話すからかいまいちテンポが掴みづらいな。
「それはよかった。それより、ユルメルは何か良いことでもあったのか?」
やはりその理由が気になるので俺は直接聞いてみることにした。
「わかる!? 僕、久しぶりにちゃんとした素材で武器を打ったから楽しくなっちゃったんだ! その刀も中々の出来だと思わない?」
ユルメルはふんふんと鼻息を荒げると、満面の笑みを浮かべて俺の刀を見つめていた。
どうやら、俺の勘違いではなく本当に楽しい気分になっているらしい。
「そうだな。中々どころか百点だ」
それを聞いた俺は鞘から刀を引き抜き、じっくりと刀身を眺めた。
刀身ら金属本来の銀色の中に鈍い黒色が混ぜられたような色をしており、その上からはくすんだ赤色をした綺麗なラインが引かれている。
使いやすさや斬れ味もさることながら、デザイン性も最高の刀だった。
「よかったぁ!」
ユルメルは心底嬉しそうに胸の前で拳を握ってガッツポーズをしていた。
「ああ。ありがとな」
「ううん……それでね……一つお願いがあるんだけど……」
俺がお礼の気持ちを端的に述べると、ユルメルは途端に上目遣いでもじもじとし始めた。
これは……どこかで見覚えがあると思ったら「素材が全部欲しい」って言っていた時と同じ感じか?
「……」
同じパターンだとは思うが詳細までわからないので、俺は静かに待つことにした。
「えーっと……断られたらどうしよう……」
しかし、ユルメルは中々言い出す気配がない。
依然としてもじもじとしている。
俺が「別にそれを伝えるのは後日でもいい」。そう言おうと口を開いた刹那。
突如として不穏な風が辺りに吹き荒れ、体中にこれまでに感じたことのない悪寒が走った。
「——っ!?」
「ど……の? 怒……た……?」
目の前でユルメルが眉を顰めて何かを言っているが、俺はそれが全く耳に入ってこない。
なんだ……この寒気と違和感は……?
それに気配が……どこかで感じた……これは……?
その時だった。まるで闇そのものを体現したような強大な気配を背後から感じた。
ボルケイノスのように禍々しく、それでいてもっと強大な気配だ。
「誰だッ!」
危機を察した俺は瞬時に刀を抜いて気配を頼りに振り向くと、観客席の最上段の物陰から何者かが覗いているのが見えた。
それを認識するのと同時に、どういうわけか俺の視界はぐにゃりと歪み始め、俺の鼓動は地上に来てから初めて高鳴っていた。
「お前は……」
俺が目を細めて凝視すると、そいつは口元を小さく歪めて笑っていたが、俺は笑顔を浮かべる余裕など全くなかった。
緑色の長髪にほっそりとした体、そしてその優しそうな顔つき……どうして……お前は……?
「マクロス……か……? マクロスなのか!」
そこにいたのはマクロスだった。
俺が追放してから四年、一度も顔すら見ることがなかった因縁の相手だ。
そこで俺はぐにゃりと歪んでしまった視界を元に戻そうと、素早く瞬きをした。
「……消えた……?」
しかし、次に目を開いた時にはマクロスの姿はそこにはなかった。
それどころか歪んだ視界も何事もなかったかのように元に戻り、悪寒が止まり、風が止んでいた。
「——急に黙り込んでどうしたの?」
俺はユルメルの声が耳に入ってくることで意識が覚醒した。
そして俺はその場から一歩も動いていなかったことに気がついた。
刀を抜いていなければ、後ろに振り向いてもいない。
さらに、ユルメルの言葉の通りなら、俺は一言も発していないのだろう。
「……いや、なんでもない……帰ろう」
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